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Difyで顧客アンケート分析を自動化する
はじめに
今回はDifyというAIアプリ開発プラットフォームを使って、顧客アンケートの分析を自動化するワークフローを作ってみましたので、その手順を紹介します。大量のフリーコメントを手作業で分類するのは骨が折れる作業ですよね。そこで、GPTなどの大規模言語モデル(LLM)とDifyのワークフロー機能を組み合わせることで、作業を一気に効率化できます。
今回は「CSVにまとまったアンケート」を自動的に読み込み、ポジ・ネガ要素を抽出してから、まとめ表を作るまでの一連の流れをDifyで構築する方法を紹介します。
アウトプット
【Dify学習中の方必見!】
— 岸田崇史 | Omluc (@omluc_ai) January 4, 2025
Difyで顧客アンケート分析AIワークフローを構築しました!
CSVをアップロードするだけで、
ポジ・ネガ判定 → レポート作成 → 出力
がワンストップで完結。
アンケート読み込み
GPTなどの生成AIがポジ・ネガ判定
表形式に整形してレポート出力… pic.twitter.com/Lu5n1ZIm2h
無料のDifyコミュニティ「Dify Studio」の #note記事 チャンネルからこのアプリケーションをダウンロードすることができます。このDSLファイルをインポートすることで上記のアプリがすぐに使えます。ぜひ参加してみてください。
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ワークフローの全体像
ワークフローの構造は以下の通りです。
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ワークフローの作り方
Difyでは、ブロックを組み合わせてワークフローを構築します。今回のワークフローをざっくり読み解きながら作り方を紹介します。
1.開始ブロック
最初に「開始ブロック」を置き、CSVファイルのインポートができるようにします。ここで、顧客アンケートの回答が含まれるCSVをまとめて取り込むイメージです。
2. テキスト抽出ツールブロック
アップロードされたファイルを読み取り、テキストとして扱えるように変換します。ここではCSVファイルをプレーンテキストとして取り出し、次の処理で利用できる形にしています。
3. コードブロック(CSVの分割)
テキスト抽出ツールから受け取ったテキストを、改行で分割し、ヘッダー情報とデータ部分に振り分けています。headerやdataを出力するイメージです。
4. イテレーションブロック
CSVの各行を順番に処理するために「イテレーションブロック」を使います。アンケート回答を行単位で切り出し、それぞれに対して同じ手続きを繰り返す仕組みを設定します。
5. LLMブロック (ポジ・ネガ判定)
次に「LLMブロック」へ回答内容を渡し、ポジティブかネガティブかの判定や要約などを行います。
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6.LLMブロック (表作成)
イテレーションブロックの出力を「LLMブロック」へ渡し、表の形に整形します。
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7.終了ブロック
最後に「終了ブロック」でまとめた結果を出力します。ここまでの一連の流れを公開すれば、ユーザーはDifyのUIからCSVを一括アップロードするだけで、ポジ・ネガ要素が整理されたレポートを受け取れる仕組みになります。
全体の流れとしては、
「CSVファイル読み込み → テキスト抽出 → CSVの行分割 → イテレーション(複数行を並列処理)→ LLMでポジネガ判定 → 表作成 → 出力」
というプロセスになっています。
改善アイデア
ネガティブ度合いの数値化
「少し不満」「かなり不満」など強度を数値で出すと、マーケティング担当者が優先度を判断しやすくなります。
顧客属性の抽出
年齢や利用プランなども一緒に記載されていれば、どんな顧客層がポジティブなのか、ネガティブなのかが分かりやすくなります。
タグ付けの自動化
「機能」「UI」「価格」など主要なキーワードでタグ付けすれば、どの要素にポジ/ネガが偏っているか可視化できます。
レポートの自動生成
Difyのテンプレートノードを用いて、最終的な出力をMarkdownやHTMLのレポート形式に仕上げれば、チームで共有しやすくなります。
まとめ
今回はDifyのワークフロー機能を使って、顧客アンケートの結果をポジ・ネガ判定し、最後に表にまとめるまでの流れを紹介しました。アンケートのフリーコメント仕分け作業が一気に楽になるだけでなく、分析の正確性や作業スピードの向上も期待できます。
Difyならノーコードに近い感覚でLLMを活用できるので、ぜひ皆さんも試してみてください。
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