国際ニュース TOP3 (5月31日)
1位:香港民主派14人、有罪判決
20年9月に香港国家安全維持法(国安法)の国家政権転覆共謀罪で、民主派の元議員ら47人が起訴された。31人はこれまでに罪を認め、否認した16人の公判が行われていた。国安法違反で最大規模の裁判。
香港高等法院(高裁)は30日、14人を有罪判決、2人を無罪とした。罪を認めていた31人と今回有罪となった14人には後日、刑が言い渡される。国家政権転覆共謀罪の最高刑は終身刑。
起訴内容は、20年9月の香港立法会(議会)選挙に先駆けて独自の「予備選」を行い過半数の議席を押さえ、政府予算案を否決し、行政長官の辞任を迫ろうとしたこと。これが政府機能をまひさせるための国家転覆とされた。
20年9月の立法会選挙は香港政府により、新型コロナウイルスの流行を理由に延期され、21年12月に行われた選挙では親中派に有利な選挙制度に変更されて行われた。
2位:安保理が緊急会合、北朝鮮衛星発射で
今月27日、北朝鮮が軍事偵察衛星を発射。新エンジンが原因とみられる空中爆発によって失敗。
国連安全保障理事会は、衛星発射について協議する緊急会合を31日に開催することを決定。
日米韓は、北朝鮮による衛星発射が安保理決議違反だと非難している。
安保理では18年以降、中国とロシアが北朝鮮を擁護する姿勢を取っている。
ロシアのウクライナ侵攻では、北朝鮮がロシアにミサイルを提供していることが確認されており、安保理ではロシアが北朝鮮にとって有利に動く可能性がある。
3位:中ロ、米ミサイル展開を非難
米国は今年4月のフィリピン軍との合同軍事演習の際、フィリピン北部に中距離ミサイルシステムを展開。演習後も留まっているかどうかは不明。
これに対し中国国防相は30日、アジア太平洋地域の平和を著しく損なったと非難。
ロシアのラブロフ外相も30日、「ロシア司令部や核戦力拠点が米国の前方配備ミサイルの射程内となれば、核抑止力の分野で追加措置を講じる可能性を排除しない」と述べた。
ロシアと米国は1987年に中距離核戦力(INF)廃棄条約に調印し、中距離ミサイルを保有してこなかったが、2019年に米国が破棄を通告。今年4月に中国への対応として、アジア太平洋地域へのミサイル配備計画を発表。実際に配備されれば87年のINF条約以来初となる。
31日からシンガポールでアジア安全保障会議が始まる。米国のオースティン国防長官と中国の董軍国防相の直接会談が予定されている。