深淵への覗き込み【インディミュージックのご紹介】
良くヘビーミュージック以外にどういった音楽を聴きますか?という質問を頂くので、今日はそれについて触れていきたいと思います。
敢えて〝メタル〟などの単語を今回使っていないのには訳があります。
大体ヘビーミュージックとカテゴライズされるものはボーカルがスクリームしていたり、楽器が歪んでいたりしているものを指す事が多いですよね?
そして多くのリスナーがメタルなどのヘビーミュージックに紐付けられて好むものとして、やはり暗い世界観というのは根底にある気がします。
勿論明るい音楽も沢山ありますし、我々も大好きなのですが、今回はどっぷりと浸れるような暗く冷たいサウンドを御紹介したいと思います。
音的に重いから“ヘビーミュージック”ではなく精神的に重い音楽という感じです。
要望が多ければ動画にもするかもしれません(笑)
で、話は戻りますが、ポストハードコアなどにおける、いわゆるシアトリカルという世界観と雰囲気を重視した昨今のサウンドは、聴覚だけでなく視覚的作用もあり、そういった部分でも後述のジャンルと通じるものが多いのかなと考えております。
という意味でも親和性の高いジャンルとして私が考えるのは〝Indie〟と呼ばれるジャンルです。
正直言うと、とても包括的なジャンルの呼び名なのであんまり使いたくない...というよりも説明するのに適して無い部分が多いので、1バンドずつ説明していきたいと思います。
では1バンド目です。
**〝Daughter〟 **
イギリスのノースロンドン出身のバンド
まさに先述した冷たく、暗いサウンド、悲哀に満ちた歌詞。
ジャンルを細分化するのであれば、シューゲーザーやサイケデリックな要素も多いと思います。
深いリバーブと、ボーカル、エレナの儚く細い声。
同じく英国のCocteau Twinsなんかは天に登るような浮遊感を感じますが、Daughterはどちらかと言うと、水に沈んでいくようなイメージが似合うと思います。
1st Album “If You Leave”より
2nd Album “Not to Disappear”より
このMVどことなくFuneral For A Friendを感じるんですよね。芸術点高すぎます。
3rd Album “Music From Before the Storm”より
3rdアルバムはゲームソフト、ライフイズストレンジのサウンドトラックにもなっています。
その後エレナはEx:Reとしてソロデビューも果たし、2019年には来日公演も行ってます。
1st Solo Album “Ex:Re”より
同郷のみんな大好きBring Me The Horizonあたりは、この手のジャンルの要素を上手く取り入れてると感じますね
こちらは施設内の教会での映像
眠れない夜や、なんとなく物悲しくなったり、人恋しくなったり。
そんな時にそっと寄り添ってくれる・・・そんな音楽だと私は思います。
続いて
〝Marika Hackman”
こちらはイギリス、ハンプシャー出身のソロアーティストですね。
時期によってかなり音楽性は変わるのですが、後期は暗い要素は減退してしまいましたが、EP〜1stまでの闇(病み)感が最高です(笑)
何処となくカントリー調の要素やドリームポップの要素も感じられる。
初期の頃はコーラスの入れ方なんかは賛美歌にも近い。でも決して教会では無い。何かもっと生々しく、野性味すら感じる。
2nd EP “Deaf Heat”より
先のEx:reなんかもそうですが、やはりソロだとパーソナルな部分の表現が強くなりますよね。
1stフルのアコースティックな感じは場末のパブの片隅で聴きたいですね。ハイチェアのカウンターの隅で(笑)
酒は勿論ロックグラスに安いスコッチをダブルストレートだ。
1st Album “We Slept at Last”より
このMV最高すぎるんですよね
最近はカントリー調の曲が多く、やや明るいものも増えてきましたが、初期の頃を感じる楽曲も存在しています。
2nd Album “I`m Not Your Man”より
3rd Album “Any Human Friend”より
ジャケが攻めすぎてます(笑)
Daughterほど光を感じさせない。良く洋画であるような、“この湖で泳ぐと溺れるから泳いじゃ駄目”って感じがします(笑)
最後に
“Billie Marten”
昨今話題のBillie Eilishではありません笑
こちらもイギリス、ノースヨークシャー出身のインディーフォークシンガーです。彼女がモンスターなのは1st EPをわずか15歳の時分にリリースしているという事。
1st EP “Ribbon”より
何処か幼げな部分は残しつつも、芯のあるややハスキーな声質。
レコーディングも〝生感〟にこだわってるのが伝わる音質。
アルペジオとスライドの音粒一個一個が染み入る様に、儚げに響きます。
1st Album“Writing of Blue and Yellows”より
ただ彼女もMarikaと同じルートを辿っていて、2ndアルバムは本来の生感がやや減退した様な印象も受ける。
2nd Album“Feeding Seahorses by Hand”より
**総括 **
最後に、何故普段メタルなどのヘビーミュージックを好んで聴いている私が、この手のジャンルに走ったか。という事に軽く触れておきたいと思います。
ずばり言うと、メタルなどのヘビーミュージックがその時の私の心情にマッチしなかったからです。
そういうタイミングってきっと誰しもあると思うんですね。
特に今の世界情勢だったり、人々の取り巻く環境を考えると、私だけでは無く、多くの方々が楽しい事よりも、辛い事の方が多いのかなぁと感じます。
やはり人生に於いて良い時も悪い時もあって、どうしてもそんな落ち込んだ心情の時に、私はヘビーミュージックを聴く気になれなかったんですよね。
気分を無理矢理にでも上げなきゃいけない時は勿論メタルとか聴いてたんですが...
ともあれ暗い気分の時にどっぷり落ちたい時もあるわけで...
例えばBillie Eilishがグラミー賞を獲るくらいに世界の多くが今、〝病んで〟いるわけです。
その点では社会が望んだ必要悪的ダークヒーローとも言えるかもしれませんね。
歌詞が出るのでとてもわかりやすいですね。
国内でも露骨なくらいわかりやすい歌詞で、暗い楽曲を演奏し、評価されてるアーティストはここ数年一気に増えた印象を受けます。
そして、世間的にも〝そんな自分でも良いじゃん〟って受け入れられてきているのはとても良い事なのかなと思います。
ですが、私はそういった生き方がファッションとして形骸化してきてしまっている事が残念でなりません。
私は私の経験でしかものを言えないですが、結局は自分がどう生きてきたか、どう生きていくか。に終始するわけです。
私も弱い人間です。
弱い自分でも良いし、メンヘラでも良いし、弱音吐いたっていいと思います。
でも明日はもしかしたら楽しいかもしれない。人生なんてそんなもん。
でも真っ直ぐ生きてたら悪いことばっかりじゃ無いと思うんですよね。おじさんは笑
でもそんな時にこういった音楽は私に寄り添ってくれた思い出の一欠片です。
もしかしたら皆さんの心にも響くかもしれないし、響かないかもしれません。
でも一部でもこういった音が安定剤的な一助を果たせば良いのかなぁと思います。
最後に
意外と激しい音楽好きな人にも刺さる楽曲があるのではないでしょうか?
沈んだ気分の時だけじゃなくて、気分を落ち着かせたい時なんかも良いかもしれませんね。
寝る前なんかにもオススメですよ⭐︎
自分の気分やシーンに合わせて、素敵な音楽ライフを過ごして頂けたら嬉しい限りです。
それではまたお会いしましょう!!
Goodbye!!!
Written by CORE TUBE Crow Senpai
おまけ