日本の空を、日本人の手に。
2021/4/4 映画記録no.31「エアガール」
この映画は、先週テレビ朝日でスペシャルドラマとして
放送されていました。CAさんになろうとか思ったことはないけど、
なんかこれは見たい、面白そうと思い、録画ボタンを押しました。
Yahoo!ニュースにも取り上げられていたので、
関連記事を読んでいると、
1951年に日本航空の前身である「日本民間航空」が就航してから、
今年でちょうど70年だそうです。
このドラマは、その「日本民間航空」が舞台。
だから、今回特別番組として放送されていたのか、と。
原作は、中丸美繪さんの「日本航空一期生」
戦後の占領期に「日本の空」を
取り戻そうとした人たちを描くノンフィクションです。
今日は、この作品についてまとめていきます。
あらすじ(公式HPより)
1928年、東京・下町で小さな町工場を営む両親のもとに生まれた
佐野小鞠(広瀬すず)は、
飛行機部品の生産を手がける父の影響で空へのあこがれを募らせ、
パイロットになりたいという夢を抱きながら大きくなった。
しかし、兄は神風特攻隊として出撃して戦死。
両親も東京大空襲で亡くしてしまい、ひとりぼっちとなった小鞠は、
料亭を営む叔母・千代(松雪泰子)のもとに身を寄せることに。
おかげで高等女学校だけは卒業させてもらったものの、
料亭の手伝いに明け暮れる日々を送っていた。
そんなある日、小鞠は料亭の一室から
「日本の空を日本人の手に取り戻したい!」という
決意みなぎる熱い言葉を耳にする。
声の主は、逓信省航空保安部長の松木静男(吉岡秀隆)。
日本は終戦後、GHQによって一切の航空活動を禁じられていた。
さらに、吉田茂首相の側近・白洲次郎(藤木直人)は
日本の航空事業を海外企業に委ねた方がよいと考えていた。
だが、松木はどんな困難が待ち構えていても日本人の手で
航空事業をはじめるべきという、固い信念を抱いていたのだ。
松木の話に感動し、思わず聞き入ってしまった小鞠だったが、
彼の若き部下・三島優輝(坂口健太郎)に立ち聞きをとがめられてしまう。しかし、これが2人の運命の出会いとなる…。
1951年、GHQと粘り強く交渉を重ねた松木の熱意が実り、
ついに戦後初の日本の航空会社“日本民間航空”が発足する。
すでに社員となっていた三島からエアガールを募集していると聞いた小鞠は飛行機の仕事に関わりたい一心で応募を決意。
しかし、エアガールは最先端の超人気職!
とんでもない倍率の試験が待ち構えていた。
その後、数々のピンチを乗りこえてなんとか合格した小鞠だったが、
入社式からわずか1週間後、あわただしく試験飛行に臨むこととなって…!?
コメント(公式HPより)
広瀬すず(佐野小鞠 役)コメント
――この作品への出演が決まったときのお気持ちを教えてください。
これまで日本の航空事業の歴史についてあまり触れたことがなくて、
もっと昔のことと勝手に思いこんでいたのですが、
戦後エアガール第一期生の方が現在90歳代とうかがって、
意外と近い時代の出来事だったんだなと驚きました。
当時の日本と世界のやり取りや衝撃的な国際関係など、
初めて知ることばかりで、「こんなことが起きていたんだ!」と
ドキドキしながら脚本を読ませていただきました。
――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします!
