体重を逃がすってどう言えばいいの?西武源田選手のコメントから
守備職人が守備職人を語りました。
はい、今日は源田選手と今宮選手です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/189212ca57bb9f0ca5a6bbbef7d28aa0efb0c59f
この記事の中で、源田選手が今宮選手についてこんなことを言っていました。
「今宮さんのプレーは派手に見えるといわれるけど、結局は(プレーの)最後の体重の逃がし方だと思う。一番いい形は人それぞれ違うので、今宮さんはそういう体の使い方なのかな。無理な体勢で投げるときは最後にどこかに体重を逃がさないとけがをしちゃうので、それぞれ自分のやりやすい形があるんだと思う」
いやー、この目付け。
ちょっと今まで聞いたことがないですね。
やっぱり超一流が超一流を語ると、こういう言葉が出てくるんでしょうか。
この言語化は野球の発展に繋がります。
体重の逃し方
その中でもキーフレーズとなっているこの言葉に着目します。
体重の逃し方
難しい。一瞬止まってしまいます。
体重だからweight?
逃し方だからescape?
それをくっつけてhow to escape the weight???
いや、絶対違うな。
ま、勘のいい外国人なら分かってくれるかもしれないけど…
ど、どうしましょうか?
release
逃がすという意味のリリース。これ使ってみますか。
release the weight
ま、さっきよりマシです。でも、ちょっと苦しい。
releaseというのは、fish(魚)を逃したり、heat(熱)を逃したりすることはできても、weight(体重)を逃がすことは想定していない。ってか、そもそも体重を逃がすってなんだよって話。笑 日本人だから理解できてるだけかもしれん
じゃあ、どう表現すればいいか?
control
releaseじゃなくて、control 使ってみましょうか?
control the weight
おっ、なんかいい
でもちょっと気になる点があります。
体重をコントロールするというのは、体重をもうちょっと増やしたいとか減らしたいとか、50キロに維持したいとか、そんなときに使う言葉です。
もちろん、この場面ではそういう意味で使っているわけではなく、外国人もそのことぐらいは汲み取ってくれると思うので、悪くはないと思います。
でも、もうちょっとブラッシュアップしたい。
momentum
勢いっていう意味です。これならどうでしょう?
プレー中にかかっている体重というのはまさに勢いのことなので、momentumを採用したいと思います。あるいはまた、その勢いは重力のことでもあるので、gravityを使ってもいいかもしれません。
これをコントロールします。
control the momentum/the gravity
だいぶらしくなってきましたね。
でももうちょっと逃すをちゃんと表現したい。
検討しましょう。
release
ここに来て、またリリースに戻りました。
release the momentum
勢いを逃がす
どうでしょうか?
もっとも簡潔に、体重を逃がすを表現するとしたら、こんな感じになるんじゃないかなぁ。
もちろん、これを聞いた外国人は一瞬ピンと来ないかもしれません。
なぜなら、勢いは乗るものであって(get the momentum)、それを離すというのは逆向きだからです。
そんなことを考えて、releaseにチョンチョンをつけます。
"release" the momentum
実際話すときも、releaseを強調すると同時に、両手で強調のポーズを示しましょう。この言葉は特別な意味合いで使ってるよ、のサインです。
この言葉から始めてみて、すぐに理解してくれればそれでいいのですが、分からない場合は説明をつくします。発言者(この場合は源田選手)にもっと細かく説明してもらって、それを英語にします。そうして正解に近づけていきます。
おわりに
ということで、今回は源田選手の体重を逃がすを紹介しました。
この表現以外にも、源田選手のコメントには通訳泣かせのコメントがたくさんありそうです。
次回以降もやっていこうと思います。
ではまた