[ゆる感想]哲学者マクルーハン

コンピュータの設計を生業としているとそのどこかでアラン・ケイにぶつかります。本人の書いた論文や関連の書籍を読んでるとコンピュータは動的なメディアだという話が出てきます。そうするとマクルーハン、グーテンベルクの銀河系となるわけです。

グーテンベルクの銀河系の中身には触れませんが変わった本です。論理的に説を組み上げていくのではなく主題の周辺あるいは似た構造を持つ話を大量に集めて主張を伝えようとする本です。

今回読んだ本、哲学者マクルーハン、によれば本人がそういう人だったようです。

特に面白いと思ったのはソフィストのことです。教科書でソフィストはレトリックばっかり達者でソクラテスやプラトンから論理攻撃を受けて論破されたみたいな書き方がされていたように覚えています。ところが本来ソフィストは古代の叙事詩や英雄譚などを語りながら人々に道徳を説く人々だったのです。エピソードトークですね。ソクラテスやプラトンは問答屋ですから全く合わないのです。英雄譚などを聞けば明日から頑張ろうなどと思ったりもしますが、問答で論破されても嫌な気分になるだけです。なのでソクラテスやプラトンは嫌われていたのでしょうか。

最近はリーダーシップにはナラティブが重要などと聞きます。つまりソフィスト的人物がスタートアップなどには必要なのかもしれません。

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