戦後初めて日本で航空会社を作ろうと頑張った人々の思いや、
小鞠をはじめ、激動の時代を駆け抜けたさまざまな人たちの感情が
織り交ぜられていて、とても複雑で深いストーリーなのですが、
それらをポップなシーンを交えて描き出しています。
日本にもかつてこんな物語があったんだと、
知ってもらえる機会になったらうれしいなと思っています。
2つの視点から繰り広げられる、本当の話。
このお話は、2つの視点から繰り広げられます。
1つは、タイトルにもなっているように「エアガール」と呼ばれた、
現在のCAの大先輩たちの物語。
戦争で家族を亡くし、
天涯孤独となった佐野小鞠(広瀬すずさん)が主人公です。
そして、もう1つは、戦後初となる「日本の航空会社」設立を巡って
奮闘する男たちの物語。
日本航空の社長や会長を務めた松尾静磨さん、
「戦後日本航空業界の父」と呼ばれたこの方を、
吉岡秀隆さんが演じています。
まず、エアガールたち。
昭和26年7月20日から22日のたった2日間。
毎日、読売、産経、朝日、東京、日本経済新聞の各紙に掲載された、
この「エアガール募集」の広告。
でも、たった8行だけのごく小さな広告だったようです。
これを見つけて、目を留めるには、
新聞を本当に隅から隅まで見ないと、分からないくらいですね。凄い。
エアガール募集
資格 20―30歳身長一、五八米以上体重四五瓩―五二、五瓩迄
容姿端麗新制高校卒以上英会話可能東京在住の方
採用人員 12名履歴書写真上半身全身各一身長体重記載同封郵送
締切 八月二日(当社到着の事)面会日を通知する
東京都中央区銀座西八丁目一番地
電話銀座(五七)〇一〇三―四・〇八四五・四二二二・六三六一
日本航空株式会社創立事務所
年齢:20歳〜30歳
身長:158センチ以上
体重:45キロ〜52キロまで
容姿端麗・高校卒業以上・英会話可能・東京在住
はい、私はもう既に、身長が足りない。笑
でも、本編でも小鞠さんは身長が足りなかったらしく、
履歴書には158センチと記入し、測定の時はバレないように、
少しだけ背伸びをして乗り切るシーンがありました。笑
すずちゃん、可愛かった。
続いて、「日本の航空会社」設立の方は…
アメリカと戦争をし、日本は敗北しました。
それから、GHQの占領下になった日本は、
もう従うしかできない、まるでロボットみたいな感じに。
圧倒的に不利な状況の中、奮闘する松木という男もいれば、
アメリカに良い顔をして乗っかろうとする白洲という男もいて。
海外の航空資本と手を結ぼうとしていた白洲に松木が、
激しくぶつかるシーンがあるのですが、このシーンが本当に圧巻でしたね。
「総理の側近という立場を利用して、
日本の未来を海外に売り飛ばすだけのブローカーだ!」
と詰め寄るんです。そのリアルな緊迫感、とてもハラハラしました。
1番刺さった言葉。
本編の終盤、白洲が一言さらっと言った言葉。
この国の空の、永い夜が明けた。
終戦から、ここに至るまで長い時間がかかった。
GHQからは酷い扱いも受けて、
それでもなお、めげずに我慢して、闘い続けて、
やっとやっと、日本の空を取り戻した。
その熱い想いが込められた、このセリフにはグッときました。
さらに、この物語には「赤いお守り」が出てきます。
小鞠が出征する兄に渡したものですが、
兄は、突撃する前に同じ戦場にいた三島へ渡します。
そして、三島は、その妹小鞠と出会い、お守りは小鞠の手に。
小鞠は、視力の低下でパイロットの夢を諦めますが、
夢を三島に託すと、お守りは再び三島の手に。
そして、時は流れ、三島は現役を引退。
小鞠の孫が「日本航空」にパイロットとして入社し、
三島がずっと持っていたお守りは、小鞠の孫へ。
1つの赤いお守りが受け継がれ、
兄・小鞠・三島・孫、それぞれの心に宿った想いが、
時代を超えて、大切に繋がっていく、
そのストーリーにもグッときましたね。
日本にこんな歴史があるなんて、
恥ずかしながら全く知らなかったです。
日本の空を取り戻すために奮闘した方々と、
今や憧れの職業でもあるCAさんが、どんな風に生まれたのか、
そのことを知れる、とても面白い映画でした。
特別番組ではなく、普通に連続ドラマにして欲しいくらい、
内容が濃く、日本人として知るべき内容が詰まっていました。
過去を知るためには、こういう作品って必要だと思います。
その時代を生きていないけど、
こういう作品があるから、
その時代を生きた人の想いを少しだけ知ることができるんだと。
ぜひ見て欲しい、一本です。
おりょう☺︎
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