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スペシャルティ専門店を味わってみた_vol.1


はじめに

コーヒーについて探索するうちに、色々な店で出している焙煎豆の味わいを知りたくなり、味わってみた結果どう感じたのかを記載していきます。(個人の主観をおおいに包含しますが、どうぞご容赦ください)

堀口珈琲店

このお店は言わずと知れた圧倒的に知名度の高い、スペシャルティコーヒー専門のお店です。初めての出会いは、いつの日かのコンサルプロジェクトで24時間中20時間くらい仕事していた(働いているときは、概して「難題を解くために死ぬほど忙しくしてる自分、かっこいい」とか思うものですが、自分のキャパを超えて働かされている仕事に付与されるのは自己満足だけで大して意味はないと、今は思っています・・・)ある日、大手町の大きなビルを訪れたときでした。毎日3時間くらいしか寝ておらず、常にカフェインを欲している状態だったので、たまたま出先のオフィスビルの1階にコーヒー屋が見かけるや否や即注文しました。それが堀口珈琲店との何とも偶然の出会いでした。当時は「(ハンドドリップだから当たり前ですが、)会計してから出てくるまでの時間がやたら長いコーヒーだな」と思ってしまっていたのですが、圧倒的な美味しさに驚いたことを覚えています。「香りが強いのに酸味がなくて、いやな苦みもなく、甘味すらある」と不思議な気持ちになりました。今思えば、一杯のコーヒーへの衝撃度ではこのときが一番でした。(当時はスペシャルティがどう、というよりなんかすげーうまいな、くらいの感覚でした)

その当時から2年ほど時が流れ、とうとう私もコーヒー豆の味を自分で研究するようになり、堀口珈琲店の豆を買ってみたのでした。個人的にこのお店の、「スペシャルティであっても敢えてハイロースト以上で出して嫌な酸味を押し付けない」といったスタンス(私個人の解釈です)をリスペクトしており、またそのようなポリシーがあるからこそ、同社がリリースしている最も浅いタイプのブレンドがどんな味なのか知りたくて BRIGHT & SILKYのブレンド豆を買ってみました。結論から言うと、とんでもなくおいしかったです。正直、自分でブレンドを作るとするならこの味を目指したいな、と思うほどでした。ブレンド豆の内訳は、エチオピア、ホンジュラス、他と記載があるのですが、果実味が強調されすぎているわけではなく、かといって苦みが後味に残るわけでもなく絶妙なバランスです。しっかりコーヒーの味わいは強く感じるものの、口の中に入ってから一気に入って一気に抜けていき、ごくごく飲めるという印象でした。個人的にはさわやかかつきりっとしており、パカマラ系の華やかな味わいの雑味を取ったような雰囲気を感じました。

ご参考までに以下に堀口珈琲店が出している各ブレンドコーヒーの香りの傾向と焙煎度を示す表の写真を撮ったので転載させていただきます。

出所: SCAJ2024_堀口珈琲店
出所: SCAJ2024_堀口珈琲店

一枚で収まらず二枚に別れてしまっているのですが、スペシャルティとはいえ中煎りと深煎りに拘っていることがよくわかります。(一般的に"High roast"は中煎りを指し、"Light roast"もしくは"Cinnamon roast"を浅煎りと表現することが多い)同店が顧客が毎日飲んでくれる親しみやすいコーヒーをサーブすることを目指していることを体現したようなブレンドの数々です。色々買いたいところではあったのですが、他にも気になる場所があったのでこの場では三種類ほどの購入に留まりました…。

LIGHT UP COFFEE

個人的に創業者のファンなので、今ではSNSや動画配信などもよく拝見させていただいているのですが、このお店との初めての出会いは7~8年前頃でした。当時、最寄り駅から実家までの道の間に店舗があり、内装がシンプルすぎて「なんだここは」と思って寄ってみたのがきっかけでした。当時コーヒー一杯で600-800円くらいで、「やや高いかも」と思ったのと、「カフェなのにコンセントや大きな机がないのはなぜだろう」と思ったことを覚えています。(当時の私はカフェで本さえ読めればそれで満足で、空間に広さを求めてはいなかったので、気分転換に色々なカフェをめぐっていた)なぜ内装が凝った感じでもなく、居座る空間であるわけでもなく、スタバより高いんだろうと思いつつ注文をすると、そこにいた店員さんがお店のコンセプトや産地の話をしてくれて、「店員さんとともに珈琲そのものに向き合う新鮮さ」を感じました。とはいえ、当時は浅煎りコーヒーというものを飲んだことがなく、確かに香りとコーヒーに向き合う体験自体は新鮮ですごくいいが、普段使いには舌が追い付かないなと思った記憶があります。

それ以降は、お店に通うほどリピートはしていなかったのですが、個人的に不思議なエネルギーを感じていたので、SNSや動画配信サイトでお話を聞かせていただいていました。またまた個人的な話ですが、私は同社の創業者の方の想いや、目指す姿を心からかっこいいなと思っており、尊敬しています。「コーヒーは飲み物であると同時に人である」という考え方(私個人の受取方です)は、私が敬愛するバーテンダーやフレンチシェフも皆同じ思想だと思っているのですが、「そこにストーリーがあって共感できるから、更にはそれを紡ぎ伝承できているから美味しさを提供できるのであって、その人が介在するからこそ目の前の皿に乗っているもの単体で引き出せない何かを引き出している」ということだと思っています。

そんなことを思っていた背景もあり、思想にも大変感銘を受けているLIGHT UP COFFEEの味をぜひまた味わいたいと思い、今年に入ってから店舗に行ってみました。案の定ですが、めちゃめちゃおいしかったです。まず、コーヒーがおいしいですし会話もおいしいです。雰囲気もおいしかったです。思わずお替りコーヒーをオーダーしてしまいました。純粋においしいコーヒーに拘るというだけではなく、いまその瞬間に目の前で向き合っている人が何を求めているのか、どんな味と言葉でそれを伝えるのか、究極的にそれを極めていきたいというお店全体の心の声が聞こえてきそうでした。味わいの評価は全くしていませんが、お店に行けば求める味に出会えると思うので大変おすすめです。ちなみに、よく創業者の方が「ケニアがおいしい」と言っている気がしたので、私もケニアを味わってみたのですが、案の定おいしかったです(笑)

最後に

色々なお店があり私もすべてをめぐったわけではないのですが、自分がスペシャルティコーヒー専門店(品質の高いコーヒーに拘って出すお店)を知るきっかけになったお店を紹介させていただきました。

人やお店や味との出会いというのは、いつも偶然ですが忘れられない体験は誰にでもありますよね。そういった体験を今後関わってくれた人との間で作っていけたらうれしいなと思っています。

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