はちゃめちゃアツいリーガルサスペンス「ジャッジアイズ:死神の遺言」(キムタクが如く)を全人類プレイしてくれ
全人類に「ジャッジアイズ:死神の遺言」(キムタクが如く)をプレイしてほしいなと思いながら感想をつらつらと。あと今公式サイトが……だから……色々忘備録的に記事かきあつめてきたよ……。
プレイ前の人はこれが参考になるぞ。
キムタクによる私への絶大な販促効果
まず、私は残念ながら「龍が如く」にあまり深く触れてこなかったユーザーだ。常々「龍が如く」の面白さは耳にしてたし、HD版を買うかと何度も考えたけど、シリーズの歴史が長ければ長いほど新参はなかなか踏み出すことができないかった。そんな中、彗星の如く現れたのがこの「ジャッジアイズ」。2018年9月ごろに発表され、12月に発売を決め、それから一切遅延なく発売された。ここはマジで褒められるとこだから永遠に言う。
なんといっても主人公が木村拓哉さん、以下キムタクっていうのでもうインパクトだけでこれまでちゅうちょしてたのが嘘みたいに「買いたい!!」って思った。キャラクターが一新され、主人公は893じゃなくて探偵、さらにリーガルサスペンスもの。路線が大きく変わったから、これなら新参でも遊べるだろうって。実際やっぱ新規ユーザー多かったみたいだもんね。
それでもずっと楽しみにしてた「ゴッドイーター3」と発売月がかぶって、悩んでいた私の背中を押したのが例の「ちょっ、待てよ!」を永遠に聞ける「主人公ボイス詰め合わせキーホルダー」と、メイン俳優詰め合わせセットみたいなオリジナルテーマ。とくにテーマは起動するたびに幸せになれるので、めちゃめちゃコスパいいぞ。
プレイしてみてまずキムタクという存在、彼の偉大さを思い知った。もうキムタクの顔して動いて喋る、そんな八神隆之が面白すぎて無理。笑えるっていう意味じゃなく。操作するだけでただ単純に面白い実在の人物って、そう多くはないと思うんだ。あと、ちょいちょい映画のアクションのような「そんなん生身の人間にできるわけねーだろ!!」とか「かわせるわけねーべ!!死ぬわ!!今死んだわ!!」みたいなシーンがあるんだけど、キムタクの顔してる八神だったら出来そうな気がするわけですよ。しかもめちゃめちゃ格好良い。ムービーとかバトルのカット繋げば超大作映画できてしまうんではってくらい、格好良い。
何よりモデリングがいい。他の俳優モデルのもすごくいいんだけど、やはり八神は別格のクオリティだと思う。わずかな表情の変化、ライティングでの効果、格好良く見せるための映えるモーション、どれもすべてに妥協がない。キムタクではないけれど、実写を超えてやるっていうくらい気合の入ったモデルだと感じた。
でも実写じゃなくて最初からゲームだからカメラワークも動きも現実に即する必要ないわけで、そういう意味でも何が起きてもアリだなっていう世界になってる。これに説得力と現実感を持たせて、破綻のないリアルな世界に見せているのが、ザ・キムタクという人間なんだなって思い知らされた。手榴弾をオーバーヘッドキックしてどうにかできても納得できてしまうくらいの「本物」がここにいるんだ。
いやもうホント、冗談抜きでキムタクのためだけに買っても、そうじゃなくてもキムタクを操作できるだけでお釣りがくるレベル。それに加えて他の俳優陣もキャラクターもストーリーまで秀逸なんだから、これはもはやゲームを買うことで実質無料どころか実質プラス以外の何物でもない。
それほどキムタクのドラマとか映画とかを見たほうじゃないけど、彼をすごいなって思うところは、圧倒的「自然体」みたいなとこ。もはやキムタクを同じ人間と思えないというかすでに二次元的な存在として考えてるけど、ドラマの登場人物っていうより普通の、どこかにいそうな人間みたいに思える。素人考えだけど、むしろ普通の人間が普通を普通に演じようとするとただの棒演技になる感じがあって、そこをキムタクはさらっとこなしてるように見えるからすげえなって。
八神も設定だけなら超人ぽいというか、かなり波乱万丈な人生の持ち主なんだけど、神室町という場所で当たり前のように息をして、生きている。ストーリーの面白さに引き込まれたのもあるけど、そんな空気を感じたから、キムタクの八神隆之だから、彼と一緒に最後まできっちり事件を追いかけたいって思ったんだ。今じゃもう、どう考えてもキムタク以外の八神隆之は考えられん。それくらいマッチしてたと本当に思う。
とくに、キムタクが好きという人にはぜひ遊んでほしい。映画やドラマじゃ味わえない「自分がキムタク演じるキャラクターを操作し、言動に感情移入する」という経験は、ゲームのもつインタラクティブ性ならではだからね。
それでもちょっと環境的にゲームがしんどい人は、この「龍が如くスタジオ」の空気感を感じられる舞台「龍が如く」とかもいいかもしれない。いやスタジオにお金払ってほしいだけの販促なんだけど(直球)。
滝川英治さんが主人公の桐生一馬、佐野岳さんがその幼馴染の錦山彰で、細貝圭さんとか陳内将さんとか(だいたい特撮オタク目線)も出てるし。でも最終的に、窪塚俊介さんが演じた真島の吾朗が断片的な知識でも「これ本物では?」って思うクオリティだったので惚れると思う。こっちもこっちですごい感情のぶつけ合いが重くて逃げ場がないままメンタルしぬけどな!!ストーリーがきれいにまとまっていて面白かった。
なんつーか如くどころか任侠映画とかも全然通ってこなかったんだけど、出てくる男ことごとくこんなクソデカ感情ぶつけてくるの?無理では?
