ASDと公文式
こた(うちの子)は、年長になる直前の3月末から、小学1年生の11月までの1年8か月というさほど長くない期間、公文式に通っていました。
最初の4か月は国語のみ、5か月目からは算数も始めました。
国語は、2年弱で、4A→3A→2A→AⅠ→A2の150ぐらいまでやりました。
算数は、1年半弱で、3A→2A→Aの100ぐらいまで(ひきざん突入したあたりまで)やりました。
わかる人にはわかると思いますが、相当なゆっくりペースです。通塾していた教室が、公文のメソッドにものすごく忠実に進める方針で、「5枚で◯分で解ける、をできるようになって欲しいから、戻すね」のようなことがしばしばあったためです。たしざんは、全範囲を6回以上反復したと思います。
この徹底反復っぷりに揉めてしまうご家庭もいたようなのですが(もっとスピーディーに進めたい、などがあると合わなかったりするのかと)、我が家は、こたが器用に理解できるタイプではなさそうな予感があったのと、かと言って親がここまで反復させることはできないだろうということから、この方針はありがたかったです。
それでも、退会することにしたのは、
単純反復+そこにスピードを求められることが(うちの子の)特性に合わなかったから
です。
WISC-Ⅴでは、総合IQは平均値であるものの、
・言語理解が平均より上
・処理速度が平均より下
という凸凹ありで、見事に、公文で求められることが彼のストレスになるようでした。
各レベル、平常心ならサラサラ解けるのですが、パッと見でわからない、のようなときにパニックスイッチが入り、そうなってしまうと普段できる問題も解けず、わずか5枚にぐずぐず30分かかることも…。典型的な「一定のパフォーマンスが出せない」で苦しみました。
最後の2か月は、癇癪起こす→苦しいならやめよう、と提案する→それはいやだと更に怒る、のような朝が3日に1回はありました。
「脳が嫌だと思ってしまう勉強は、労力が多い割に吸収率は悪い」と考えているので、不機嫌の源になってしまった公文式は、彼には良い学習法ではなくなってしまったため、やめることにしました。
「算数は苦手」と思い込むようになってしまったので、今は、苦手意識払拭のために様々なアプローチを試みています。
それでも、公文式をやって良かった、と思うこともいくつかあります。
◆朝学習を習慣化できた
朝7時から1時間は学習時間、というルーティンが根付きました。
◆勉強はみんながやるもの、というイメージづけができた
幼稚園でも小学校でも、公文をやっている子はクラスに何名もいて「みんなやってる」という認識になった模様です。
◆反復することは当たり前、というイメージづけができた
公文で散々繰り返して取り組む体験をしたので、今となっては、親が反復を促しても反発はありません。
◆音読することは当たり前、というイメージづけができた
「公文の先生も、やるように言っていたよね」と言えるのは、やりやすさを促進します。特にASD特性から、先生が言っていた=そういうルールなんだ、と理解するので、真面目に取り組んでいました。
◆1年生の基本(ひらがな、カタカナ、漢字、足し算あたり)は学校で取り組む前に固められたので、「学校の授業は簡単」のイメージづけができた
学校の宿題は「余裕でできる」と思っているので、毎日抵抗感なく取り組んでいます。
中でも「まわりにたくさんの公文式生がいる」というのは、本当に「みんな面倒だと思いながらも勉強はやってるんだ」という認識づけに最高の作用をしてくれました。こういうドミナント効果的な作用は、日本全国津々浦々に展開してる公文式だからこそ得られたな、と感じます。
長いお付き合いはできませんでしたが、トータルで、「未就学タイミングで通って良かった」と思っています。