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2023年の振り返り

こんにちは(こんばんは)
2023年、今年も振り返っていこうと思います。
(去年のは下記に)


生活

・鳩山ニュータウンから引越し(卒業)しました

 コロナ禍をきっかけに移住した鳩山ニュータウンから(ついに)引っ越しました。最後の学生生活から新卒(?)後の社会人を経ての計3年間を鳩山で過ごしました。
 "都会から距離を取り、おじいちゃん・おばあちゃんを筆頭とした自分より目上の人とコミュニケーションを取る"、"定石のような就職のルートを全く踏まない"など移住をきっかけに、割と大きな起点となったなと結果的には思います。長く居続けるつもりは最初から計画はしていませんでしたが、中途半端な移住とせず、そこで出来た「人とのつながり」に賭けて定住するなど、色んなことを教えてもらって胆力を身につけられた時間でした。
 下記に「学び」をまとめていますので、良かったらどうぞ。

・東京(根津)に来ました

 4月から根津周辺(文京区、東大近く)に住んでいます。なんやかんやでまたシェアハウスに住んでいます(シェアハウス自体が好きというわけではないです)。東大の建築系の学生が住み続けているシェアハウスで、関東大震災も乗り越えた築100年を超える戸建てです(戸建てにも縁がある、戸建ては好き)。東京で安く戸建てに住めるのはよいなと思っています。
 家守(家主)は同世代で同じく建築系の谷繁です(オーナーは別にいます)。割と頻繁に谷繫君がごはんを振舞ってくれる会があるので、ぜひ遊びに来てください!(他人事でなく自分もアテンドしなきゃですね笑)。

通称、根津会(?)

 大学が千葉で千葉に住み、大学院(藝大)で東京の大学に移りましたが家賃が安いという理由で千葉に住み続け、そのまま留学に行って(コロナを経て帰国し)すぐ埼玉(鳩山)に移住したので、実は東京に住んだことがありませんでした。
 千葉・埼玉と住んで、せっかくなら東京を外して次は「神奈川だ」と半分ノリ(半分本気)で移住先を去年10月頃から探していました。育ちが大阪の郊外で、千葉・埼玉と東京から離れた郊外の暮らしに縁があり、鳩山での活動の連関も考え、次なる郊外へと活動場所を考慮した結果、神奈川が候補となっていました。最も移住可能性が高かったのは「武蔵新城」あたりで、具体的なエリアマネジメント*1やそれぞれのムーブメント*2が既に起こっており、(鳩山のようにホーム的なポジションでなく)いちプレイヤーとしてアウェイの視点でまちに入ることに少し関心がありました。何人かまちの方ともお会いしましたが、結局良い塩梅の家がなく、SUUMOで探しているぐらいならと思って(今年2月頃まで粘って)断念しました。
 他方、根津に住んでから、根津も羨ましがられるほど魅力的なエリアにも関わらず、そこまで地域的なコミュニケーションには参画していないので、ちょっとずつ何かしら参加していきたいところです。
(所感:今更藝大が目の前になった。あと東京に住むのはめっちゃ便利…!行きたいところがどこも近い!)

個人の活動

 鳩山で過ごした「3年」という時間は、何かを考え・アウトプットするのにはちょうどよいスパンだと気づき、27歳から30歳にかかる3年(題して)東京編(仮)もそのように(していきたいと)考えています。

デザインリサーチ(という方法論)への興味

「では、根津を拠点に同様にソーシャル的な活動を…」というわけではなく、新たに軸を作っていきたいなという思いがあります。振り返ると、鳩山での活動は、一つの建築的な作品というよりは全体を通して「運動(movement, action)」だったと思っていてそのように取り扱っています。

一方で、作品と強く切断できない一連の動きのようなプロジェクトが増えている現代において、そうした運動や動き、プロジェクト全体を指して作品のように取り扱うことも考えられると思っています。
 少し話が飛びますが、一度(その鳩山の活動を運動として扱った)自身の修士制作へのコメントで「デザインリサーチ的である」と言われたことがありました。その時は「デザインリサーチって何だ?」という状態でしたが、今年ある本に出会ってそれが「デザインリサーチ」的であること、「デザインリサーチ」自体が自分の大枠のやりたい方法論やベースにかなり近いことを感じ、今「デザインリサーチ」に興味があります。