「龍が如くスタジオ」としてのリーガルサスペンス
「ジャッジアイズ」は、ジャンルとしてはドラマティックアクションゲームで、題材としてリーガルサスペンスを取り扱う。新宿の歌舞伎町をモチーフとした神室町という場で、893の抗争と思われる連続猟奇殺人事件が起こり、それが徐々に法曹界、ひいてはさらに大きな影との戦いへと繋がっていく。
とくに中盤を過ぎた頃、最初はバラバラに見えた事件が少しずつ繋がり、大半の点が出揃う。そこから登場人物たちが点を繋ぎあわせ、事件の核心に迫っていくスピード感が凄まじくて、止めどきが分からないほどのめり込んでしまった。終わってから考えると、中盤過ぎにユーザーへほとんどの手札を見せてうっすら全貌をにおわせつつ、でも「じゃあここから登場人物はどう動くんだろう?」とか「まだ分からないアレは一体何だろう?」と、考えさせられるシナリオ運びだったのかな。プレイ中はそんなのおかまいなしに、結末が知りたくて全速力で駆け抜けてしまったけれど。
法は等しく、正しく万人のものであるべきはずなのに、守られるのは権力者ばかり。ただの探偵、元弁護士には限界がある。何度追い詰めても追いかけても手が届かず、証拠すら握り潰され、絶望に打ちひしがれるしかない場面も多々あった。それでも八神と仲間たちは、最後まで諦めなかった。
言葉にすると、ただ「諦めなかった」それだけになってしまうんだけど、登場人物のほとんどは青臭い若者じゃない。世の中は正しいわけでも、優しいわけでもないと知っている。自分の生き方、信念、正義を貫くことが難しいなんて当たり前も、嫌というほど。彼らは世の中に正しいはずのことが正しく受け取られないと分かっていても、それが無意味でないと強く信じることができたから、この結末を勝ち取れたのだろう。
ただ「龍が如く」よりはずいぶんガチンコバトルは減ったんだろうけど、想像よりもずっと893とバチボコにやり合ったなあという印象。なんつーか“人間、六法全書のカドで思いっきり殴れば大体死ぬ”みたいな勢いがあった。探偵っぽくスマートにこっそり解決するんかと思ったら、状況的にやむなしとはいえ物理で殴って解決したのが半分くらいのようなイメージ。あと、たまにちょっと敵の様子がおかしくて「なんなのだこれは……?」って茫然としたこともあった。
たぶん、細かく言えばストーリー上にツッコミどころも多々あったんだろう。でもそんなのは些細なことで、これこそが「龍が如くスタジオ」なりのリーガルサスペンスなのかなと。もちろん八神は元弁護士ということを差し引いても、きちんと司法や警察の実力を行使して悪を裁こうとする。ただ、それでも委ねるだけじゃなく、自分の手で殴れるものはきっちり殴って、この手で悪をぶちのめす。この、ある種のカタルシスこそ「龍が如くスタジオ」の描きたかったものというか、DNAというか、矜持というか、そんな気概を感じた。何より変に奇をてらうことなく、ユーザーの見たかったものを見せてくれた満足感が非常に大きい。ユーザーの期待や予想はいい意味で裏切るけど、感情は裏切らない。こういうのでいいんだよ。
あと、方々で言われている通り、別に「龍が如く」のキャラクターがおおっぴらに登場するわけじゃない。何も知らなくてもまったく問題ない。むしろまったく知らないほうが、システムの差異を感じることもなくすんなり楽しめる。ただ自分がそうなんだけど「ジャッジアイズ」やったら絶対「龍が如く」シリーズもやりたくなると思う。ハードルがだだ下がったのがはっきり分かる。
立ち止まった男たちが、再び歩き出すための物語
「ジャッジアイズ」に登場する男たちの間にあるのは絆、信頼、親子愛、兄弟愛、友情、利害、憎悪、裏切り、嘘、羨望、嫉妬、殺意……そんな言葉で現すのは簡単だけど、きっと言葉だけで語り尽くせるものじゃないものが横たわっている。時には、それが自分の人生や命よりも重くなる。
