その願いを叶えようか、と囁くのは天使か悪魔か
お店オープンから約3ヶ月経ちました
noteを書くのが久しぶりになってしまった。前回はオープンしたお知らせとオープン当月の振り返りをした記事だったんだけど、同じようにただただ毎月の振り返りをしていったとしてもなんだか楽しくないなあという気がしていて筆を進められず。
けど何かアウトプットはしたくて、ずっと精神的便秘状態で。笑
ちょうど、振り返りと絡めてこれ書けたら面白いかもと思ったことがあったので、久々にnoteの編集画面を開きました。
今日書くのは売上の話が中心で数字の面ばっかりだからドライに感じられるかもしれないんだけど、前提として少しでもうちのお店に関わってくれている人たちにはめちゃくちゃ感謝してます…!
お客さんから直接お金をもらう仕事だからこそ、一人一人に支えられている実感をすごく持てる。
そしてさらに幸運なことにお客さんの質にも恵まれていて、合わない人に悩まされるというようなことなどが1度もなくここまでこられてます。ありがてぇ。
気になってたけどまだ行けてないーって人はJR中央線武蔵境駅からhocco行きのバスに乗ってみてね。終点までぼーっとしてれば勝手に着くよ!
まず振り返りから
3月15日オープン、3月中はオープン特需で売上良好。近所の方々に「待ってたよ」と声をかけられる。嬉し。あとは知り合いも来てくれる。楽し。
4月6日、7日 桜特需で売上良好。バタバタしたけど、出せば出すだけ売れていくことを経験。さすが桜の名所。
オープンから1ヶ月の4月中旬以降、売上が落ち着いてくる。というか、なんなら1日でお客さんが1組2組という日もちらほらある。
けど元々「オープン特需は長くて1ヶ月程度だろう」と考えていたので、そこまで焦りはなかった。この時は。
GWはお客さん来るだろうから一旦小休止かな!くらいに思ってて。
蛇足だけど、コンビニ社員だった時代に新店オープンの仕事をしていたからオープン時と営業が日常になった時のギャップを肌で知っていたのは良かったのかもしれない。オープン特需で人が来ることに喜びすぎると後が辛いとか、その後の日常をどう続けていくかが大事、とか。
GWを控えていたからのんきに構えていたとはいえ、この時期は商品の料理をすることへのモチベーションが低下してしまっていた。
具体的にいうと休日に仕込みをしたりメニューを考えることへのやる気が起きづらかった。もちろん店に出す商品はちゃんと作る。けど、休みの日も店のことを考えることに腰が重たくなっていた。
立地的に雨なんか降るとマジで人が来ない場所なので、お客さんがこなさそうなのにロスになるかもしれない料理を作らなくちゃならないなんて…と感じたりすることもあった。
新しい環境になって1ヶ月、まあ少し早い五月病みたいなものかなあと受け止めてた。
そして5月に入りGW。人が…来なかった……笑
普段の土日などの休日と比べると明らかに人が少なくて、イートインテイクアウト合わせても客数10いった日が無い。
なんなら4月の平日よりも売上低かったりした日も。
さらにGW後は財布の紐がかたくなる時期なので、5月前半はしばらく来客数も売上も苦しかった。GWは人がくるだろうと勝手に思っていたけどその予測が外れてしまったことに落胆していたし、この時期ついにノーゲス(その日のお客さんが0のこと)の日があり、焦りに拍車をかけた。
ノーゲスが衝撃的だったので休む予定だった木曜日(5月9日)に臨時営業をしてみたけど、新規でテイクアウトしてくれたお客さん1組と、店舗のあるhoccoの事業主である小田急バスの社員さんの計2組の来店で終わった。
蓋を開けてみたら臨時営業しないで休んでも良かったね、な状況。
そしてこの時期からお金の使い方を真剣に考え始めた。
いや、今更かい。という感じなんだけど、オープンの時は勢いで色々購入したり勉強のための外食に行ったり、お金は後から回収できるから、と楽観的になっていて使っていたけど、改めて1つ1つ考えて出費しようと思うきっかけになった。
風向きが変わってきたかも、と感じ始めたのが5月後半。
常連さんと呼べるお客さんが繰り返し来店してくれるようになってきた。
