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若い時の無茶は買ってでもせよ!

若い頃は多少の無茶もしたものだ。
今日は若かった頃の、無茶で楽しかった思い出話をしてみよう。

僕が大学3年の夏のことだから、今から30年弱くらい前…1997年のことだ。

当時は坂の多い街の大学に通っており、一人暮らしのアパートも坂の途中にあった。入学した頃は自転車で通学していたけれど、次第にそれも大変になってきて原チャリ(50ccバイク)を買って過ごしいていた。けれど、原チャリというのは制限速度が30kmで、バイトに行く途中なんかにお巡りさんにお世話になった。ある時、若いお巡りさんに「そんなにスピード出したいならバイクの免許を取ると良い」そう諭されたことがあった。
そんな訳で、僕はバイトで貯めた金でバイクの免許を取りに行った。

元々、車など車輪の付いたものが好きだったが、教習車にキーを挿し、クラッチレバーとブレーキレバーを握り、イグニッションをONにした瞬間「フォーン」という音とともにエンジンが掛かる時の高揚感に僕は虜になった。(当時の教習車は「ホンダCB400スーパーフォア」という4気筒エンジンのバイクだった)

教習期間中、バイクで通学したり、バイトに行ったりという日常生活の変化を想像するのも楽しかったが、時は夏休み前…バイク乗りなら誰もが憧れる北海道へ行ってみたい!…衝動的にそう思った。

学生時代というのは本当に自由なものだ。北海道へ行くと決めたら、もう気持ちは止まらない…無鉄砲・猪突猛進とはこういうことを言う。
翌日すぐにバイク屋へ行って中古のバイクを物色。当時はバイクの知識も少なかったが、数ある中古バイクの中で光り輝く一台を発見した…それがスズキの「バンディット400」というバイクであった。丸パイプのフレームが印象的なセクシーなデザインのバイクだ(後に、Ducatiなどイタリア系の流れのデザインだと知る)。
値段も手頃で…僕は迷わずコレに決めた。

その後も、ホームセンターやバイクパーツ屋へ行き、とりあえず寝泊まり出来るソロテントや湯を沸かせるバーナー等、「バイクで生活するのに最低限のモノ」だけ買ってきた。食料は現地で調達すれば良い。一日くらいひもじい思いをしたって死ぬことは無い。バイト先には、10日間くらい休みをもらえるよう調整もした。
北海道よ!いつでも来い!準備は万端だ!…後は免許だけ。。。

学校は夏休みに入った。
免許の方は午前中に筆記試験、合格すれば昼メシ前までには免許取得だ。
北海道へはいつ出発しても良かったのだが、もう誰も俺を止めることなんて出来ねぇ(笑)。前日からバイクに荷物を括りつけておき、免許取得した日の午後には旅立とうと決めていた。
もう北海道しか見えない…ワクワクが止まらない!

翌日、無事に免許を取得した僕ははやる気持ちを抑えながらアパートに戻り、すぐに身支度を整え、そして相棒であるバンディット400に飛び乗った。そして、北海道への旅路を一人走り始めた。
今から出れば、大洗港から苫小牧行きのフェリーには十分間に合う。
急ぐ必要はない…新しい相棒とシンクロし、馴染む時間も必要だ。相棒とゆっくり対話しながらトコトコ向かうのも一興だ。

左手でクラッチレバーを握り、左の足でシフトアップ&ダウン、右手右足でアクセル&ブレーキ…バイクを操る動作の全てが楽しくて仕方ない。
加えて夕暮れ時の初めて見る景色、まだ見ぬ北海道の大地への期待感…まさに幸福感の塊といった時間の流れに乗って、僕は大洗港へ向かった。

フェリーに乗るところから既に冒険。雑魚寝の二等宿泊部屋での夜も楽しみでろくに眠れなかった。そして翌日昼に北海道の地に降り立つ。
行先も決めていなかったから、とりあえず地図(ツーリングマップル)を見て今日の目的地を決める。ツーリングマップルにはライダーが不便することが無いように、宿泊先など様々な情報が載っている。宿はライダーハウスかキャンプ場か、とにかく安く寝られればそれでよい。。。

こんな風にして二十歳の夏…僕の北海道への旅が始まり…雄大な北の大地と自然を全身で感じながらの旅が終わったのだった。

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若い頃の、心の振れ幅の大きな体験は、後の人生にも大きな影響を及ぼす。
大学を卒業する前の3月、卒業旅行代わりにと新潟の免許合宿で大型自動二輪免許を取得した。社会人になったら取れないと思ったから。。。
僕は、バイクを生涯の趣味にしようと決めた。

現在、僕の趣味はバイクとキャンプだが、二十歳の時のこの北海道への旅が原体験になっていることは間違いない。
無茶して良かったが、死なずに済んだのは幸運だ。
命は…大切にしよう。

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旅の途中、本気で思ったことがある。
「俺は、バイクと酒と煙草があれば生きていける」
若い…あまりにも若すぎる。けど、成人になり立ての僕は本気でそう思った。若さゆえの万能感…青臭くて瑞々しくって…バカ。。。

大人になって、現実はそんな甘いもんじゃないことを嫌と言うほど味わった。なのに…けど、今なぜか…こう思う。
「俺…珈琲と煙草とnoteがあれば生きていけるかもしんない…(笑)」

若い頃は、世間知らずで無責任だったからこそ無茶も出来た。
年を重ねて世の中を知り、生きる責任も感じるようになった。だからこうして毎日クタクタになって生きている。
けど、自分を律し続けていないと厳しい世の中生きていけない…というのは単なる思いこみで、大人になっても多少冒険したって、無茶したって人生何とかなるってことも分かってきた。

よし、やりたいことをやろう!
よし、なりたいようになろう!
「年甲斐もなく」…なんて人から笑われたって良いじゃないか!
格好よく、笑っていられる大人になろう!
いつまでもワクワクを忘れない大人に…

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真昼間のダンディ
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