今回の大きな事件を追う中で、この男たちの過去や秘密が明らかとなっていく。全部が全部を知りえたわけじゃないけれど、キャラクターの人格の根幹となるような、特別知りたいことはきっちり教えてくれる入れ込み方がすごく上手かった。だからキャラクターにしっかり感情移入できたし、男の生き様にすごく感銘を受けた。余白もかなり残ってるので、別の形で語られたらなと思う。具体的に言うと窃盗団まわりとか、松金組の昔のこととかも見てみたい。
なかでも八神をはじめとした主人公サイドの大半のキャラクターは、過去の出来事で立ち止まってしまっている。とくに八神については初めから語られるけど、それ以外の人物も偶然にしろ必然にしろ、事件を追うごとに腹の中でくすぶっていた感情と向かい合う。
真正面から向き合い、乗り越えた人もいる。通り過ぎた1つの過去として受け入れた人もいる。一度は手放してしまった過去を、今に繋げた人もいる。嘘で塗り固めた壁をぶち壊した人もいる。多くの悲しみや怒りを経て、男たちは立ち止まった場所から再び歩き出すきかっけを得た。これが「ジャッジアイズ」で描きたかったもう1つのドラマなのかなと。
キャラクター1人に感じる、人生の重さがあまりにもすごい。個々に語っていくと膨大になってしまうので別にした。
探偵パートが超面白カッコイイ
そういえばこれは発売前に読んだんだけど、現役探偵の話がなかなか面白かった。次はもうちょい探偵パートのバリエーションみたいなのも増えるといいなあ。
探偵パート、すごい楽しかった。個人的にはピッキングとサムターン回し(だいぶ犯罪)が好きで、サイドストーリーで鍵屋でバイトすることになってひたすらピッキング&サムターン回しできるターン最高だった。がっちゃんがっちゃん鍵開けまくって金までもらえるとか最高かよ。大家さんマジ感謝。
尾行も結構多かったと思うけど、人によってだいぶ挙動が違っててそこが面白かったな。あまりこっちを気にしない人もいれば、やたらとあちこちフラフラして寄り道して「早く行けや!!」って思う人もいたし、複数人を追う時は「見えねええええ角曲がるんじゃねえええ話し込むんじゃねええええ」ってギリギリしたし、めっちゃ警戒心強い人はしぬほど振り返ってくるから常にカバー入ってヒイヒイしたとか、うっかり見失った時に道をショートカットしちゃって正面から鉢合わせたとか(ゲームオーバー)、色んなことがあって楽しかった。
チェイスは段々慣れてくると、ちゃんと捕まえるより、いかに1度も引っかからずスマートに進められるかっていう自分との戦いみたいになってた。結局、人よりも帽子(隠語)を追いかけてたことのほうが多かった気がするけどな。尾行もそうなんだけど、少し違う視点で見慣れた神室町を歩き回ったり走り回ったりするのが面白かったところもある。
現地調査は、猫がニャーって鳴いてたらそれがすべて。あと3分とかカウントダウン始まってすげえヤバイ時でも「いや、猫!猫がおるんや!!どこや!!」って粘ってしまったり(危うくゲームオーバー)。必要なものと、必要じゃないものをチェックしたときのテキストというか、反応ももう少し面白いのが増えるといいな(逆転裁判並感)。
ドローンは無理。マジ無理、キライ、シンドスギ。なんだよあの風圧で流されるやつとか。ミニゲームのほうも一切手を付けてないんだけど、トロフィーのためにはやるしか……ねえんだよなあ……。まあほんと無理なんだけど、海藤さんが頑張って操作慣れたのかなって思ったら俺も頑張ろうかなってちょっとだけ思う。ちょっとだけ。ハトってネーミングは可愛かった。
クセも強いがサポートも充実しているバトル
前述の通り、私は「龍が如く」をやっておらず、アクションゲームそのものにしてもワザマエとしては中の下ってところ。レベル設定があるなら上げるだけ上げて物理で殴って倒すタイプなので、難易度ノーマルのVS村瀬でもう数回死んだ。開発曰く「『龍が如く』はアクションやさしい」らしいが「ウソツケ!!」と言いたいくらいだ。
