涼しい秋風

涼しい秋風が投稿した作品の著作権は、全て涼しい秋風に帰属します。 ©︎涼しい秋風 ※作品は涼しい秋風(CoolAutumnBreeze)が利用している投稿サイトへ重複投稿しています。 涼しい秋風の他サイトまとめ https://lit.link/coo10aubr

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最近の記事

140字創作小説『歴史の途中』

祖父の家の廊下で横になっていた。 ミシミシと音のする家に対して、自分が住む事は無いだろうと感傷的な気分になる。 近くに住んでる同級生が裏門から此方を見ている。 「大丈夫か?生きてる?」 僕は問題ない。しかし家は大丈夫ではないし、祖父は亡くなった。 こうやって新しい時代が来るのだろう。

    • 【創作小説】アプリ「書く習慣」2023/11/20お題より『宝物』

      高校三年の夏、隣のクラスの男子生徒に好きだと告げられた。 一年だけ同じクラスになった事があるものの数回話した事がある程度で、とても仲が良い訳ではなかった。しかし、そうではなかった様だ。 「実は、小学校の高学年と、中学の書道教室が一緒だった。」 私は驚いた。まさかそんなに接点があったとは。 「だったらどうして話しかけてくれなかったのだ。」 「微妙に接点が…無かったんだ。小学生の時は一度も同じクラスにならなかったし、書道の教室は時間がすれ違っていた。話しかけても気不味いだろう。」

      • 【創作男女・ファンタジー】この国で1番強い女騎士は国王と夜を共にする【※性的表現あり】

        草木も休まるほど平和な国、エルンドゥリッヒ王国には代々語り継がれ行われてきた掟がある。 その国で最も強い女騎士と国王が夜の関係を結ばないといけないというものだ。 エルンドゥリッヒ王国十五代目ヘレス国王陛下と相手をしなくてはならない、エルンドゥリッヒ王国騎士団第十五代目女総長エルフリーン女騎士はこの掟と事態に良い顔をしていなかった。 エル「はぁ…。」 修練場の控室にて大きく溜息をつくと横に居た同僚が話しかけてくる。 「エルフリーン様、大丈夫ですか。」 同僚といっても、エルフリー

        • 【創作BL】140字創作小説『伝承』

          「ししょー、すみません」 小さな体からすぴすぴと鼻の音が聞こえる。 今日は稽古の日であったが弟子が風邪を引いてしまった。 私は弟子の看病をしている。 「これは新技の伝授ですよ」 「?」 「君がいつか弟子を持った時、弟子が風邪を引いたのなら看病してやりなさい。これは一つの伝承ですよ」

          【創作BL】140字創作小説『朝に一人』

          朝四時、ふと目が覚める。朝日が昇らないこの時間、折角なので起きる事にした。 歯を磨き顔を洗いお茶を飲み、スマホと現金を持ち軽装で外へ出る。 朝早くオープンしたバーガーショップで軽食を食す。 相方はまだ寝ているだろうかと考える。 自分の生活の中に相方が居る事に居心地の良さを覚えた。

          【創作BL】140字創作小説『朝に一人』

          【創作BL小説】喫茶店

          人気の少ない路地裏を入り少し歩いた所に質素で小さな喫茶店がある。 僕ら2人はその店へ入り、僕はホットココア、彼はホットカフェラテを注文する。 「追加で…ピザ食べる?」 「うん、構わないよ」 屈託の無い落ち着いた、微笑ましい笑顔を見せてくれる。 「大学受かったんだって?おめでとう。」 「おやおや、どこでその情報を…。まぁ、何れにせよ今から話す事だったんだけどね。」 音一つ立てず白いカップからカフェラテを飲む姿に僕は見惚れる。 「君も受かったんでしょ?大学。」 「うん、君の大学か

          【創作BL小説】喫茶店

          【創作BL】140字創作小説『クリスマスパーティ』

          「先輩、今年のクリスマスは恋人と過ごすんですか?」 突拍子もない質問に噴き出す。 「何故俺に聞く。」 「先輩恋人いそうですから。俺、今度一人でクリスマスパーティするんです。」 一人でパーティ、それは果たしてパーティなんだろうか?と感想を返すのも難なので俺はこう返す。 「じゃあ俺も行くか。」

