クロワッサンラスクの開発オファー
ちょうど10年前の2011年12月、クロワッサンのラスクを作ってほしいという商品開発依頼がありました。
水分を飛ばすとモロク形崩れするクロワッサンを形のままラスクにするのはやっかいな作業なので表面にソースを塗って固めてしまうのがほとんどでした。現在では、「形のままのクロワッサンラスクを作れるのは〇〇だけです」というキャッチフレーズで販売する店もあるくらいです。
クロワッサンはバターなどの油脂を生地に折り込んで作りますから焼菓子にすれば美味しいのはあたりまえですが、ラスクは本来売れ残ったパンを再焼成して売るために考案された商品ですから、最初から商品として作るとなれば2度焼成しなければならないラスクは手間が増えコストも上がります。
商品開発の過程で分ったのは、フランスパンなどを使って薄型ラスクを作るのは簡単ですがクロワッサンラスクを作るのはとても難しいということです。
手間も大変ですがクロワッサンは再焼成して水分を飛ばすと脆くて形崩れしやすくなるので、形のままラスクにするのが非常に難しいのです。そのため、形が崩れないように表面をチョコレートコーティングしたりキャラメルソースで固めたりするのですが、そうするとチョコレートやキャラメルの味でクロワッサンの風味が失われてしまいます。
型崩れしにくい工夫を凝らし絶妙の配合で焼き上げたクロワッサンラスクがこれです。
素晴らしい商品レシピが完成して商品開発を終えました。完成させた4つの原形状ラスク。何もコーティングしていません。
その後しばらくして起きたラスクブームを覚えておられる方も多いと思います。ラスクブームの火つけ役は「クロワッサンラスク」でした。😉
現在も受注は継続しています。
▼2012年の記事