![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152617465/rectangle_large_type_2_afb8e93911a4a7eab5fb39d32dcff9ab.png?width=1200)
【増設】 Mars 4 Ultra を導入
長らくFDMプリンターにて、色々と作ってきましたが、それにはそれなりの理由がありました。ざっくりと言えば光造形プリンターのレジンの扱いに手間がかかりすぎるから、というところでしたが、FDMプリンターの限界を押し広げようと努力はしてきましたが、明確な限界線は存在します。
『ノズル幅より細い線は造形できない』
これにつきます。ではより細いノズルを使えばいいかといえばそうとも言えず、フィラメントの物理的特性の問題で0.1mmといった細いノズルでは造形の安定性に問題が出ることが多く、それよりまた細いノズルがないという限界もあります。
また、光造形の場合、造形にかかる時間は、ほぼ積層レイヤー数に比例しますが、FDMの場合は造形する水平面積が増えれば増えるほど爆発的に時間がかかります。FDMでは量産性は低いと言わざるを得ません。
ただ、FDMプリントでは、造形 → チェック → 修正 にかかる手間が少なく、自分のやっているカーモデルを作るという作業には適している部分が大きく、だからこそここまでFDMでやってきました。
数年FDMプリンターで知見を貯めた結果、この辺で光造形に適している部分を切り離そうという決断をするに至り、ちょうどセールで価格の下がっていた Mars 4 Ultra を購入しました。
Mars シリーズは最新機種は Mars 5 なので、購入したものは1世代前となりますが、Saturnシリーズなど他のモデルなども含め、Mars 4を選んだ理由は以下のような点です。
最新世代は「チルトリリース機構」という新しい機構を導入しているが、まったく新しい機構なので、その点は様子見としたい。
MarsシリーズはSaturnシリーズに比べて造形エリアサイズが小さい、LCDの解像度も小さいが、MarsシリーズはLCDのピクセルが正方形(Saturnシリーズは長方形)なので、造形物の配置が印刷クオリティに与える影響を抑えられると思ったこと。
Mars 4 の中で Ultra にしたのはWiFiプリントが使えるから。
また、先に書いたように、レジンや洗浄用アルコールの扱いが煩雑である点については、NSS社さんの「エキマテ」を使うことで解決できると思ったからです。
エキマテは、いわゆる「水洗いレジン」ですが、大きな特徴として、レジン内のアレルゲン物質が極めて低く抑えられており、通常のアルコール洗浄が必要なレジンに比べて扱いが非常に簡単です。
洗浄作業時の手袋も簡易で問題ありませんし(アルコール洗浄の必要なレジンは適切な素材、厚みの手袋がないと皮膚に影響が出ます)、何よりIPA等の薬品を扱う必要がありません。
エキマテは、価格としては安いレジンの4倍ほどという高価なレジンになりますが、別途IPAを用意する必要がないことや、作業性を考えれば決して高すぎるとは思えません。
実際、エキマテでテストプリントをしてみて、その楽さは特筆すべき簡単さです!
![](https://assets.st-note.com/img/1725091205714-MasecTFqgy.jpg?width=1200)
とりあえずキャリブレーション用のモデルを出力してみました。Mars 4 Ultra でエキマテの露光設定をどれくらいにすればいいのかいまいちわからず、手探りで、2度ほどビルドプレートから脱落しつつ、やっと最初のスタート地点に到達しました。
造形物を見ると、結構ディティールが太って潰れてしまっているので、初期層の露光時間はこれでいいとして、本体の露光時間はもう少し短くする必要がありそうです。
細い円柱や、網目状のディティールは、FDMでは苦手なんですよね。この手のディティールがシャープに出るのは光造形ならでは。
まずは、カーモデルのエンブレムあたりから実戦投入していきたいと思います。
ではまた。