現代のITにおけるテクニカルサポートの役割(CompTIA米国本部ブログより)
こんにちは。
CompTIAマーケティング担当の吉村です。
2022年のGWもあっという間に終わってしまいました。今年は、旅行に行かれる方も多かったようですね。そんな光景を見るのが少しうれしかったりもします。これからは、もっともっと以前の日常が戻ってくるといいですね。
さて、今回は、CompTIAのブログにも掲載をしました「現代のITにおけるテクニカルサポートの役割」をご紹介します。
先月、ITプロフェッショナルが組織の最先端を維持する方法についてご案内しました。2年続いたパンデミックから立ち直りつつある企業は、戦略的ITへの回帰を進めています。そこには、新興テクノロジーへの注力が成長を加速させ、新しい顧客機会を創出する可能性が存在します。
同時に、企業は基本的なことを無視するわけにはいきません。新しい道を切り開くには、強固な技術基盤が不可欠であり、その基盤には常に保守と強化が必要です。
テクニカルサポートは、IT活動全体の基礎となるものです。運用面では、ユーザーのトラブルに対する防御の最前線です。また、従業員が日常業務でテクノロジーを使う機会が増えているのであれば、問題発生時には下流に大きな影響を及ぼしかねません。
人材面では、ヘルプデスクは今でも技術的な専門知識を取り入れる最適な入口の一つです。キャリアパスはインフラに制限されるわけではありません。多くの企業は、テクニカルサポートスペシャリストをソフトウェア開発、サイバーセキュリティ、データといったより高度な役割に昇進させています。
では、企業がデジタルトランスフォーメーションを進める中でヘルプデスクにとって鍵となるポイントは何でしょうか。テクニカルサポートに携わるITプロフェッショナルが注目する分野は二つあります。
1. 成功に必要なスキル
2. ヘルプデスクを機能させるためのプロセス
進化するテクニカルサポートスキル
テクニカルサポートのスペシャリストは、問題解決者です。つまり、技術的なプロセスにおいてどこに不具合があるのか確認するために、幅広い知識が必要なのです。このような幅広い専門知識が、企業がヘルプデスクをあらゆるITキャリアパスの出発点として設定する主な理由です。しかし、幅広い知識を必要としながらも、スキルアップの焦点となるべき特定の分野は存在します。
ITサポート技術者が、サイバーセキュリティのベストプラクティスを実践すべきは2つの場面です。セキュリティの脅威を認識し、基本的な問題を解決し、より深刻な問題のトリアージを行うには、技術的なスキルが必要です。さらに、フィッシングやソーシャルエンジニアリングが頻発していることから、エンドユーザーに対する教育も重要となります。
2つ目の重要スキルは、以前からの定番でしょう。BYOD(Bring Your Own Device)アプローチを試みた後、ほとんどの企業は、デバイス管理をより効率化するために、企業所有のデバイスに戻りつつあります。
しかし、企業所有のデバイスは、限定的なものではありません。サポートするデバイスは多岐にわたり(ラップトップ、スマートフォン、タブレット、IoTセンサー)、これらのデバイスは異なるOS(Windows、macOS、iOS、Android)で動作しています。従業員に生産性向上のための柔軟なオプションを提供するために、組織は包括的なサポートに投資する必要があります。
そして、ヘルプデスクはバックエンドをサポートしなければなりません。過去10年間にわたって、ビジネス全体は徐々にクラウドシステムに移行していましたが、パンデミックによりその動きが急激に加速しました。
ヘルプデスク技術者は、システムをクラウドプロバイダーに移行したり、マルチクラウドアーキテクチャを統合したりすることはないかもしれませんが、クラウドの概念に精通している必要があります。そうすることで、日常的な問題を解決し、より高度な問題を適切な部門にエスカレーションすることができます。
革新的なテクニカルサポートのプロセス
サポートスペシャリストのスキルセットが進化する一方で、現代のヘルプデスクの運用プロセスはより大きな変化を遂げつつあります。多くの点において、ヘルプデスクはまだ戦術的な活動です。しかし、運用の改善により、ヘルプデスクはより広範なIT戦略において一つの役割を担うようになったのです。
第一に、組織はヘルプデスクの成功を測ることを強化しています。Zendesk、Zoho、またはJiraのようなチケットシステムの導入を意味する組織もあるでしょう。そこから、どのメトリックス(測定基準)が重要かを決定することになります。これは、チケットの解決速度、解決したチケットの数、またはビジネス目標に関連する他のメトリックスかもしれません。ほとんどの組織の最終目標は顧客満足度であり、チケットプロセスで収集されたデータは、次の2つのプロセスの改良に生かされます。
多くのデータが手元にあれば、次のステップは「分析」です。これは、潜在する洞察を掘り起こすためにデータサイエンティストを採用するということではありません(一部の組織では、その準備ができているかもしれませんが)。小規模な分析から始めることができます。例えば、スプレッドシートにデータを集め、チームで傾向を見るなどです。しっかりとした分析は、技術者のパフォーマンスを評価するためのより良い方法や、将来の需要を予測するための新たな方法となる可能性があるのです。
最後に、ヘルプデスクは、収集したデータと分析をもとに、特定部分の自動化に着手することができます。テクニカルサポートでの自動化の最も一般的な用途を見ると、自動化がヘルプデスク業務を改善し、顧客満足度を向上させることができるのは明らかです。自動化は、企業におけるヘルプデスクの排除を意味するのではなく、ヘルプデスク担当者がより価値の高い活動に集中できるようにすることなのです。
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