平成の怪物

 外角に鋭く曲がり落ちたスライダーに、バットが空を切る。マウンド上では"大会の主役"が笑顔でガッツポーズをつくる。


「横浜・松坂! 決勝戦のノーヒット・ノーラン!」


1998年夏の甲子園、横浜高のエース・松坂大輔が京都成章との決勝戦でノーヒット・ノーランを達成。"平成の怪物"。高校野球史にその名を刻み込んだ瞬間だった。


そして、この日は、私の生まれた日でもある。

「渡邉一徹!奇跡の3000gピッタリで誕生!」

なんてことは、おいといて。


2021年12月4日。平成の怪物がついに引退となった。

自分の生まれた日に偉業を成し遂げ、世界で活躍した松坂選手を私は、応援していた。

ついに引退の日、サプライズゲストで登場したのは、世界のイチロー

映像で放った最後の言葉は「許せ、大輔」


男として、震えた。

あの有名な忍者漫画で、兄が弟に自分の力を託す時に出た言葉と全く同じながらも、その四文字には、計り知れないほどの思いが詰まっているのだろう。

人には、心が動く瞬間が、何度かあるが、その多くは言葉によって動かされると思う。

たくさんの人と関わっていく中で、私は人の心を動かしたい。そのために、言葉は大事にしているつもりである。

だからこそ、誰よりも人を想い、考え、行動する。これに尽きる。

私はイチローにはなれない。でもイチローも私にはなれない。

私にできること、それを信じて今は進むのみ。

最後には、一切振り返らずにグラウンドを立ち去るイチローのように

背中で語れるようにもなりたい。


話が大きくそれましたが、あらためまして

松坂大輔選手、本当にお疲れ様でした。



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