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美への近道―秩序を守るということー
近年、インスタグラムやYouTubeでは健康や美を保つ為の情報が星の数ほど発信されています。食事やエクササイズ、ファッションはもちろん、中身を磨くべく洗練された生活スタイル、音楽、映画、書籍の紹介などなど、私も参考にさせてもらっています。
今よりももっと年を重ねたらこんなファッションをしてみたい、家のインテリアはこんなふうにしつらえたい、などなど、世界中のインフルエンサーの投稿を見ながら夢が膨らみます。
どれも本当に素敵で、モチベーションが高まる投稿を目にする反面、それは個人のハピネス、自己満足に終わらないだろうかと虚しさを感じてしまう自分もいます。
気品や美しさはその人の中からにじみ出るものですから、私は常に心の在り方に意識を向けます。そんな私は、心を説く仏教を学び、実践を重ねる日常を心がけています。その中に「人は必ず何かに属していて、一人では生きていけない」という教えがあります。人は生まれた時に家族に属し、学校や会社、地域、国という社会のルールや規則に従うことで、自分が置かれた環境の平和が保たれます。地球の平和という大きなものから、国や地域の平和へと目を向けて、最終的には、家庭の平和、そして自分自身の心の平和へとたどり着きます。自分の心の平和、秩序を守るその先に、その人の持つ本当の美しさ、気品が備わると思うのです。
学校や社会のルールを守るのは当たり前だし、悪い事は何もしていないという方がほとんどだと思います。でも、私を含め、これくらいは大したことないだろう。と、“つい、うっかり”で、ルールやマナー違反することは誰にでもある事だと思いますが、それは自分の持つ”我“が働くからです。
例えば、横断歩道の信号が赤なのに、車が来ないから渡ってしまう。危険だと分かっているけど、ついうっかり歩きスマホ。“つい、うっかり”は、挙げればきりがないほど日常で行われているかもしれません。
でも、その“つい、うっかり”が至る所で積み重なると、社会の秩序が乱れていきます。
そして、その“つい、うっかり”が、その人の美を損なう原因の1つのように思います。
どんなにスタイルが良くて、洗練されたファッションに身を包んでいても、赤信号を急いで渡る姿はカッコいいものではありませんし、そんな時の表情はどこか必死で優雅さも欠けているはずです。
自分は何かに属している、秩序を守るという意識のその先に、正しく生きているという自信が備わり、その人の表情や姿勢に気品として現れるのではないでしょうか。
自分が世界平和に貢献するというとなんだか大袈裟に聞こえるかもしれませんが、社会の秩序を守るという意識で生きる事が、実際に世の中の平和につながり、そして自分自身も美しくなれる。これは、人として生まれた喜びにも繋がります。
私は、筋トレも厳しい食事管理もしていませんが、今この瞬間から取り組むことができる家庭や社会の平和につながる「秩序を守る事」を実践し、気品を備える美しい人を目指したいと思います。
★毎週月曜日更新。次回は3月3日です。★