「新社会人とスタートダッシュ」
概要
3月7日(火)13時より、兵庫国際交流会館にて、「内定者&企業担当者向けコミュニケーション力UPセミナー~新社会人とスタートダッシュ~」が開催されました。当日は、学生4校12名(大学コンソ加盟校3校11名)、企業6社8名、行政・団体4団体6名、大学関係者1校1名等の計34名が参加しました。
背景と目的
この春大学を卒業し企業に就職する学生は、大学生活の大半にコロナ禍の影響を受けた世代であり、社会人としての生活に強い不安を抱えている人が多い状況です。
また、県内の中小企業では新卒同期入社が少人数のケースも多ことから、兵庫県下の企業にこの春就職する新卒入社メンバーや企業の人事担当者が集まり、新しいコミュニケーションスキルを学び合い、交流を深める場を持つことで地元で共に頑張る同期の仲間を作って入社後の早期活躍に繋がること、また企業同士の連携にも発展していける仲間づくりの機会となるきっかけとなるような会を開催しました。
現代は少子高齢化・長寿命化・グローバル化・AIやロボット技術の進展によって変化の大きい時代です。
このような状況下において、新しい「リーダーシップ開発」を利用して、全員発揮型の自分らしいリーダーシップ開発に取り組みます。学生、社会人を問わず「質問会議」という新しい時代のリーダーシップ開発手法を体験して、「チームメンバーに対する協調性」や「関係者を巻き込む主体性・コミュニケーション力」を身に着け、社会人に必要な対人スキルの向上と自己肯定感の向上を目指します。
内容
まず、ファシリテーターを務めてくださった甲南女子大学の佐伯先生から「アクションラーニングの意義」、「今日なぜアクションラーニングを実施するのか」、「アクションラーニングとは何か」の概要の説明がありました。
また、当日はアドバイザーとして元Panasonic(株)常務役員山本氏にも参加していただき、適宜各チームにアドバイスをしていただきました。
第1セッションとして各チームには、佐伯先生からアクションラーニング学生コーチとして専門教育を受けた学生がコーチ、案内役として入り、全員初対面で、地位・年齢・経験も違う世代が同じテーブルに座りました。
まず、コーチがアクションラーニングの方法を説明し、自己紹介から始まりました。自分で名前をA4用紙に記入し、その後自分がセッション中に呼んで欲しいあだ名や名前、呼び名を紹介し、各々が今抱えている問題を発表しました。その中から一人の問題を選び、アクションラーニング手法で質問会議が始まりました。
アクションラーニング手法には、ルールがあり、「犯人捜しをしない」「批判をしない」という2つのルールを守りながら進行していくことが条件とされました。約40分のセッション後、各チームのコーチと問題提議者が振り返りを発表しました。
2セッション目は1回目で手法に慣れてきたということで、始める前に問題提議者を決めてから始まりました。約40分のセッション後も1回目と同様に、各チームからの振り返りを全体共有するために、各チームのコーチと問題提議者が発表を行いました。
その後佐伯先生から、「問題解決、個人の能力開発、チームビルディングとは何か」、「今日の経験をよりよく活用するためのアイデア」、「企業における事例」について説明がありました。
所感
1セッション目が始まる前は、「アクションラーニングって何?」という雰囲気が参加者にあり、初対面の緊張感がありましたが、すぐに打ち解け、参加者が真剣に取り組んでいる様子でした。
通常のグループディスカッションと違ったのは自分のあだ名で呼んでもらいながらディスカッションを進めていくことでした。年配の企業の方も少し恥ずかしそうにあだ名を呼んでいたのが印象的でした。
アクションラーニングを学んでいる甲南女子大学の学生の素晴らしい進行で、どのグループも沈黙も無く誰かが発表できている様子だったのが印象的でした。
コーチの学生も今まではコロナ禍でZOOMなどでのトレーニングで対面でのコーチングが初めての学生もいる中、アンケートでは「場の雰囲気や、目線など学びが見つかった」との記載がありました。
和やかなムードで進んでいるグループもあったり、グループ一同真剣な顔で問題に取り組んでいるグループもあり、企業関係者も学生も真摯に問題を受け止め、ディスカッションを行っていました。
本イベント参加への満足度は「とても良かった」と「良かった」で100%を占めました。アンケートからは「色んな世代や、色んな企業の方から多角的な視点の意見を頂けて良かった」、「日常生活でも質問をしようと考えている」、「初対面の就職活動に適している」、「今日のイベントで自分に不足している点や今後の改善点も見つけることが出来た」など全員が初めてのアクションラーニング参加にも関わらず、前向きで今後も活用しようとするコメントもありました。
最後に、VUCA時代で先の読めない時代になったからこそ、自己肯定感を磨き、各々の特性を活かせるリーダーシップの発揮、自らが積極的にものごとに関る行動を起こしていく勇気を持てるイベントの開催が今後も必要不可欠だと痛感しました。
また、このような場を県内企業や経済団体の方々など産官学連携で設けていくことで、地域一体となって入社後に早期活躍できる人材を育成・定着につながり、企業同士の連携にも発展していける仲間づくりの機会となる可能性を感じました。これからも、プラットフォームとしての大学コンソーシアムひょうご神戸の利点を生かし、このような様々な立場の人々が集い・共に学び合える場づくりを行っていきたいと思っています。