「校歌の言葉を耳にして」
連日、高校野球が熱い。
昨日は準決勝。
第一試合は
関東第一と神村学園の戦い。
ギリギリのところで
カンイチ(学生時代からそう呼んでいる)が
決勝に駒を進めた。9回までヒヤヒヤする展開。
ここで勝ち切れるってのは
調子がすごくいいのだろう。
第二試合は
京都国際と青森山田の戦いだった。
こちらも死闘の末、
京都国際が勝利。
見応えのある試合が終わったそのとき
流れた校歌に息子が反応をした。
「 あれ ?ハングルじゃん 」
韓国語の校歌が流れるとは
思ってもいなかったのだろう。
「 ルーツが韓国なのかな? 」
そう私がつぶやくと息子は
「 だろうね。校歌だし 」と言った。
その後、2人で調べると
1947年に創立した学校で
元々は京都朝鮮中学という名前だったこと。
日本語、韓国語、英語の
トリリンガル教育や
グローバルリーダーの育成を掲げ
「真の国際人」を目指す人材育成に力を入れていること。
全生徒130人程度の学校であること。
野球部の比率がとても多いことがわかった。
「 いろんな学校があるね 」
私が言うと息子も同意する。
「 人数はうちとは結構違うよね 」。
彼の通う中高一貫校は学年270人
全校生徒1600人にも上る。
確かに比較するとその差はかなり大きい。
「 調べてる最中、結構非難を浴びてて驚いた。
決勝まで勝ち進んだのに
全然関係ないこと、こんなに言われるんだね」。
確かに心ない言葉をいくつも目にした。
「 同志社高校は英語らしいよ、校歌 」と言うと
「 なんかいいね 」と部屋に戻っていった。
子どもたちはとても素直だし、
フラットな目で世界を見渡している。
校歌がハングルであることに気が付く
なぜだろう? → 調べる → 知ることで納得
構造はとてもシンプルだ。
ここにネガティブな要素はひとつも感じられない。
それに引き換え、
一部の大人の発言には情けなくなる。
ハングルの校歌が聞きたくないのであれば
そっとテレビのチャンネルを変えるでも
高校野球を見ないでも、選択肢はたくさんあるだろうに。
「 東京と京都って、新旧都対決だね 」
今度は娘が口を開く。
言われてみれば、だ。
軽やかな感性にほっとする。
夏の甲子園が
たくさんの感動と涙とともに明日で終わる。
すべての選手たちに大きな拍手を送りたい。