マガジンのカバー画像

デザボン

21
デザイン本をオススメする正体不明のモンスター
運営しているクリエイター

#読書

デザボンってなに?

デザボンとは、デザインやそれに関連する書籍をオススメする謎の怪獣である。デザインブックレビューモンスター、なんとなく縮めてデザボンです。レビューはイラレ職人コロが作成しています。 どこで読めるの? イラレ職人コロのX(旧Twitter)およびnoteにて投稿しています。普段はAdobe Illustratorの投稿が中心なので、デザボンだけを読みたい人は下記のnoteマガジンをフォロー推奨。 どんな本を読んでるの? グラフィックデザインを中心としたクリエイター向けの書

イラレって難しい?『はじめてイラレ 初心者でもIllustratorが使えるようになる入門書』 #デザボン

「イラレ意味わからん」 イラレ入門書に挑戦した人の多くが、一度は抱く感想でしょう。 なぜこんなにも難しく感じるのか。それは、最初から「プロになる」を前提にしているからではないか、と著者は考えました。 いきなり一人前を目指すのではなく、「最初の一歩」を転ばずに踏み出す。本書はそんなコンセプトから生まれたイラレ入門書です。 A5サイズ、176ページというコンパクトさ。可愛いイラストに、文字数は少なめ。パッと見でハードルの低さが伝わります。 そして「プロの知識」をバッサリ

ロゴの「切り口」図鑑『ロゴのかたち クリエイティブな70の発想法』 #デザボン

ロゴの案出しで、実際にこの本を開いてみた。 「モチーフを他の形に見立てる」 「一部を別の形に変える」 「パーツを繰り返し並べる」 「ネガティブスペースを利用する」 ロゴデザインの「表現の切り口」70種類が、作例とともに図鑑のようにコンパクトにまとまった本です。 「この方法は違う」「これは使えそう」と目を通していくうちに、だんだんと自分の考えがまとまり、これはどうだ!こんなこともできそう!とアイデアやストーリーが広がっていきます。 自分一人で漠然と考えるよりも、ずっと効

まず「楽しく描く」のが大事『はじめての人物イラストレッスン』 #デザボン

「イラストが苦手なデザイナー」は、実は珍しくもない。何を隠そう僕も、そして今はイラストレーターとしても活躍する本書の著者もまたその一人でした。 本書を一言で表すと、「デザイナーが編み出したイラスト入門書」です。造形や描写を単純化し、レイアウトやコンセプトで魅せる。なんともデザイナーらしい切り口で、軽やかに人物のイラストを描くことができます。 さて、僕が注目したのは、何よりもまず「楽しく描く」ことを重視する著者の考えです。本書はあえてデッサンや人体などの難しい基礎は省略し、

好奇心が止まらない!『Adobe Fresco イラストメイキングガイド』 #デザボン

えっ?そんな面白い機能あるんだ、と何度も驚かされました。 FrescoはAdobe製のドローイングソフトで、リアルなアナログ表現が特徴…なのは、Adobeユーザーならなんとなく知っているでしょう。 本書はその Frescoの入門書ですが、率直に言って Frescoを侮っていました。かなり興味深いです。 まず、本物の油彩のような凹凸のある表現を見て、こんなこともできるの!?と驚かされるでしょう。 『ライブブラシ』は、「水量」というデジタルソフトで初めて見たパラメータで、

デザイン徹底解析『伝わる図解化』 #デザボン

情報を「わかりやすく伝える」ということを考える。 近接、整列、ジャンプ率などなど、デザインにおける情報伝達にはいくつもの原則があります。しかし、知れば誰でも使いこなせるかと言えば、そうとも限らない。個人差はあれど一定の訓練を積み、ある種の感覚を掴むことが必要となります。 なぜなら「わかりやすく伝える」には、情報を整理し、分解し、目的を定め、選別し…と、膨大なプロセスが内包されているからです。その1つ1つにどんな意味があり、どのように作用するのかを論理的に説明できる人は少な

言葉を学んでセンスを磨く『言の葉配色辞典』 #デザボン

「彩雲(さいうん)」という言葉があります。朝日などで美しく色鮮やかに見える雲のことで、幸せを呼ぶ雲とも言われるそうです。 これをデザインに取り入れるなら、どんな表現にすれば良いだろう。 本書は情緒あふれる日本の美しい言葉をテーマに、連想されるビジュアルや色をまとめた、少し変わり種の配色本です。 他の配色本との最大の違いは、テーマとなる言葉の意味や連想される言葉などを掘り下げていること。 なんとなくこの色が綺麗、可愛いで終わるのではなく、元になった言葉を知ることで