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しりとり、7+、ラインカード

今でこそ私はボードゲームをたしなむが、昔はそうではなかった。子供のころにも家にボードゲームがあるにはあったが、家族は誰も一緒に遊んでくれなかった。父と母はそれぞれ仕事と家事に忙しく、きょうだいも年が離れていたからというのがその理由だ。友達が来た時に、人生ゲームをした記憶ぐらいしかない。

そんなわけで私は、ボードゲームは自分に縁がないものだと思っていた。少なくとも大学生のときに、サークルの合宿に行くまでは。その合宿のときにひとつ上の先輩が持ってきたのが、「ワードバスケット」だった。

このゲームのルールはいたって単純で、場に出たカードと手持ちのカードがつながるようにしりとりをするというだけだ。例えば「あ」のカードが場に出ていて、自分が「ぬ」、「お」、「り」のカードを持っていたら、「アイヌ」、「あさがお」、「あさり」と言いながらカードを場に出せばいい。基本的に3文字以上の単語を思いつかなければ出せず、最後の一枚のときだけ4文字以上の単語を言わなければならない。手番制でははなく、カードを出すのは早い者勝ちだ。そのため「ひとつ前のカードだったら出せたのに!」ということもありうる。

ワードバスケットを持ってきた先輩は、とにかくこのゲームに強かった。あまりにも強いので、彼だけ単語を4文字以上にしてもらったぐらいだ。合宿中、私たちはワードバスケットをプレイしまくった。宿でのみならず、移動中の電車でもプレイした。付属の折り畳みボウルが置ければプレイできるのが、このゲームの利点だ。

それから時間がたち、ふと私はボードゲームをしてみようと思い立った。その時最初に手にしたゲームが、ワードバスケットだ。カードのデザインは変わっていなかったが、カードを入れるための折り畳みボウルはなくなっていた。薄い素材でできていたので、壊れやすかったからかもしれない。カードを入れるのは、外箱の蓋というルール変更がなされていた。

ただ意外と人を選ぶゲームだというのが、ボードゲーム会に持って行った感想だった。言葉が出ない人はとことん出ない。結局会の主催者と私との一騎打ちのようになり、私が負けた。

それでも遊ぶのに時間がかからないので、やはりいいゲームだと私は思っている。

#思い出のボードゲーム

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