「大手スーパーで売っている米粉パン」についてのご質問がありました
北米市場では1977年のマクガバンレポート、1982年のキャンベルレポートから約20年ほどの時間を要して牛乳代替えミルクなどの動物性蛋白食品の代替え食品に対する潜在需要が形成され、植物性蛋白食品の市場形成が始まりました。
2005年、牛乳代替えミルクとして市場投入され1000億円市場に成長した豆乳の健康被害が周知され、それに替わる植物ミルクとしてアーモンドミルクが現出した頃から、1960年代に開発され消費小麦の主要品種となったモダンウィートが原因の急性小麦アレルギーより重症な遅性(慢性)アレルギーであるグルテン不耐症予防対策として、スターチや米粉などをつかった小麦ブレッド代替えブレッドに対する潜在需要が増加しました。
こんにちは、秋月です。先日、noteに投稿した記事の影響で、今日は、このメールが届いているので回答しろということなので投稿します。
冒頭、北米を中心にした欧米市場で植物性食品市場が拡大している経緯をざっくりと述べました。グルテンフリー市場については、他者の投稿で述べられているので省きますが、北米市場だけで2021年約6500億円規模に達しており2027年には世界市場規模は1兆円を突破すると推計されています。その中約30%以上がベーカリー市場だとされています。
グルテンフリーについても、欧米に比べると日本の市場形成は遅れていますが、いずれは相応の市場が形成されます。
最近の大手スーパーやコンビニエンスストアの米粉パン発売は、上記の市場の動きを睨んだものです。しかし、消費者が勘違いしてはいけないことがあります。
欧米市場のグルテンフリーの潮流は消費者の病気予防への関心と健康志向によって大きくなっていますが、企業のグルテンフリー市場への製品投入の動機は消費者利益ではなく企業利益を最優先に大きくなっています。
日本で米粉パンが作れるようになったのは福盛幸一という一人の天才パン職人の長年の研究と発明によってであり、大企業はまったく関係ありません。ハッキリ言えば何もしていません。アトピー性皮膚炎をはじめとする様々な原因不明といわれる病気を引き起こしている最大の原因は大手企業のモダンウィート(現代小麦)を使った小麦製品と化学添加物がたっぷり入った製品です。
ご質問の「大手スーパーで小麦もグルテンも入っていない米粉パンを食べたご友人が発症したのはなぜか?」の答えは一言でいえば「その米粉パンが、小麦粉を米粉に替えただけのジャンクフードだからです。」
製品のどこにも「小麦アレルギーの方にも安全です」とは記載していないはずです。
では、具体的にご説明しましょう。
ヘッダーの画像は大手スーパーの米粉パンです。この製品の商品情報を見ましょう。
アトピーなどのアレルギー症状は確かに小麦食品に含まれる蛋白質形成物質が原因で引き起こされますが小麦だけではありません。例えば、添加されている食材や化学添加物のアレルゲンが原因の場合もあります。
この米粉パンの場合、アレルゲンとしてアーモンドと大豆が記載されています。原材料は11つ、米粉(国産うるち米)・砂糖・食用米油・パン酵母・食塩・加工でんぷん粉・トレハロース・増粘剤HPMC・増粘剤グァーガム・乳化剤・酸化防止剤(ビタミンE)。
※HPMC(ヒドロキシプロピルセルロース)は加工食品の増粘剤、ゲル化剤、糊料として使われています。グアーガム (Guar Gum)も増粘剤として使われています。米粉の他に加工でんぷんやHPMCなどの化学添加物がたくさんはいっています。
パトリエフクモリエムケーマートWEB店の米粉100%食パンの原材料をご覧ください。原材料は5つ、米粉・オリーブオイル・塩・砂糖・イーストだけです。これが本物の米粉100%のパンです。だから発症する可能性が低下します。国産米粉だから本物の米粉パンが出来るわけではありません。米粉が本物なら増粘剤など不要です。米粉の大きさ・形・質が均一でない米粉を使っているから化学増粘剤を混ぜないと膨らまないのです。
人間と同じで商品も偽物は偽物、本物は本物です。本物か偽物かは見掛けではありません。しっかりと知識の目で製品を見てください。
偽物摂取によって体内でどんなクロスリアクションが起きても不思議ではありません。この製品が「アレルギー患者にとって安全な米粉パン」だと考えるのは誤りだと思います。
忘れないでください。特に大手企業は消費者の利益を考えて製品を造っているのではありません。企業の利益を最優先に考えて製品を造っています。現代のアトピー性皮膚炎の主原因は食べ物です。大企業の製品がその原因の大半です。
ご質問者が言われているように、消費する側の人間として知識の大切さを改めて学んでください。
ご参考になれば幸いです。
エムケイコンサルティング 秋月