5つの「裏技」を駆使して、今まで以上に自分の成長を加速する方法
「裏技」と言うと、一般的にはよく知られていないけれど、効果のあるテクニックといった意味でよく使われます。
ビジネスの世界でも「〇〇の裏技」といったキャッチコピーを時折見かけします。中には「それって禁じ手じゃないの?」というノウハウもありますが、今からお伝えする「裏技」はあまり知られていないという点では、紛れもなく「裏技」です。
はじめに:人には力を発揮できない状況がある
弊社では人が「どのようなことに感情が駆り立てられるか」という視点から、プロファイリングして、その人が大切にしている本質的価値観と、嫌だと感じている価値観を言語化します。
前者を「コアコンセプトの表」、後者を「コアコンセプトの裏」と呼んでいるのですが、「裏技」はこのコアコンセプトの裏を活かす方法です。
自分が嫌だと感じている状況に接すると、人は本来持っている力を発揮できません。けれども、本来持っている力を発揮できないがゆえに、そこを自覚できれば、仕事においても、日常生活においても、伸びしろが生まれてきます。
1.「裏」×アンガーマネジメント
私のケースで説明すると、私のコアコンセプトの裏は「強要」です。これは子供の頃、白いモノでも、父親が「黒だ」と言えば、「黒い」と言わなければならない家庭で育ったことと関係しています。
いずれにせよ、私の場合は、「これは自分に対する『強要』だ」と感じた瞬間に、モヤモヤしたり、イラついたりします。
また、仮に自分が対象になっていなくても、上司が部下に強要している場面や、大企業が中小企業に強要しているケースに接すると、沸々と怒りの感情が湧いてくるのです。
アンガーマネジメントでは怒りの感情を鎮めるために6秒数えることを推奨されています。一方、我々は怒りの感情やモヤモヤした気持ちが生まれた際には、「これって、自分の(コアコンセプト)の裏にひっかかっていないか?」と紐づけるようアドバイスしています。
感情は自然と湧いてくるもの。怒りの感情自体が悪いのではありません。その怒りの感情が自分の源泉と結びついていることが分かれば、後は思考の力を使って対応すれば、余計なストレスは貯まりません。
2.「裏」で割り切って仕事をする
「強要」だと力を発揮できない私の場合、いわゆる下請け的な仕事は、どうしても強要的な要素が入ってくるため、モヤモヤします。
以前はこのモヤモヤの原因が分からなかったので、「なんだか、スッキリしないなぁ」という気持ちを下請け的な仕事をしている時にずっと抱いていました。
けれども、今は自分の裏の状態が分かっているので、
これは自分の裏に当たるから、本来はやりたくない仕事である
↓
けれども、金額も大きく、今後のビジネスチャンスにつながる可能性もあるので、1ヵ月間だけは頑張って取り組もう
というように割り切って仕事ができるようになりました。
ビジネスとしては、本来は自分がもっとも力を発揮できる状態で取り組む仕事に集中するのがベストです。
しかしながら、現実問題としては、資金繰りの関係や、長年のお付き合いの関係から、必ずしも、自分があまり本来の力を発揮できない仕事をやらざるを得ない状況も生まれてきます。
その際、モヤモヤした気持ちを抱えながらやるのか、「これはお金のためだ」と割り切って、期限を区切ってやるのとでは、仕事のパフォーマンスも大きく違ってきます。
3.「裏」の克服は新たな価値の創造
私は社会人になって10年前後の時から、どちらと言えば、管理部門的な仕事をやることが多くなりました。このため、起業した後も、会社の中で管理部門的な分野でクライアントさんをサポートさせていただくことが大半でした、
しかしながら、自分の「裏」が分かった後、「本来自分は管理部門の仕事は好きではない」ということを自覚するに至ります。
なぜなら、総務にせよ、人事にせよ、経理にせよ、会社が決める正解というものがあり、その正解に合わせて、いろいろな規程や数字や仕組みを作るという仕事です。つまり、まったくの自由というよりは、強要的な要素の強い仕事だからです。
一方で、私は管理部門の仕事をしている時、「もっと楽にできないか」「もっと効率的な方法はないか」「これって本当にやる意味はあるのか」といったことを常に考えていました。
その当時は分からなかったのですが、いま振り返ってみると、
嫌いな仕事はできるだけ簡単に済ませたい
↓
手を抜いて成果を出す方法を見つけたい
↓
業務改善に力を入れる
という流れが根底にあったのだと分かります。
世の中には「人事の仕事が好き」「経理の仕事は面白くて仕方がない」という人もたくさんおられます。
しかしながら、私の場合はストレートに「人事の仕事が好き」「経理は面白い」と感じるのではなく、「好きでも面白くもない仕事を手っ取り早く済ませて、もっと楽しい仕事をするにはどうすれば良いのか」という要素が強いのです。
