メンバーnote 「オンライン教育について」
Co-musubiメンバー からの寄稿です。
現在「オンライン教育」が、雨後の筍のごとく世の中に増えています。
我が家でお世話になっているCo-musubiでは、もう4年ほど前から子ども達の個性や発達の段階を尊重し、広い視野を持ちとても考えられたオンラインでのプログラムと関わりの中で子ども達がワクワクと学んでいます。
Co-musubiの学びは「子ども中心主義」に基づいています。
オンライン教育は、本人の意志があり初めて成り立つものであるという点では、どれも基本的には共通でしょう。
いくら大人が「やらせよう」としても、子どもに意志がなければ退出してしまったり、他の画面を見ることは簡単ですから。
Co-musubiはオンラインであることに主眼があるわけではありません。
子どもが主体性を持って学び、自ら選択し行動することを促し、自律した人に育っていくことを根っことして大切にされています。
4月に、宇宙について宇宙航空研究開発機構 (JAXA) のワシントン駐在員事務所長の小野田さんからZOOMでお話を聞ける機会をCo-musubiメンバーがつないでくれました。
この機会をきっかけに、各々が宇宙について深く調べたり考えました。
図鑑やネットで調べたり、動画を見たり、空想したり、学び方はそれぞれです。
小2の次男は、太陽について調べたことを写真に撮り、主宰の井上さんに送りました。
すると、その次男のまとめを起点に
「太陽フレアは知っているかな?」との問いがすぐに届きました。
その子の今の興味と理解に合わせた絶妙な問いが、スモールステップで深めながらキャッチボールのように続きます。
調べながら答えていた次男。
すると「もしかして、地球は大きな磁石なの??」と、次男自ら問いが浮かんできました。
問いはすぐに解決するものばかりではありません。
モヤモヤとしたまま過ごし、一年後に突然つながり閃いたりもする。
そういったおおらかさがCo-musubiの時間軸にはあります。
Co-musubiの子どもたちは、同じ「宇宙」のテーマでも、
・火星からたくさんの元素について知った子
・様々な惑星の特徴からインスピレーションを得て、それぞれの星のキャラクターを生み出した子
・宇宙人の絵を描いた子
・哲学的な問いに向き合った子
など、とても多様です。
少人数のオンラインコミュニティの利点を生かす仕組みのため、個性が輝き、それぞれのアウトプットをコミュニティ全体で楽しみ認め合います。
それがCo-musubiが時間をかけて培ってきた文化の一つです。
学びのスピードに関しても他者のペースに合わせる必要はなく、自分のペースで学び、考え続けることが尊重されます。
学習面でも自らの学びの中でも、今の自分では解き明かすことが困難なときには、コミュニティ内で共有しアドバイスを求めると仲間がヒントをくれたり、説明をしてくれます。
学年という概念がほとんどなく、思いやりを持って助け合う兄弟姉妹のような関係性の中で育っています。
Co-musubiのプログラムテーマの設定は、多面的で重層的な要素から長期的な視野で設計されています。
世界を知ったり、将来を想像したり、過去の偉人の考え方を知り自分に自然に取り入れたり、現代の世界の問題からSDGsについて学んだり、時には算数や語彙にゲーム的に遊びながら触れたり。
多岐にわたる答えが一つではない事柄について、自分の頭で考え、自分の考えを発表し、仲間の意見にもじっくり耳を傾けます。
そのような日々の営みの中で「自分」というものは一人で生きているのではなく、「生かされている」ことに気づくようです。
次男はまだ幼くそこまでには至っていませんが、高学年のお兄さんお姉さんを見ているとそう感じます。
「生かされている」からこそ「自分たちにできることは何か」と考えはじめるようで、年齢の下の子たちが休校期間を少しでも楽しく過ごせるようにと、これまでは夏休み等の長期休暇の時に特別に行っていた朝の会を、中学生を中心とした運営でスタートしてくれました。
30分ほどの勉強タイムの後、おしゃべりやゲーム、ダンスや料理、クイズなどのお楽しみ時間を平日毎日実施してくれています。
オンラインはツールでしかなく、それ自体は目的ではありません。
子ども達はとても柔軟に使いこなし自分の意志を持って行動しています。
長時間オンラインで画面前に子どもを縛るのではなく、または子どもが画面に食いつくような安易な動画配信でもなく、子どもの創造性や意欲を自然と耕し深くじっくり自分のペースで学ぶ環境を支えるツールとしてオンラインを捉えることができたら、子どもたちはワクワクと自ら学び続けるのではないでしょうか。
驚く先進的な事例だとは思いますが、Co-musubiでは毎日普通にそれらが繰り広げられ、この休校中も子ども達がキラキラしています。