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井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た

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書き手:小林浩子(ライター・編集者/小学生の親) 新聞記者、雑誌編集者などを経て、フリーランスのライター・編集者に。 自分の子育てをきっかけに、「学び」について探究する日々を重ね…
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2023年10月の記事一覧

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た#7

多くの親が陥りやすい「ちいさな病」 (7)自分の子に対しては「解像度が落ちる」    「親はどうやったら不安を手放せるのか」。この大きな問いについて引き続き考えます。親が覚えておくと「不安解消」に役立つことがひとつあります。  それは、多くの親が陥りがちな「ちいさな病」とも呼ぶべきものです。  Co-musubiの「大人ミーティング」でこんな場面を目にすることがあります。「大人ミーティング」とは保護者が集まって対話する月1回のオンラインミーティングです。ある人が「自分の

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た#6

(6)勉強を「教科」だけで捉えることのもったいなさ アンラーンのひとつのきっかけ  「学校で勉強している内容なんて、実際の生活にはほとんど役に立たないよね。どうして勉強しなくてはいけないの?」  いつごろかはっきり覚えていないのですが、学校というものに自分が所属していた時代に、そう思った瞬間が何度もありました。買い物をするための最低限の計算や、好きな本を読むための読み書きなどはもちろん役立っています。でもそれ以外については、あまり思いつかなかったのです。そんな思いを誰か

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た#5

(5)分かりやすい成果を最短で求めるのではなく 「これで私は子どもの手を離せると思った」  ヨーロッパでの留学体験プログラムの経験を高1のAくんがシェアしてくれたCo-musubiミーティング(#1参照)の話を続けます。  Aくんは、今回の経験の中で「英語の学び方が分かった」と話してくれました。  Aくんは自分自身が英語が得意でないと感じていました。プログラムのほかの参加者の中には英語を流暢に操る高校生もいたそうです。  そこでAくんは、ほかの人たちが話す英語を、それ

井上さんと一緒に、「もったいない子育て」をやめる旅に出た#4

(4)手段を目的化してしまうことのもったいなさ 「こんないい話を聞かないなんて!」と親がイラっとする場面  「Co-musubiって何?」と知人などに聞かれると、正直言葉につまることが多いです。困ったあげく、「えっと、習い事ではなくてね、即効性を期待するものではないんだけど……」といった言葉が口をついて出てしまうこともあります。たぶんそれは、世の中にある習い事や塾の多くが、比較的短期間で成果を出すことを期待されているからだと思います。  Co-musubiの場で起きている