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〈空耳図書館推薦図書〉播磨靖夫『人と人のあいだを生きる』どく社


昨年秋に亡くなった播磨靖夫さんが遺したことば。

 東日本大震災以降の〈音楽、サウンドスケープ、社会福祉〉活動のなかで出会った奈良・たんぽぽの家。ここでは1995年の阪神淡路大震災を機に全国に先駆けて〈エイブル・アート・ムーブメント 可能性の芸術運動〉がはじまり、私も理事を務めるアートミーツケア学会(2006)、ケアする人のケア研究所、そして今年度オブザーバーを務めている〈表現とケアとテクノロジーのこれから〉など、アートとケアをつなぐ先駆的かつ創造的な〈新しい知〉の提案がされ続けています。
 その中心的人物が、昨年秋に亡くなられた文化功労者・活動家の播磨靖夫さんでした。こうしてあらためて文字にされた言葉を読むと、播磨さんの少ししゃがれた元気な声までがきこえてきそうな芸術愛にあふれた内容です。
 障害者芸術やアート×ケアを学ぶ方はもちろん、岡本太郎、宮沢賢治、レイチェル・カーソン、スーザン・ソンタグ、シモーヌ・ヴェイユあたりが響く方にも〈21世紀の新しい芸術論〉として響くはず。毎日新聞の記者として出会った〈障害のある人たちの芸術〉から50年に渡る播磨さんの変わらぬ〈芸術愛〉。その遺伝子は現たんぽぽの家の職員さんのみならず、私を含めた次世代にも確実に受け継がれているのでした。

〇ちなみに帯を描かれた鷲田清一さんは、アートミーツケア学会前会長。

播磨靖夫著『人と人のあいだを生きる 最終講義:エイブル・アート・ムーブメント』どく社 2025刊 ※Amazonでも購入可能

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