Eugenの備忘録その27-7/5 新国立劇場プッチーニ《ボエーム》
新国立劇場主催プッチーニ:《ラ・ボエーム》
大野和士指揮東京フィル、新国立劇場合唱団及びTOKYO FM児童合唱団
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19世紀パリにおける切ない青春の恋愛物語を、世界観をそのままに表出した粟國の演出をバックに、歌手たちが喜怒哀楽豊かに演じ切る。コステロのロドルフォは兎に角声の通りが良く、第1幕の自己紹介や第3幕の慟哭で聴かせた。ヒロインのミミはマリアネッリ。第3幕から第4幕で事切れるまでの「死期への自覚」の推移が見事。未だ実感が無くロドルフォに対し意地を見せる第3幕からひたすら彼の側に居たがり衰弱してゆく終幕への変化を付けつつ純真なキャラを一貫させていた。マストランジェロのムゼッタは第2幕での奔放さが切ない物語においてアクセントになることをマストランジェロがアピール。レオーネのコッリーネは第4幕のアリアが素晴らしい。管弦楽は東フィルだが、室内楽的なオーケストレーションのこの曲で各ソロが言葉のない物語を実践、素晴らしかった。大野和士の指揮は硬いが、オペラに長ける東フィルを得てオケに前記のように雄弁に主張させることに成功していた。