その本が三好賢聖さん著の動きそのもののデザイン リサーチ・スルー・デザインによる運動共感の探究です。とりわけ、三宅さんが対象とされている「動きそのもの」の話よりも(すみません)、本全体を通じて方法論であるリサーチ・スルー・デザイン(デザインリサーチの一種)を感じるドキュメンテーション、デザインリサーチとはどういうプロセスを経ていくのか、ということが記されていて自分にとってかなり印象的な一冊でした(今年のベスト本ですね)。
 現代におけるデザインという行為を前に、演繹的に物事が解決できないこと、科学的になりきれない部分とその方法の再現性について、その「動的な営みの取扱い」であったり、「手を動かしながら考える」(藝大的な)こと、「動いてみた結果初めてわかる・定義できる」(自分の出身の藤村研的な帰納法的な手続き)こと、いままさに起こる「その状況をどう記述・記録するか/ドキュメンテーション」などなど、そんなデザインの問題を扱っている方法論がデザインリサーチという領域なのかなと解釈しています。

↑ この辺とか網羅的?
修士の時のコメントの下地としてあったものが下記。
◆Christopher Frayling / Research in Art and Design(1993)
Research into (Art and) Design:アートとデザイン“について”の研究
 デザインの作品の芸術性や知覚的効果などを検証する研究や、特定のオブジェクトや人物に関する研究、またこれらにまつわる理論的な考察/批評的な研究であり主流なもの
★Research through (Art and) Design /RtD:実践と研究が循環的に行われるかたちの研究であり、様々な実験のプロセスを段階的に示すリサーチ日誌と、それからひとつのコンテクストや新たな知を綴ったレポートが生まれる。得た知識を伝達可能なかたちで表現することがもとめられる
Research for (Art and) Design : アートとデザインの“ための”研究→「デザイン・アズ・リサーチ(design as research)」、研究としてのデザイン
―研究で得られた知見は作品として具現化される
→「through」や「for(as)」が意義深いのは「into」型の研究が支配的であったから。新しい研究の方法・アプローチとして確立(と理解)。
(この辺はインプット途中…)

ゲーム研究へのまなざし

 他方で、デザインリサーチ自体は物事へ取り組むスタンス・実践の方法論であって何をやるかは重要です(本質、三宅さんで言うと「動きそのもの」のこと)。実態として何に取り組むかについては、少しずつ温めている「ゲーム」を一旦軸に置いています。
 実際に「ゲーム」のどんな側面に興味があって、それが一体建築的なことと何が関係があって、、、などなど絶賛整理中で漠然としているのですが、空き時間にまずはインプットを重ねている最中です。

ヒントになりそうな本たち(左上からZ方向に(1)~(8))
(1) Space Time Play: Computer Games, Architecture and Urbanism: The Next Level (2007)
(2) Videogame Atlas: Mapping Interactive Worlds (2022)
(3) デジタルゲーム研究 (2023)
(4) プレイ・マターズ 遊び心の哲学 (Playful Thinking) (2019)
(5) ビデオゲームの美学 (2018)
(6) ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム (2016)
(7) ゲーム化する世界: コンピュータゲームの記号論 (2013)
(8) ゲーム学の新時代 遊戯の原理 AIの野生 拡張するリアリティ (2019)

某所で出した「ゲームについて」の
ものすごくフワっとした)興味の整理。

京都クリエイティブ・アッサンブラージュ

 2023年の10月から「京都クリエイティブ・アッサンブラージュ」という社会人向けのプログラムに参加しています。

京都クリエイティブ・アッサンブラージュは社会人を対象にした創造性育成プログラムです。 人文社会学、デザイン、アート分野で京都を代表する3大学の講師と創造的実践の第一線で活躍する実務家が集結し、6ヶ月の課程を通して社会を読み解き、新しい時代を表現するための考え方や方法を学びます。

https://assemblage.kyoto/program/

内容は上記(デザインリサーチやゲーム研究)とは直接関連しませんが、何か仕事に追われてインプット・アウトプットの流れがうまくいっていないな、と思いこれに応募しました。京都大学・京都工芸繊維大学・京都市立芸術大学の3大学が提供している価値創造人材育成プログラムで、自分たちで2期生とまだ始まったばかりのものです。約半年間をかけて、各大学が講義・演習を行います。
 part1の京都大学パートが最近終了し、言語化もままならないまま、とりあえず演習を乗り越えたような状態が今です(笑)。
 「エステティック・ストラテジー」という方法論をベースにデザイナー・非デザイナー(特に主眼は非デザイナー)関係なく、今動いている世界をどう読むか、まだ見えてきていない価値をどう発見するかという方法論を実践しました。

