”持続可能な「強い財政」”を創るためには?住民参画・協働の仕組み・広報の具体的戦略_2024年度オンライン講演会
みなさん、こんにちは。
一般社団法人新しい自治体財政を考える研究会(通称:財ラボ)事務局です。
今回は9/10に開催しましたオンライン講演会『政治に翻弄されない「持続可能な強い財政」を創る』の内容をお届けします。
持続可能な「強い財政」を創るための基盤には、「住民の理解」と「住民との協働」が不可欠です。
―しかし実際は、ほとんどの住民に政治・行政や財政事情に関する情報が届いていない
―どのように地域住民と協働し、持続可能な財政基盤を築いていくべきか?
市の財政状況を大幅に改善させた経験を持つ山口県宇部前市長の久保田 后子さんを講師に迎え、住民の政治・行政への理解と関心を高める「わがまち財政事情」の作成や、住民参画・協働の仕組み・広報の具体的戦略についてお話しをしていただきました。
【講演内容トピック】
1.行財政改革が私の原点
・行財政改革に関する市議会質問・県議会質問
・市長選挙出馬時の社会背景
・「宇部市の財政を考える会」の活動
2.改革の先にある展望を示す
・1期目マニフェストと後援会レポート
・2期目~3期目マニフェストと後援会レポート
3.「市民と語る、考える、動く」行財政改革
・市民と考える「市役所ダイエット作戦」
・地域づくり助成金の減額
・宇部市土地開発公社の解散
4.財政の顧客は納税者
・「わがまち財政事情」作成・発信
参加した皆さんからは、次のような感想をいただいております。
・首長の目線で行財政改革に取り組んだリアルな話しが聞けた
・納税者に向き合うために、公務員としてまち全体の公共の福祉についてどのようにして捉えていくべきか改めて考える機会となり大変良かった
ご参加いただいた自治体の皆様、ありがとうございました。
本記事では、講演中の質疑応答の内容の一部をお届けします。
【質問者】参加者の皆さん
【回答者】久保田 后子さん
Q.宇部市の行財政改革の一環である事務事業の見直しについて、市民や外部の専門家からの視点も取り入れることを目的に開催された「業務改革提案発表会」では職員からのボトムアップが多かったのでしょうか?
はい。事業の現場に出ている担当職員からのボトムアップが多かったですね。
また当時、外部の専門家として一社代表理事の定野さんに参画していただいた経緯がございます。
この発表会では、担当職員による事業のスクラップ提案に対して発表会参加の市民が「〇(マル)」「×(バツ)」と書かれた札を掲げて賛成・反対の意思を示し、そして専門家からも客観的なご助言をいただいておりました。
まさに”市職員・住民・専門家”この3者で事業仕分けをしていました。
出席した部長たちも、事業スクラップ案に対する市民の反応等を見て、共感や安堵感を抱きながら、最終的に総括コメントをしていたと思います。
ですから、私自身はもとより、幹部職員にとっても市民感覚や市民ニーズを掴む良い機会・訓練になり行財政改革が推進できたと思いますね。
Q.実際に自治体のトップとして行財政改革に取り組み、自治体の財政状況を改善した実績がある元首長の久保田さんに、(財政課職員から)首長に話をするときなどに“効果的なキーワードやフレーズ“があればぜひ伺いたいです。
そうですね。下記に挙げたような住民の声・ニーズの話などは、首長に受け止めてもらいやすいのではないでしょうか。
・住民の潜在的ニーズがあることを事例と共に伝える
・他自治体の成功事例の紹介と併せて、当自治体でも住民ニーズが見込める理由を示す・今後、ブームになりそうな先進的取り組みや県内で最初の取り組みとして注目度が高まることを伝える
そして、その時に既存事業を縮小する話も抱き合わせると良いと思います。
「この事業は少しスクラップ(縮小)するけれども、こっちの新しい事業をビルドした(立ち上げた)時に、良い評価や税収の伸びが期待できて、三方良し!」
・・・こんな風に話が発展していけたら素敵ですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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