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良いマネージャーでいるために必要なこと

「ブリリアントジャーク」という概念を知っているだろうか。
頭は良いけど嫌なやつ、あるいは仕事はできるが嫌なやつ、それがネットフリックスが定義したブリリアントジャークである。本人自身は有能だし仕事ができるのだが、それをかさに着て他人を否定したり追い込んだりするタイプの人間のことだ。これは放置すると組織が崩壊するので非常にたちが悪い。
ブリリアントジャーク、あるいはブリリアントジャークにすらなれない無能で嫌なやつ(信じられないことにある程度以上の規模の組織には大概存在している)は周りにデバフを撒くので、存在しているだけでチームとしての生産性が落ちる。特に心理的安全性が損なわれ、コミュニケーションが阻害されるのが痛い。職場にいる嫌なやつ周辺の気まずさを思い浮かべればだいたいわかるだろう。何?嫌なやつが思いつかない?それは貴方が相当な幸運か、あるいはマネージャーが極めて優秀な職場である。いずれにせよ大事に環境を維持していこう。

このブリリアントジャークが経営者まで至る、あるいは創業者である場合は往々にして謎のカリスマ性を兼ね備えている場合が多く、あまり決定的な問題にならない。その経営者が耄碌しブリリアントでなくなるまでは。最大の被害が出るケースは、彼らがマネージャーもしくはその上位である経営層の椅子に座っている時である。
そしてコンサル界では、このブリリアントジャークはファーム間を回遊する傾向がある。部下をすりつぶして成果を上げているSMやPをコンサルティングファームにいたら目撃したことがあるだろう。彼らは人的資源を消費して成果を上げ、社内の人的資源、あるいは彼ら自身の評判を食い尽くしたら他のファームに去り、同じことをやり続ける。こと日本においては他の業界に比べて人材の流動性が高いことが、コンサルをやっているとブリリアントジャークと当たる可能性を高めている。
ちなみにブリリアントジャークへの対処法は、少なくとも部下として配置された場合はあまりない。個人的にはさっさとチームを移るか転職するかをオススメする。自分の上司がそんな人間だった場合、部下のポジションでそれに立ち向かうのは労力の割にメリットがなさすぎるからだ。

マネージャーポジションに必要な特性として、このブリリアントジャークの反対の性質が求められると私は思っている。個人の仕事に対するスキル以上に、周囲の人間にバフをまき、心理的安全性を引き上げ、鼓舞して士気を上げられるスキルが必要になる。なぜならば、マネージャーである以上はチームを率いたチーム戦になるからだ。
マネージャー個人が150%のスペックで働いていても、部下2名のスペックが50%に低下していては合計250%の出力しか出ない。3人で300%の出力が出ないので、このマネージャーであればいない方が良い。逆に本人が50%でも部下2名が150%の出力が出るならば、チームでは350%の出力が出る。単純に表現すれば、複数人のチームであればチームへのデバフは悪で、バフは善なのだ。
割と良いポジションなのに本人がパッとしないタイプの人がいるが、だいたいすごいバフの使い手である。部下が慕って持ち上げてくれるタイプの人だ。こういう人材は、組織が大きくなるとバフ対象が増えるので強い。
というわけで、今回は自分がマネージャーの立場としてチームを率いる時に気を付けるべき点について書いていこうと思う。


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