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新人研修も含めて、社員研修の内容を大きく見直す時期に来ている
4月から始まった新年度もはや半年が過ぎました。今年は緊急事態宣言の期間が長く続いたので、新入社員の研修もなかなか思うように進まなかったかもしれませんね。
さて、かくいう私も36年前は新入社員でした。当時は2週間ほど合宿して新人研修があり、社会人としてのマナーや会社の決算書の見方などを学びました。
そんな研修の中で私が一番嫌だったのが、札勘、要はお金を数える練習です。
研修では模擬紙幣なるものが配られて、タテ読み、ヨコ読みという形で2回数えて100枚ずつの束をつくることをひたすらやらされます。早く、正確にお金を数えるのが銀行員の基本ということで、研修期間中も何回かテストがありました。
ただでさえ不器用な私は指がスムーズに動かず、紙幣を扇形に広げるヨコ読みでは、なかなか思ったように広がりません。しかも、5分という制限時間があるため、気ばかり焦って、時には数え間違いも・・・。
今思い出してもぞっとします(汗)。
このような訓練を経て、なんとか身につけた札勘の技術ですが、どうも全世界共通という訳ではなさそうです。
ある先輩が、アジア開発銀行という国際的な金融機関に出向している時、同僚の前でこの札勘を使ってお金を数えたところ、周りの人は怪訝そうな表情。
扇のようにサッとお金を広げて、どや顔の先輩に対し、「だからなんなん?」という反応だったそうです。
つまり、そこで働く他国の銀行員にとっては、「お金を必要とするところに、お金を出すか出さないかをきちんと判断する」ことが本分であって、「お金を早く、正確に数えられるかどうか」は、本筋ではなかったのです。
私が海外の銀行に出向している時に同僚に聞いてみても、「札勘なんかやったことがない」という回答。さすがに支店の窓口業務につく社員の人は、お金を数える練習があるそうですが、融資業務やディーリングなどを行う社員はそもそも研修プログラムにすら入っていないとのことでした。
日本の場合、野球で言えば、「玉拾い」からスタートすることが多く、本質的でないことも修行の一つとして良しと考えるという風潮が強いです。
もちろん、どんな仕事からでも学ぶべき点があるのは事実ですが、今の日本はそんな悠長なことを言っている余裕はありません。
銀行という業界に関して言えば、世界的なレベルから見ると、日本の銀行は出遅れている部分が多々あります。今でも銀行では、札勘の練習が新入社員研修に入っているのかどうかは知りませんが、もし入っているとしたら、本当にやるべき項目かどうかを一度見直す時期に来ています。
新人研修の一項目という小さい部分ですが、何事も初めが肝心であり、その細部にこそ会社の姿勢が問われることも真です。
皆さんの会社の研修プログラムはいかがでしょうか?
過去を踏襲して同じような内容を同じように教えているのではあれば、大きく見直す時期に来ています。
ところで、銀行を退職してからは、ほとんど披露することがない私の札勘ですが、10年ほど前、クライアントさんが「取引代金を現金で決済するので一緒に行ってほしい」と言われて、同行したことがありました。
その際、久しぶりに多額のお金を数えるはめに!
私が扇状にお金を広げてお金を数えるのを見て、クライアントさんからは、「さすが元銀行員、上手いねえ」と言っていただきましたが、私は間違いないように数えるのに必死でお褒めの言葉も上の空でした(笑)。
なお、会社の成長に寄与するべく社員研修を見直したいとお考えであれば、一度「社長専任の社外チーム」にお問い合わせいただければ幸いです。
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![岩井徹朗@座組み作りの専門家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/37085104/profile_28dfb556bcf818bfbb4fa510854f3ed6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)