          【創作BL】140字創作小説『クリスマスパーティ』

          【創作BL】140字創作小説『おまえとの生活』

          スプーンに抹茶ラテの粉を二匙コップの中へ入れる。 熱いお湯を入れた後、スプーンでクルクルとかき回し牛乳を入れる。 こいつはこんな小洒落た物を飲んでいるのかと感心する。 陽気な日差しと少し肌寒い季節に日光浴をしながら芝の茂った庭で茶をしばく。 俺はなんだかんだ、この空気が好きだ。

          【創作BL】140字創作小説『おまえとの生活』

          【創作BL】140字創作小説『仕事』

          「進捗どうですか。」 肌寒い風が頬に沁みる季節、都会の夜の路地裏で俺は手に滴った血を握り締めながら月を見上げる。 「仕事は終わりだ。」 「そうでなくては、私の相方なのだから。」 俺たちは二人組の殺し屋だ。

          【創作BL】140字創作小説『仕事』

          【創作男女】大学生彼氏彼女(※軽い性的表現あり)

          大学の授業が終わり、彼女と学園内のテラスで待ち合わせ、僕の家へと向かう事になった。 「ご飯食べた?」 「ううん、まだなの。」 「家で食べる?手作り…は出来ないから…どうしようか、買う?」 「こういう時、私が作ってあげたら喜ぶんだろうけど、出前を頼む事しか頭になかったのよね。」 ふははっ、と僕が笑う。 「でも出前だと時間掛かるでしょ?買って帰ろうか。」 「うん、そうだね、そうしよう。」 僕も彼女も中食が大好きだ。喜んで美味しい物を食べよう。 僕たちは買い物を済ませ、手を繋いで歩

          【創作男女】大学生彼氏彼女(※軽い性的表現あり)

          【創作BL】140字創作小説『ただいま』

          今日は彼が帰ってくる日だ。 彼は非常に仕事が出来る事から会社で寝泊まりする事もあり、暫くの間会えない事がある。 僕は僕と彼の家でそわそわしながら待っていた。 ガチャン、と玄関の音がする。僕は思わず玄関へと歩き出す。 その先には彼が居た。 「ただいま」

          【創作BL】140字創作小説『ただいま』

          【創作BL】140字創作小説『下戸の笑顔』

          視界がぼや〜っとする。どうやら相方の晩酌に付き合い呑み過ぎてしまった様だ。 「大丈夫か?」 僕は下戸、相方は酒豪なので酒に関しての体質は全く合わない。 ぐにゃぐにゃ動く視界の中で僕は本音を話してしまう。 「好きです。」 相方はこう返す。 「知ってた。」 僕は横揺れしながら笑顔になった。

          【創作BL】140字創作小説『下戸の笑顔』

          【創作BL】140字創作小説『僕の恋人の職業』

          自宅のインターホンが鳴る。映像を見ると黒い服の男が手でサインを送っている。これは今日僕の家に帰ってくるというサインだ。 「0512。」 そう小声を聴くと僕は玄関のドアを開ける。 「おかえり。」 「ただいま。」 僕の恋人は忍者だ。

          【創作BL】140字創作小説『僕の恋人の職業』

          【創作BL】140字創作小説『夏の終わり』

          コンビニでアイスを買って来た君が袋から取り出し半分に割る、その片方を僕に渡す。 「ありがとう。」 小さな神社の傍らに座って、僕らは夏の終わりを肌で感じ取る。蝉はもう鳴いてない、酷暑も去った。 何気無い今、一瞬が眼球を通して、僕の思い出になる。

          【創作BL】140字創作小説『夏の終わり』

          【創作BL】140字創作小説『片思い』

          深酒をし酔った私は道路の真ん中で横になり空を見上げる。都会の空には数個しか星が見えない。 ふと、友人と旅行に行った先の空を思い出した。少し都会から離れた場所なのに空には満点の星空があり流れ星も見えた。 この空を、友人が今も見てくれているだろうか、と私は彼を恋しく思った。

          【創作BL】140字創作小説『片思い』

          【創作BL】140字創作小説『ファン』

          大規模な展示を行うという君の便りを見て僕は最寄駅へと降り立った。 十月、北国は気温十七度、東京は二十六度。あまりの寒暖差に衝撃を受ける。 しかし、飛行機を使わないと行けない土地にも、君のファンが居るのかと思うと気持ちが昂った。 「僕と同じ位、君の作品を好きな人がここにも居るのか」

          【創作BL】140字創作小説『ファン』