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被災家屋に居たおばあさんの話

珠洲市内(ほかの地域でもそうだが)ではお家の玄関や勝手口にカラフルな色のついたステッカーが貼られている。

これは地震により被災した建築物について、倒壊や落下等の危険性を判定して、その結果を示した「判定ステッカー」と呼ばれるものだ。

被災建築物応急危険度判定は、地震により被災した建築物について、その後の余震等による倒壊や落下等の危険性を判定して、その結果を「危険(赤)」、「要注意(黄)」、「調査済(緑)」の判定ステッカーで表示する制度です。
判定結果を住民や歩行者等に情報提供することで、「人命に係る二次的災害を防止する」ことを目的としています。

※ 被災した建築物の「全壊」や「半壊」等を判定する被害認定調査(り災証明)とは、目的が異なり別の調査になります。

石川県 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/oukyuukikendo.html

今いる仕事場の近くにはいくつも家屋があり、きちんとステッカーも見える。

そのうち、倒壊・傾斜はないが、屋根はブルーシート、壁にはひび割れもあるお家がある。玄関には黄色の「要注意」というステッカー。

こちらに赴任した日の朝、玄関からはおばあさんが出てきて作業していた。お一人で。ほかには人が見当たらない。

仮設住宅に移っていて、もう住んでいないかもしれないが、わからない。

次の日の朝は玄関が開け放たれていた。

3日後の朝、またおばあさんが一人で作業していた。

しばらくして知り合いの人だろうか。軽トラックが止まっていて、役所関係の人が声をかけていた。しばしの談笑のようだ。

軽トラックが過ぎ去ったあと、佇んでいたおばあさん。玄関の黄色ステッカーに一瞥し、気のせいか項垂れて引き戸を引き、ゆっくりと家に入っていった。

ほかに人が居ないのだろうか、あの家に住み続けているのだろうか、そんな考えが止まらない。。








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