このため、私は人事のプロや経理のプロにはなれません。一方で、私と同じように「管理部門の仕事はできれば簡素したい」という経営者の方には何かしらお役に立てる要素もあるのではと感じています。
4.分かった上であえて「裏」を使う
コアコンセプトの「裏」で気をつけたいのは、自覚していないと、自分の「裏」を自分や他人に対して発揮しているということです。
私の場合で言えば、自分に対して何かを「強要」したり、他の人に自分の考え方ややり方を「強要」していたり、というケースです。
自分が「強要」を受ける場合や、人が誰かに対して「強要」している場合は、自分の感情がすぐに動くので比較的分かりやすいです。
一方、自分が主体になって、自分もしくは第三者に対して「強要」している場合、自分の感情がすぐに動くとは限らないので、より注意が必要です。たいてい、しばらくしてから、「なんだかモヤモヤする」と感じたり、「どうも彼の動きが悪いなぁ」と感じたりして、気づくことがあります。
このため、意識的に自分に対しても、人に対しても「強要」しないという選択肢もありです。
しかしながら、仕事をしている以上、どうしても自分や人に対して負荷をかけざるを得ないことがあります。その際、何も意識しないで「強要」するのと、「これは『強要』だ」と分かった上で、指示するのとでは、微妙に捉え方や言い方が異なってきます。
特に人に対して「強要」を強いる場合は、相手の立場や気持ちに少しでも思いを馳せることができれば、内容的には同じ指示であっても、その結果はかなり違ってくるのです。
5.「裏」で過去の自分を受け入れる
私は最初の勤め先である銀行を辞めた理由はいくつかあります。
表面的には「次の転職先が決まったから」ということですが、真の理由としては、「出世の見込みがなくなったから」です。
銀行を辞めた2000年、私はちょうど昇格の対象の年でした。しかし、残念ながら、昇格できず・・・。
銀行では一選抜と言って優秀な人は最短で昇格していきます。私は1996年の時に一度昇格できなかったので、一選抜ではなく、同期の中では一周遅れでした。
一周遅れぐらいならなんとか挽回も可能ですが、二度昇格がダメだと、一年後輩の中には自分よりも職位が上の人が出てくる形になります。
当時は海外赴任から帰ってきた直後で、「自分としてはかなり成長できた実感はあったものの、会社側はそれを認めてくれない」と思いが募り、「そんな会社なら絶対に辞めてやる」と心に決めて、転職活動を始めたのです。
たまたま、最初の転職候補先で、トントン拍子で採用が決まったので、最後の部署は配属になってから4ヵ月ほどで辞めてしまいました。
今思うと若気の至りという感じもしますが、いずれにせよ、「自分の仕事を会社は評価してくれなかった」という傷はずっと残りました。
しかし、自分のコアコンセプトの「裏」が分かって、ようやくその傷は癒えました。
なぜなら、銀行の仕事は「強要」のオンパレードだから。手続きやマニュアルが事細かく決められ、少しでも規則に反すると、「権限違反」として賞罰の対象になります。言わば、箸の上げ下げまで事細かに指示されるので、半沢直樹のような銀行員がいたら、すぐに飛ばされます(笑)。
つまり、銀行の仕事は私のコアコンセプトの「裏」に当たるので、どんなに頑張っても評価されないのは当たり前ということが分かり、自分の中で二回昇格できなかったことも、「まぁ、仕方ないよねぇ」と腹落ちしたのです。
そして、銀行員時代で一番楽しかったのは海外駐在員事務所での仕事。唯一の日本人上司である所長とはよくぶつかっていましたが、自分のやりたいことを通したので、「強要」が一番少なかったように感じます。
また、上司によく口答えしていたことが二回目に昇格できなかったことにつながっていたとすれば、ある意味なるべくしてなった当然の結果だったようにも思います。
おわりに:「裏」を知って選択肢を広げる
もし、この記事を読んでいる方が「自分は一所懸命頑張っているのに人は評価してくれない」と感じているとすれば、もしかすると、自分の「裏」で頑張っているから、かもしれません。
自分の「裏」が分かれば、それをどう活かすかは皆さん次第。私の場合は、いろいろ書きましたが、過去の自分を受け入れられるようになったことが一番良かったと感じています。
少なくとも、知らないより知っている方が自分の選択肢は確実に広がります。
もし、自分が力を発揮できない「裏」は何かを知りたいと思ったら、「知られざる『くすぶり感』の対処法」をチェックしてみてください。
サポートは、マインドの感情とマネーの勘定を整えることで、自己成長につながる研究費に活用させていただき、得られた気づきをnoteへの記事に投稿する形で還元します。