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運ぶ、戦う、増える、そして?

商品を作っている会社であれば起きることがある。商品に不具合があり、製造した商品の中でそれを手作業で見つける“選別”作業。

11時ヘルプコールがあり、「13時から行ける?」と要請があった。もちろん行きますとも、人数は多い方が早く終わりますからね。13時に集合したのは10人程度。選別する商品の数は5000本。まぁまぁ、15時くらいには終わるでしょうと予想。

セッセとダンボールから商品を取り出し360度確認、問題なしなら戻していく。取って見て運んでの繰り返し。これが意外と腕にくる。商品1本で500g程度。12本で1箱なのでダンボールは6kg。これも後々腰にくる(歳か)

繰り返しの作業は嫌いじゃない。どうしたら効率的に回せるかを考えならが少しずつ動きを変えて、仮説実行を繰り返す。スピードが上がるのが目に見えてわかるのが面白い。かつ、他の社員とちょろりと話しながら作業ができる。いつもは見えない一面が見えたり、何気ない会話から開発のヒントが生まれたりするのだ。作業には集中しつつ、いつもの業務とは違うこの時間を充実したものにしていく。


しかし、15時になった時に待っていたのは倍以上の未選別品。

んんーーーー????5000本終わったぞ??
追加が来たのだ。

聞いとらん、聞いとらんぞ。追撃だとぉ!?でも、終わらないと結局誰かがしますしね!やったりましょう!!!


やる気は十分だが、手首に疲労が溜まる。「終わった」からの「もう一回」はなかなか精神的にくるものがある。ゴールの見えない不安にスピードが落ちる。会話の数も減り、みんなの疲労が見え始めてきた。机に向かいパソコンぱちぱちのメンバーが多いため、疲れの蓄積が表面化するのは早かった。


「これは20時帰りルート…」を確信し出したメンバーの元に、ひょこひょこと集まり出した他部書の社員さんたち。ヘルプをしていることを聞きつけて手伝いにきてくれたのだ(天使か)

人数が増えたことによるスピードアップ、会話が増え空気が和らぐ、何より周りに人がいることによりやる気がグッと上がった。疲労の蓄積は変わらないのに肩の力がスッと軽くなった気がする。「人数にやる気が比例する」とは言い切れないが、周りに人がいることでやる気は上がるんだ、と6kgの箱を抱え込みながら考えていた。

5匹だと不安なピクミンも10匹、50匹、100匹といたら強くなった気がする。1匹1匹のピクミンの力は変わらないのに。私たちは今、数が増えて強くなった(気がする)ピクミンなんだ。
ピクミンと考えたら何だか楽しくなってダンボールがさらに軽くなった気がする。心の中でピクミンがモノを運ぶ時の声を思い出す。

運ぶ(ダンボールを)、戦う(疲労と)、増える(ヘルプメンバーが)
そして食べられ、、、、はしないか

(ピクミンゲーム主題歌 ♪愛のうたより)


誰かがいてくれるだけで心強い。
周りの存在を噛みしめる定時5分前。

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