でも、そんなことは分かり切っていた。だから賢い私はDLCが発表されたとき、これを使って勝つことを決めた。あとでインタビューを見たら開発スタッフもノリノリだったようだが、結果としてこれはWin-Winだった。めっちゃイージーでも十分勝てるんで無理に買わなくても大丈夫なんだけど、キムタクが正義の力でチンピラを薙ぎ払う映像とか超見たくない?私は見たかったし、すごく満足している。
ちなみにこの「究極・仙薬パック」、敵をぶっ飛ばす系が面白いと思いきや体力回復やらEXゲージ回復、一定時間無敵も実に愉快。○ボタンを押すとちょっとしたアクションが入るのだけど、八神がステップしたりバク転したりする。これだけでも面白いので買う価値がありすぎた。無駄に連打してると普通に敵に殴られるんだけどな。私は全部入りの「オールインワン・パック」を買い、結果としてこの仙薬とレンタル猫しか使ってないけど「究極・仙薬パック」は全部あったほうがいいし、猫は必要だし、だったらもう「オールインワン・パック」まで買って開発に金落とそうぜ(直球)。
「究極・仙薬パック」、とくに一撃で画面内の雑魚を瞬殺してくれる瞬義光はとてもラクなんだけど、後半になるとHPバーの数がえげつない敵が出てくる。仙薬はどれもクールタイムがあるから連発はできないし、となると順番に使って時間を稼いでこなしていくしかない。なので単品で買うよりせめて仙薬だけはパック買いを勧めている。ストーリーが面白いからバトルで詰まってもどかしい気持ちを味わいたくなかったから、これは本当にありがたかった。
2周目を少し始めたところでめっちゃイージーにしてみたけど、□ボタン連打で面白いくらい敵を殴れる。あと私は△のEXアクションをよく使ったほうだけど、これは戦闘モードの切り替えからEXアクションの発動まで自動でやってくれるんで、序盤ですら見たことないアクションがあったのも面白かった。あとNPCとの連携技に気付いたのもゲーム終盤だったんで、イージーも積極的に使っていこうと思う。
これ以外にも攻撃力をアップさせたり体力を増やしたりというバトル向けのスキルとか、探偵パートの難易度を下げるスキルも豊富に用意されている。このあたりはマジでスタッフのやさしさを感じたので、アクション得意じゃなくてもなんとかなるから安心してほしい。ただまあ、いちおう血のり減らすみたいなオプションもあるけど、のっけから連続猟奇殺人事件だし、CEROもZとまでいかずともDなんで血がすげえ無理って人はやめたほうがいいと思う。逆に言うと、それくらいしか勧められない人が思い当たらない。
現状「ジャッジアイズ」は、とても厳しい状態にある。ゆえに、オススメしても買えない人がいる今の状態が非常に悲しい。ただの一ユーザーの私ですらこうなんだから、なごっさんをはじめスタッフの気持ちは察するに余りある。でもきっと、もっとたくさんの人に遊んでもらえる日がきっとくる。私はそう信じるし、スタッフはきっと諦めないはず。だからその日がくるまで応援していきたい。本当に楽しかったよ、ありがとう。
ところで「龍が如く 維新!」ってやつがあるじゃろ。この先、たとえば大正浪漫的な「ジャッジアイズ」が出たらどうしようかと考えて勝手に死んだ。セガ(アトラス)、君の家には「鳴海探偵事務所」ってものがあるだろ?思い出せよ、お前はそういう男だったはずだ。
まだサイドストーリー大量に残ってるからこれ片づけて2周目っつか主にスクショと写真祭りする予定。アーカイブ映像がスクショ禁止とは思わねかったんだよお…取り直しだ。
ちゃんと参考になる真面目なレビューをぺいぺいっと貼っていく
インタビューもぺいぺいっと貼っていく。ちなみにファミ通のなごっさんとキムタクのインタビュー、電子版は存在抹消済みなんで買うなら紙版がいいぞ(経験者)。
こっちはクリア後を推奨