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八十八ヵ所巡りは何故八十八ヵ所なのか

四国霊場八十八ヵ所巡りというのを真似して、全国各地に八十八ヵ所巡りの場所が設けられているわけですが、どうして八十八ヵ所なのか知っていますか。
諸説あるようですが、真言宗の開祖である工房大師空海ゆかりの札所を巡礼するというのが長い年月をかけて88ヵ所にまとめられたという話があり、では最初はいくつだったのかとかはわからないようです。
ただ、偶然88ヵ所という数字に決まったのでなく、人の煩悩の数108から特に強い88の煩悩を、お寺を巡って修行することでなくしていくという説もありますし、空海が開いた霊場の数という説もあるし、男性42才、女性33才、子供13才の厄年の数の合計という説もあります。
八という数が末広がりで、縁起が良く、無限大や宇宙を表す数字だからという説もあるようですが、だったら八ヵ所巡りで良いじゃんということになりますので、これはこじつけでしょう。

煩悩の数の一〇八の中の特に強い煩悩と言われても、百八の煩悩全てを知っているわけではないし、除外された比較的弱い煩悩二十は何なのよと言うのも思います。
だから、除外された煩悩というのを調べてみると、どうやら候補として上がってくるのが下記の二十の煩悩らしいのですが

1. 睡眠欲(すいめんよく): 必要以上に眠りたがる心。
2. 惛沈(こんじん): 気力がなく、ぼんやりとしている心。
3. 掉挙(じょうこ): そわそわして落ち着きのない心。
4. 疑い(うたがい): 仏の教えや真理を疑う心。
5. 悪見(あっけん): 間違った考えにとらわれる心。
6. 慢(まん): 自分自身を過大評価する心。
7. 嫉妬(しっと): 他人の才能や幸福を妬む心。
8. 慳貪(けんどん): 物惜しみする心。
9. 覆(おおい): 自分の過ちを認めようとしない心。
10. 無慚(むざん): 罪悪感を感じない心。
11. 無愧(むき): 恥ずかしいと思わない心。
12. 懈怠(けたい): なまける心。
13. 放逸(ほういつ): だらしない心。
14. 不信(ふしん): 仏の教えを信じない心。
15. 散乱(さんらん): 集中できない心。
16. 昏沈(こんちん): 意識がぼんやりする心。
17. 掉悔(じょうかい): 後悔する心。
18. 忿(いかり): 怒りやすい心。
19. 恨(うらみ): 恨みを抱く心。
20. 悩(なやみ): あれこれと悩む心。

すいません、その煩悩こそどうにかしたい煩悩だと思うんですけど、これ以外の煩悩をどうにかしたからと言って、なんだか効果があるのか微妙だなぁと思ったりするわけです。

ただ、弘法大師空海の真言宗寺院が四国各地に建立され、平安時代末期から鎌倉時代にかけてネットワークを形成し、巡礼路の基礎が出来、江戸時代に庶民の間で四国遍路が盛んになったという事らしいので、その四国お遍路の隆盛を羨んだ日本全国各地の宗教関連のいろんな人達がそれにあやかろうとして、各地に八十八ヵ所巡りを真似して作っていったというのが、現代に残る日本全国に散らばる八十八ヵ所巡りの場所であると考えられます。
弘法大師空海の伝説は全国各地にありますが、それだけで八十八ヵ所というのはさすがに無理なので、八十八ヵ所という数字だけがひとり歩きしたのではないかと考えられます。

十とか二十ではなく、八十八というのが何かしら巡った人の達成感に伝わるのかもしれません。
かくいう私も、その八十八ヵ所巡りという言葉にひかれて、まわってみようと考えてみたわけですから、この八十八ヵ所という数字。
百より少ない、八十八という中途半端な数字が、何故か心惹かれる数字になってしまっているのです。

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