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金子みすゞさんの詩を読んで「あなたがあなたであることが、こんなにも素晴らしい。」

子どもたちは、その豊かな感性によって、時にとても鋭くものごとを捉え深く感じ取っています。
しかし多くの場合は、その輪郭をクリアにし、的確に言葉として自分の中から取り出すための語彙やスキルが追いつかず、誰かに伝えることも、自分自身の中にはっきりとした気づきを残すこともなく、そっと流れていきます。

Co-musubiでは、時間をかけて一つのテーマに向き合い、丁寧に対話を繰り返しながら、その子の中に芽生えた理由や想いを深め、その子なりの解釈を言葉にしてみたり表現してみたりするのを大切にしています。

この9月10月の小学生のプログラムテーマの中心は、金子みすゞさんの詩でした。
まずはいくつかの詩について、ZOOMで顔を合わせながら、解釈をみんなで話し合い、自分なりに詩に深く向き合う練習を数週間繰り返しました。

そして、金子みすゞさんの詩集から自分が一番ぴんっときた詩を選び、その詩を深く自分なりに読み解き、その詩を一番表現するのに適していると思う表現方法で創作し発表しました。

選ぶ時の基準は、「解釈が容易で表現しやすいもの」ではなく、「自分の心に一番響いたもの」というところがとても大切です。

子どもたちの選んだ詩はどれも違っていて、その詩を選んだ理由に「その子らしさ」が表れていました。

表現の手段も、絵画や工作、マインクラフトから、オーケストラ曲やものがたりの創作、アニメーション制作まで、とてもクリエイティブ。

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「金平糖の夢」という詩を選んだ小学2年生の女の子は、金平糖の歴史を調べ、さらには金平糖工場を訪ね自分で金平糖を作る体験もしていました。

「月の光」という詩を選んだ小学4年生の女の子は、毎晩、家族で月を観察し続けました。
そうすることによって、「どうして月は毎日高さや形が変わるんだろうな。」と疑問を持てたそうです。

二人は姉妹なのですが、お母さんから途中、

「 9月の子どもミーティングでの井上さんのアドバイスを受けて、一旦詩からは離れて取り組んでいます。なんだかすごく子どもたちが楽しそうで、私も楽しめて、かけがえのない時間になっています。
空想で補い遊ぶように学ぶこと、私が子どもの頃そんなふうに学びたかった、学んでおけばよかった、という自分の育て直しにもなっている気がします。
余談ですが、4歳の三女が最近お姉ちゃんたちが色々取り組んでいる様子を見ながら、毎日「今日の不思議」を報告してくれて、まだ4歳なのに?いや、4歳だからこそ?と、その感性にびっくりしているところです。Co-musubiによって家庭や生活が変わるを実感しています。」

と、とても素敵なご家族のご様子を共有くださいました。

体感を通じ丁寧に理解を深めた二人の作品は、空想が溢れ出すような勢いを感じさせる奥行きのあるものになっていましたし、自信を持って晴れやかに自分の捉えた詩の世界や作品を発表することができました。

すべての作品について詳しく説明し「こんなに素敵なの!」と世界中に知っていただきたい衝動を抑え、本日はもうひとり、小学5年生の男の子の作品をご紹介させていただきます。

彼は、「日の光」という詩を選びました。

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なぜこの詩を選び、どう感じ取っているのか?
ご家族やCo-musubiの中で、対話を繰り返しながら自分の中を探り言葉にしていきます。
そうやってご家族で対話をする中で引き出された、
「残った一人は寂しそう、『私は、影をつくるため、やっぱり一しょにまいります。』」の「寂しそう」は、影が自分自身を役に立たないと思いこんでいるのではないか。
という彼の解釈は、彼の作品に大きな影響を与えたように思います。

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いかがでしょうか?
皆さんは、この作品から何を感じ取りましたか?

私は、見た瞬間に、心が奮えました。
彼の作品によって、光にとって影の存在がどれだけ大切なのか、とても理解できた気もしています。

詩を読んだ時、彼は「影が自分自身を役に立たないと『思い込んでいる』」と捉えました。
けれど、この作品の影が持つ圧倒的な存在感はどうでしょうか。

彼は作品を通じ、詩の中に登場する影をつくる役目を担う「寂しそう」な光の存在も、自信のない影自身も、そして世の中で同じように『思い込んでいる』たくさんの人にも、「あなたがあなたであることが、こんなにも素晴らしい。」と説得力を持って力強く伝えてくれているように感じました。

子どもたちは、このような余白ある「自分からはじまる学び」を丁寧に積み重ねることで、自分の中の土壌を柔らかく耕すと同時に、自分という根っこを深くしっかりと張っていきます。

「あなたがあなたであることが、こんなにも素晴らしい。」

今回もまた、彼らの創造する力によって、大切なメッセージを受け取ることができました。
感動を、ありがとう。





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