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動くことはオモシロい! コマ撮りアニメーションワークショップ開催レポート


12月2日(土)と3日(日)に行った、コマ撮りアニメーションワークショップでは、小学校低学年から中学生までの幅広い年齢が集まり、思い思いの創作を楽しみました。
今回は、モノを少しづつ動かし、撮影して、アニメーションをつくっていくというコマ撮りのワークショップです。子どもたちが何をアニメーションしたら楽しいだろう? いろいろな検討の末に決めたのは「顔」。木の枝や秋の葉っぱ、いろいろな色の毛糸、ネジや釘、大工道具、タイル、その他にも謎の素材たちをたくさん並べて、その中から好きなものを選んで組み合わせて顔をつくっていきした。

いろいろなパーツ
アニメーションとコマ撮りの仕組み(講義)

ワークショップの進行

1 チームに分かれてアイスブレイク
2 アニメーションとコマ撮りの仕組み(講義)
3 お試し顔づくり & 撮影テスト
4 顔アニメ制作スタート
5 曲づくり
6 試写会


事前のワークショッププランでは、怒った顔、泣いた顔、びっくりの顔、笑顔、など次々と表情が変わっていくプロセスを、次の表情の指示(「じゃあ次は怒ってみようか」といったような)を出していき、少しづつパーツを動かすことでつくってもらおうと考えていました。ただ実際にワークショップをはじめてみると、子どもたちは、モノを動かすこと自体が面白くなってきているようだったので、指示をを出すことは手放し、自由にパーツを動かしてもらうことにしました。


たくさんのパーツを使って顔づくりを試す
パーツ選びは楽しい


今回はコントロールを手放す難しさと面白さとを感じました。ある子どもは、顔をつくるということで自分なりに工夫を考えたのか、なんと横顔に。これは私たちは想定していませんでしたが、面白いなと思ったのでそのまま進めてもらいます。横顔で表情の変化をつくるのにはすこし苦労をしていたようですが、それもまた工夫のしがいのあるチャレンジだったようです。

どうしたら顔になるかな?横顔にチャレンジ
となりの友だちの創作に刺激を受ける


子どもたちはオトナの想像の斜め上を創造してきます。ある子はさいしょにつくった顔が気に入らなくなったのか、あるいはやりにくかったのか、途中で毛糸の雲のようなかたまりあらわれ、それが顔を洗い流し、新しい顔を創るという「転生技術」を考え出します。「生まれ変わってるんです」とAさん。
また別の子は、低学年男子らしくモノを積み上げたくなってしまいピノキオのように鼻が高くなっていきましたが、上から撮影しているので鼻の高さは絵的にはあまりわからず、高くなった鼻は倒れてしまい、笑いながら作業を続けていました。

曲作り

できあがった映像にあわせて音楽をつけます。用意したモノを擦り合わせたり叩いたり、小さな楽器、あとは声を鳴らしながら、自分の担当する音を決めて、リズムに合わせて合奏。何度も爆笑しながらテイクを重ねてレコーディングも完了。チームごとに決めたタイトルも自分たちの声で吹き込んでオリジナリティあふれるコマ撮りアニメの完成です。

曲作りもそこにある道具を使って音をつくりだして録音します


子どもたちの感想

・Aさん(小3):「気に入っているところは、生き返ったところです。」Aさんは、謎の毛糸によって顔をクリアし、新しい顔を創造するアイディアを思いついた才能あふれる子どもです。完成した映像を見て、自分の作品に満足した様子でした。

・Bさん(小6):「楽しかったのはストーリーを作ったことです。」Bさんは、事前に考えたストーリーに沿って顔をアニメーションさせる方法に挑戦し、そのプロセスを楽しんでいました。

・Cさん(小6):「次はクレイアニメーションに挑戦したいです。」Cさんは、今後の挑戦に意欲を示し、新しい創作方法への興味を持っていました。

親御さんからの感想


・小2の親:「子供が楽しく参加し、家でもコマ撮りに挑戦しようと大興奮でした!自分の思いを形にする工夫や、みんなで協力して作品を作り上げる経験が素晴らしかったです。」
・中1の親:「年の離れた子どもたちとの共同作業が愉快だったようです。試写会や発表会は、作品を振り返り、対話し、感想を共有する大切な機会となりました。」

工夫したところ、気に入ってるところを発表
つくった作品を子どももオトナもいっしょに鑑賞


ワークショップの目的と成果

今回のワークショップでは。「アニメーションの不思議と喜びを感じること」、「友だちと対話したり協力しながら創作をすること」、「身近にあるものを組み合わせて新しいものをつくるブリコラージュの経験をすること」を目的にしてデザインをしました。
コマ撮りアニメーションは、よくできたアプリケーションがリリースされていることもあり、経験したことがある子たちもいましたが、それでも自分たちですこしづつモノを動かして、それを100枚以上撮影したものが繋がって動き出す、というアニメーションの驚きと喜びは感じていたように思います。

また、ひとつのカメラで2人または3人の創造を横に並べて写していくことで、となりの友だちのやっていることが見えて、刺激を与え合う環境をつくりました。それによって対話や変化が生まれていたこともよかったポイントでした。葉っぱや樹の実、毛糸や部品など、いろいろな素材を準備して、そこから顔をつくってもらいましたが、「眼になるものはなんだろう?」、「これは口になるかな?」といった試行錯誤を重ねて、自分なりのカタチをつくるプロセスもうまく実現できたように思います。決められた素材を決められたように使うのではなく。あるものを組み合わせて使うことで新しい価値をつくる、というブリコラージュの経験は、実は子どもたちは大得意で、楽しそうに素材と遊んでいました。今回は4時間という制限があったので素材はこちらで用意しましたが、次回時間の余裕が持てたら、外に出て素材探しからはじめられたらもっと面白いかなと思っています。

最後は集合写真をパチリ


親御さんたちからも質問が飛び交いました

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