「エステティック・ストラテジー」については上記が参考になります。
講師陣の文章(やや内容難しめ)

 同時並行で、京都市立芸大のパートの演習を新しくなった京都市立芸大のキャンパス(!)で受けていました。こちらは、学部生が行っている総合芸術基礎の授業をアレンジしたもの。技術を必要としないものの見方や示唆を得るエクササイズでシンプルに面白かったです。

 半年間もあるので2024年の3月まで、年明けから後半戦が続きます。part2として今、京都工芸繊維大学パートを受けています(それこそKCAの参加の目的の一つに、デザインリサーチがらみで水野大二郎先生たちの授業に興味があったため)。
 クリティカル・デザインやスペキュラティブ・デザインからの流れ、システミックデザインまで、最近のデザインの潮流に関する膨大な資料の共有があったり。演習としての実践はグループでのLARP(Live Action Role Playing game) 。「遊び」や「ゲーム」に興味があると書いた手前、「まさにこれでは…?」という一つの方法が試せるのでとても楽しみにしています。

LARP、ラープ(Live Action Role Playing game)は、現実世界でプレイヤーの身体的行動を大きく伴うRPGゲームの1形態である。LARP(やイマーシブ・シアター)を参加型デザインとスペキュラティヴ・デザインの融合として、異なる世界観を体験するプロトタイプ手法の1つとして扱う。

LARPに関する講義資料より

お仕事

引き続き、二足のわらじでpixiv(業務委託)で働きつつ、平日ほぼフルタイムでALTEMYで動いています(下記は主にALTEMYのお仕事について)。

「タグコレ 現代アートはわからんね」/角川武蔵野ミュージアム(2/4~5/7)

 埼玉県の所沢にある角川武蔵野ミュージア厶にて、現代アートのコレクション、タグチアートコレクション(とミスミコレクション)の企画展である「タグコレ」の会場構成をALTEMYで担当しました。
 壁・床・柱という建築の要素を展示室から無くし真っ暗なブラックキューブとして、立体的に配されたアートと情報を頼りに鑑賞者自身が能動的に物語を紡いでいく構成としました。アートから放たれる情報が展示室に充填されるよう、いくつかのスタディを試しました。民営の美術館だからこそできたし、あまりない美術展の空間を提示できたかなと思っています。

某PJ('22-01~)

 ALTEMYに所属してから少し経った後にコンペに始まり、最初から(たぶん最後まで)担当させてもらっているある内装のプロジェクトがもうすぐ竣工予定です。ALTEMY一丸でいくつもの申請関係の壁を乗り越えつつ、初の実施設計PJでインプットとアウトプットを同時にしているような感覚で、様々な発見と同時に今後学ばなければいけない事柄がものすごく大量に見つかっています。来年すぐ竣工でまだまだ気の抜けないPJですが、しっかりフィードバックしつつ次に繋げていきたい所存です。
(何を作ったのか、技術的な納まりなど意匠設計的な課題もさることながら、スケジュール管理、設計におけるコストマネジメント、先ずはすぐ電話…などなど、とても初歩的、でもとても大事なことを見つめています。また時間あるときに整理したい)

事務所ができました(!)

 2023年6月にALTEMYにもついに事務所ができました(今までずっとリモートでした。通勤という概念がついに誕生)。場所は中央区の東日本橋です。お近くに来た際はお声がけください(ご案内できるかもしれません)。
そして、2023年9月からALTEMYに新たなメンバーも加入し、益々チームで邁進していきたい次第です(最強のメンバー加入です)。

事務所からの景色

来年に向けて

①仕事でアウトプットしたものの整理/共有(言語化)/レビューをしっかり組み立てていきたい
②そろそろ資格(一級建築士)勉強に本腰を入れる(来年はその年かな)
③個人活動のアウトプットをしたい(②の関係で難しいかも?)
④継続的に何かをしたい(何か)

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以上、大晦日に書き殴ったので推敲もほぼなしですが備忘録として。
来年もどうぞよろしくお願いします!

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