見出し画像

お金が回る会社にするために9つの視点からやるべき行動を見つける

お金を借りるベストのタイミングとは?

皆さんの会社でお金を銀行から借りる時というのは、どういう時でしょうか?

「そんなの、お金が足りない時に決まっているだろう」

と思われた方が大半かもしれませんね。

銀行員時代、融資のお申込みがあるのは、「来月500万円ほどお金が不足するので、融資の検討を」という時であるのは事実。

しかし、昨今のいろいろな情勢を勘案すると、会社側に立って考えてみた場合、お金を借りる時はお金が足りない時ではないと考えています。

では、どういう時か。

それは、

お金を借りる時は、お金を返せる時

です。

つまり、「今は会社経営に必要なお金が不足するが、将来的にはお金を返すメドが立っている」というタイミングが資金調達するべき時期であるということです。

経理の知識だけでは事業計画を作れない

ベストなタイミングを知るためには、状況をつかむことが大切です。

そして、この状況というのは大きく分けて2つの要素があります。

一つは、実績(過去~現在)、もう一つは、計画(現在~未来)です。そして、それぞれをつかむ際に必要とされる素養というのも異なります。

まず、実績をつかむ際にはある程度、会計や経理の知識が必要とされます。

これは、実績を表すものとして、決算書や試算表などがあり、それは他人が見ても理解できるよう一定のルールが定められているからです。

一方で、計画の場合、もちろん、会計や経理の知識も必要です。

では、それ以上に大切なのは何でしょうか?

それは、営業マーケティングリスクコントロールといったセンスです。

いくら、経理の仕訳を理解していても、

・この商品はいくらなら売れるか?
・A社にこのサービスを使ってもらうには・・・
・B社との取引は手間がかかる割には儲けが少ないなあ

といったことが頭に入っていないと、今後の見込みを立てることはできないのです。

以前、飛び込みで営業に来られた信用金庫の人と話をした際、「(新規の融資は)保証協会の保証がつけば可能」というお話をされていました。

逆の言い方をすれば、表面上お金が回る資金繰り表を作成することができ、保証協会の保証や不動産担保などで、保全を確保できれば、資金調達も可能ということです。

しかし、借りたお金を使ってお金を増やすという流れができていないと、お金の返済にすぐに窮してしまいます。

実際、過去に資金繰りのご相談を受けた際、借入から半年で既にリスケをしているケースがありました。

最初に銀行に提出された事業計画書も見せていただいたのですが、すべて100%上手く行った時にギリギリ借入を返済できるという数字が並んでいました。そして、銀行はその事業計画で保証協会の保証がおりたので、融資を実行したのです。

しかし、現実は

計画通りには売上がいかない
 ↓
毎月の資金繰りが逼迫
 ↓
銀行にリスケを要請

という事態になっていたという訳です。

このケース、会社としては新規分野への参入だったので、状況をしっかりとつかめていなかったと言えます。

では、この「状況をつかむ」という時、会計・経理と営業・マーケティング・リスクコントロールをどのように融合していけば、よいのでしょうか。

経理と営業をつなぐ3つの切り口

会計・経理に欠けている3つの切り口を加味することで、会計・経理と営業・マーケティング・リスクコントロールを一体化することができます。

それは、・・・

1.価格
2.数量
3.時間

です。

今月の売上は5,000万円という数字を見た時、それが、5万円×1,000個なのか、100万円×50個なのかは、「試算表」を見ただけでは分かりません。

そして、単価5万円のものと単価100万円の商品を売るのでは、やるべき施策も違います。

また、この5,000万円が既に入金された売上であれば良いのですが、未回収の売掛金として残っている場合、3月の入金なのか、来月末までには振込されるのかによって、資金繰りは大きく変わってきます。

そして、「決算書」には売掛金がいつ入金になるかが書かれていません。

一方で、

・この商品をいくらで売るか
・この商品の来月の販売目標は?

といったことは毎月の営業会議の議題の一つ。

また、取引先との条件交渉の中で、先方の支払条件、支払方法はきっちりと取り決めるべき最重要項目の一つです。

つまり、価格、数量、時間というのは、毎日の会社の業務の中で多くの社員が何らかの形で関与していること。

しかし、

日々の業務活動がきちんと経理や財務とつながっていない
逆に経理や財務の数字が次の行動につながる形でフィードバックされていない

のは、多くの会社で見られることです。

逆に、日々の活動と経理や財務が上手く連携する仕組みができている会社では、将来の数字を見据えながら、先手、先手で必要な手を打っています。

もちろん、会社の業種、事業規模、社員数によってやり方はいろいろです。しかし、共通するステップを踏んでいくことで、基礎的な土台を構築することは可能です。

9つの視点とは?

そして、お金が回る会社にするためには、前述の

1.価格
2.数量
3.時間

売上高
変動費
固定費

を組み合わせた9つの視点から「何をやれば、お金がもっと回るようになるのか」を考えることが最初のステップです。

画像1

この9つの視点から、会社として

新たに始めること
これからは止めること
やり方を変えること

を徹底的に洗い出した上で、資金繰りの見込みを作り、それでも不足する分は銀行から借入するというのが理想の形です。

もちろん、このやり方は今月末にお金が足りないという時は実行するのは難しいかもしれません。けれども、遅かれ早かれ、このような9つの視点から会社としてやるべき行動を決める必要があります。

「ウチの場合はどうすれば良いか?」と思われた方はお気軽にお問い合わせいただければと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

岩井徹朗@座組み作りの専門家
サポートは、マインドの感情とマネーの勘定を整えることで、自己成長につながる研究費に活用させていただき、得られた気づきをnoteへの記事に投稿する形で還元します。