
副業をめぐる問題で、自社の過去の経験に基づいて一番気になっていることとは?
都会の優秀な人材に副業として地方で活躍してもらうという動きがあります。
私も3年ほど前に、地方でのビジネスに興味を持って、3回ほど地方に出張したことがありました。当時はまだ新型コロナウイルスが話題になる前だったので、副業といっても、一部でリモートを活用することはあっても、実際に週一回とか月一回、地方に行って働くという案件が大半でした。
このため、当時と現在とではやや事情が異なるかもしれませんが、一番気になったのは
副業する人に対する報酬がかなり低めに抑えられている
ことです。
実際、一緒に地方企業を訪問するツアーに参加されていた経営者の方は「あの金額では、本当に優秀な人はやらないのでは?」と言っておられました。
もちろん、中にはまだ売上が安定していないために、報酬を低く抑えざるをえないという会社もあるかと思います。
しかしながら、業績も順調で、社員にもきちんと給与を払っておられる会社まで
・副業だから
・正社員と比べて勤務時間が短いから
・報酬よりも地方創生に関心のある人を集めたいから
といった理由の下で「この金額で、ここまでのことを求めるの?」と感じたのです。
私がクライアントさんによくお伝えしているのは、「投資家的に発想しましょう」ということ。
つまり、「目先で支払うお金にばかり着目するではなく、投資した金額とリターンとして得られる金額をセットで考えましょう」ということです。
仮に月10万円支払って毎月20万円のリターンが得られる場合と、月30万円支払って、毎月80万円のリターンが得られる場合。後者の方が支払うお金は3倍になりますが、手元に残るお金としては、断然多くなります。
なぜ、このようなことを言うのかと言えば、弊社の過去の経験に基づいています。
15年間でやってきた中、弊社が提示したサービスの金額について「もう少しまけてもらえませんか」とおっしゃったお客さんが何人かおられました。今はそのような方は原則としてお断りしていますが、以前は「まぁ、当面の売上になるし、次につながるかもしれないからいいか」ということで、値下げして対応したこともありました。
けれども
・提示した金額で契約したお客様
・提示した金額から値下げして契約したお客様
の結果を比較してみると、前者の方が圧倒的に成果を出しておられます。
そして、前者のお客様に後で話を聞いてみると
「『絶対に元を取れる』と思ってお願いしました」
「当初は「ちょっと自分には高いかなぁ」と感じたけれど、やっぱり申し込んで良かったです」
「結果的にはかなり割安でした!」
と皆さんおっしゃいます。
本当は金額的に払えるのにその金額を払わないという場合、そこに一種の甘えが生じます。すると、仮に思ったような結果が出なくても、「まぁ、安く済んだのだからいいかぁ」という言い訳につながります。
私は、会社経営は確率論に基づき、より成功する確率が高い方を選ぶべきだと考えています。
前述の副業人材の活用に関して言えば
・地方での仕事に興味はあるので、低い報酬でもやる人
・高いスキルを持って結果にもコミットするが、それなりの報酬が必要な人
のどちらが、会社にとって付加価値を上げてくれるのかを判断する必要があります。
もちろん、基本的に経営者は欲ばりなので(笑)、「高いスキルを持って結果にもコミットするが、低い報酬でもやる人」が良いとおっしゃいますが、残念ながら確率論的にそのような人は少ないのが現状です。
また、価格競争に巻き込まれるのを避けて、自社の売上を上げたい会社として
他者が提供する価値を認めずに価格を下げて利用する
という考え方は、巡り巡って
自社の商品の価値がお客さんに伝わらずに、いつも値段を下げるよう強要される
という結果につながります。
この点、本当のお金持ちと言われる人は価値がないと判断したものは、ケチだと言われようが一切お金を払わないのに対して、価値があると判断したものは、たとえ周囲が「その金額は高いのでは?」と忠告しても、ポンとお金を出します。
つまり、投資家的な視点に立って、「価値>価格」なら1億円でも買うが、 「価値<価格」なら1円も使わないということを徹底しているので、長期的にお金持ちになるという構造です。
副業解禁の動きを受けて、地方だけでなく、副業人材を求める動きが加速しています。この時、「副業人材だから安くていいや」と考えるのではなく、「副業人材が提供してくれる価値をいかにして最大化したら良いか」という発想に立つと、日本経済もより活性化するのではないでしょうか。
なお、現在ご提供している「新規事業で『売上500万円』を作る方法」でも、投資家的な視点から「長期的にお金がきちんと回る構造になっているか」という要素を入れています。
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