非常識な子どもの言葉に、どう反応する?
1月に受験を控えた長女
こんなことを言いました。
「そんなに(勉強を)がんばらなくてもいいんじゃないかな」
ぬお?
これ、私の第一反応です(笑)
子どもって、突然「ええ?」と驚くこと言いませんか?
勉強のこと以外でも、
「友達なんていらないと思う」とか言われると不安になるし、
「お金こそが一番大事」とか言われても、「オイオイ」と不安になります。
そういえば、高校生の頃、母が涙ぐみながらこんなこと言っていました。
「Aが(弟)『世の中のルールなんて守らなくていい』なんていうのよ。
あの子、大丈夫なの?! あなたからなんとか言って。」
弟は当時中学生ですから、弟もいろいろ考えていたんでしょう。
母は反射的になってしまっていました。
こういう、親が「おぉ?」と思ったとき、
ついついしてしまうのが、
《その考えの間違えを正そうとすること》
「そんな考えじゃだめだよ」
「それはオカシイよ!」
「もっと前向きに考えなきゃ!」
「こういう時はこんな風に考えるべき!」
と、一生懸命子どもに説明し、訴えたりして。
で、大抵は、あなたの中のモヤモヤは消えず、子ども側も「わからん親だ」となってしまう。
間違っているものは間違っている!
親として間違えは正さねば、と思うかもしれません。
それも間違っていません。
でも、相手の言葉を「それは違う!」と、全否定して、正す前にしてみてほしいことがあるんです。
それをした方が、親の正しさを押し付けるよりもはるかに、子どもの考えが深まり、結果、子どもの学びになります。
子どもの考えを正したくなるのはなぜ?
まず、子どもの言ったことで、あなたの心が反射的になったとしたなら、まずは、
子どもが言ったことよりも、自分の心が反応したことに、反応してみてほしいんです。
先ほど紹介した弟が「世の中が作ったルールなんて守らなくていい」と発言し、私の母が反応した話。
これを例えに考えてみると、母はなぜそんなにも反応し、彼を正したくなったのでしょうか。
それは、きっと、「不安」だから。
弟の発言を聞いて、母の中でいろんな未来を想像してしまったのでしょう。
中学生だった弟。
良からぬ道に行くのでは? と母は心配したのかもしれませんし、先生に目をつけられるんじゃ? と思ったのかもしれません。
良い子でいて欲しい。
目立ってほしくない。
安全に生きてほしい。
いろんな希望もあったのかもしれません。
どうあれ、反射的な反応なまま、正しさを押し付けてしまうのって、「子どものため」というより、「親側の都合」
なので、もし、反射的になっている自分に気が付いたら、子どもが何を「言っているか」「どれほど間違っているか」「なぜ間違っているか」ではなく、
まずは「そうなっている自分」について考えましょう。
「なぜ私は反応したのだろう?」と。
子どもの思考力を伸ばすチャンス!
人は、経験して自分が感じたことから学びます。
「本を読む」という体験も、読むことで自分が感じたことから学んでいます。
子ども、同じようにその年齢なりにいろんなことを考えます。
いろんな経験をして、自分が感じたことから、子供なりに考えをまとめています。
自分つくりの準備中。
なので「こういう考えが正しい!」という押しつけは、思考停止になります。
「こういうものなのよ」と言われてすんなり受け入れてしまうことは危険です。
過去を見てみても、多くの不幸は、疑わず、従順な人たちが利用されて起こっていますよね。
また、私は「自信がない」「人の意見に左右されてしまう」と、「自分がない」と感じて辛い思いをしている人の話をたくさん聞いています。
情報に振り回されず、しっかりと自分の考えを自分で導き出せる力は、それでいて柔軟な考えを持つ力はとても大切です。
だからこそ、子どもが自分の考えを伝えてくれる機会って、子どもの思考力を伸ばすチャンス!
大人からすると、「それはオカシイ!」と否定したくなるものが出てきたら、それについて対話をしましょう!
子どもが自らそれについて深く考え、自分自身だけでなく、周りや、社会を含めた視野でも事を考えれることをサポートするために。
まずは、これを聞こう
子どもの考えを非難するのでも、否定するのでもなく、正しい考えを教えるのではなく……
と、したらどうしたらいいのか?
それは、子どもに
「どうしてそう思ったの?」
と聞くことだけです。
説得することも、あなたの正しさを納得させる必要なんてありません。
子どもなりに、その結論に至った考えを引き出してあげてください。
ちなみに娘の
「そんなに(勉強を)がんばらなくてもいいんじゃないかな」
と思った理由。
↓↓↓↓
一生懸命がんばって落ちると、すごく傷つくじゃん?
手を抜いて落ちたなら、本気じゃなかったから。って言い訳できるじゃん?
おおおぉ。深い。
私もそうやって、本気を出してダメだったときのショックを和らげんと、
8割9割の力しか出さずに生きていた時期があったから、わかる!
改めて子どもって、いろいろ考えてる!
と思います。
子どもが言葉にしていることは、
ほんの一部。
奥にもっともっと深くて、子どもの感性ならではの感覚、学びが潜んでいます。
子どもならではの感性と、
少しだけ先を進む私たちの経験と、価値観と、
それらが対話の中でまじりあって、
子どもの中、私の中で起こる化学反応。
対話の本当の面白さってココです。
もう、ぜひともこの面白さを味わってもらいたい!!
楽しく面白いだけなく、
子どもと親、互いに学びが深くなるというとっても嬉しいこともあります。
どうしても反応してしまう! という方も、
あなたの正しさを押し付けるのは、この問いの答えを聞いてからでも遅くない!
(できれば最後まで押し付けるのはやめてほしいですけどね)
まずは本人に聞いてみるといいですよ。
子どもの一言を、説教の時間にするのか?
学び合う豊かな時間にするのか?
あなたの一言で選べます。
その一言は
「どうしてそう思ったの?」
(もちろん、興味のトーンで言葉を発してくださいね)
このお話が、あなたとお子さまが成長し、つながり合うお役に立てますように。