常連さんのクチコミでまた別のお客さんが来てくれるようになったり、売上が安定してきた。
その間やってみたことはインスタの投稿増やす(もっとやらねばとも思ってる)、そもそもの食事メニューの数を増やす、ドリンクメニューを(ノンアルも)増やす、夜もA看板が見やすいようにライトをつける、お客さんの名前覚えて呼ぶ、お客さんから「あったらいいな〜」と言われたものをすぐメニューに取り入れる、前回食べたもの飲んだもの覚えて違うもの提案してみる、などなど。
そんな感じでこの3ヶ月間毎日一喜一憂、焦りと安堵の繰り返しだった。
自営業走りたて、不安定極まりないな!と心から実感した。
月末の支払いができるかできないか、蓋を開けるまでわからないからもーね、本当にヒリヒリしていて。笑
でも少し俯瞰してみると、私はこの状況を望んでたんですよ。支払いできるかわからないヒリヒリ感さえも。
というかヒリヒリ感を感じるためにお店を始めた、と言っても過言ではないのかもしれない。
味わいたかったものがすでに味わえていたことに気づいた
私がお店を開いたのには「仕事を自分ごとにして真剣に取り組みたいから」「ワクワクして仕事がしたいから」という目的があった。
今まで会社や飲食店で働いてきて、雇ってもらっていたのに本当に申し訳ないんだけど、その企業や店で本気で自分ごととして仕事をできたことがなかったように思う。
言われたことは真面目に取り組むんだけど、自分ごとではないからその企業や店がよりよくなるにはどうしたらいいか?というところまでは考えが及ばなかった。
まじでこんな人間が働いててごめん、と思う。自分だったらこんな他人事なやつ絶対に雇いたくない…。
そんなだけど、仕事が他人ごとであることに甘んじきることもなんだかできなくて、自分ごとにできるような環境や働き方を模索し続けて、お店を開くことに至った。
で、なんですが。
お店を始めて、上記の通りなんだか低迷した4月後半〜5月の1ヶ月半ほどのなんだかうまくいかない、売上立たない、焦る。という時期にじゃあどうしたらいいのかということを考えて色々案出してみてやってみて、
少しお客さんが来るようになってくれてちょっと安心して。
この、「ヤバいこのままじゃ家賃払えん!」と焦ってじゃあ何するか?と考えたり試行錯誤することこそ私が取り組みたかった”仕事を自分ごととして考える真剣さ”だったんだろうなと気づいた。
ということは、もうすでに私の目的は達成されてるんですよ…!
目的の達成というとなんとなく「ヤッター!」てな感じで訪れるものってイメージがあったけど、逆に不調とともに静かに近づいてきて、何したらいいかわからんけど1個ずつ試す!みたいなことをしてたら実はぬるっと「あなた、達成してます」って言われてる、みたいな実感を持った。
「あ、これでいいのか」と思って、なんだかわからないけど安心を感じたりもした。
ということは低迷や「もっとやれるはず…」という思いがあればあるほどどうするかを真剣に考えるから、より自分の望みが叶うんだろうと考えると、なんとドMな、と思うのですが。笑
けどうまくいくだけじゃきっと真剣になりきれないんだよね。よく作られてるなと思う。
もっと仕事に取り組みたいと感じているから、多分これからもっと大きい波がくるだろうと思う。頂点と底辺の落差がだんだん大きくなっていくんじゃないかなと考えると楽しみだったりもします。
この望みを叶えてくれるのは天使なのか悪魔なのか。悪魔のような天使、かな。
おまけ
飲食経営のマインドやコツを教えてくれる本。めちゃくちゃ良かったです。
楽しんで飲食の仕事されてるんだなというのが伝わってくる。
やっぱ自分もお客さんも楽しめるのが最強だよなー…!
楽コーポレーションさんのお店、知らず知らずのうちに使わせてもらってました。確かにいい店…!(神楽坂の椿々、ちょくちょく行ってた)
そして卒業生さんのお店もwebページに公開されていて(愛感じるよなー)、え、あの店も!っていう発見があってそういう意味でも面白い発見があってよかった。
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