宝塚歌劇団 団員の死亡に関し、労働基準監督署が是正勧告
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宝塚歌劇団 団員の死亡に関し、労働基準監督署が是正勧告
2024年9月6日、宝塚歌劇団を運営する阪急電鉄株式会社は、労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表した。
2023年9月に団員の女性が死亡した事件に関し、労働基準監督署は複数回にわたり立入検査を実施しており、違法な長時間労働等の是正を求めたとみられる。
女性は宝塚歌劇団と業務委託契約を締結し、フリーランスという形式で働いていたが、遺族側は女性が事実上の「労働者」であり、女性が死亡する直前1か月の時間外・休日労働時間が過労死ラインを大幅に超える277時間に上ったとしていた。
同社は、是正勧告を重く受け止め、適切に対処するとともに、宝塚歌劇団の改革に向けた取組を続けるとしている。
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過労死ライン
過重な業務負荷を原因とする脳・心臓疾患による死亡、いわゆる労働災害上の過労死に該当するか否かを判断する時間的基準のこと。
脳・心臓疾患による死亡の場合、発症前1か月間に100時間以上の時間外労働がある、または発症前2~6ヵ月間に月平均で80時間以上の時間外労働があることとされているが、2021年9月に認定基準が見直され、この水準に近い時間外労働をしている場合には、労働時間以外の負荷要因も十分に考慮した上で、労働災害と認められる場合があることが明確にされた。
なお、労働時間以外の負荷要因には勤務時間の不規則性や事業場外における移動を伴う業務、心理的負荷を伴う業務等が挙げられる。
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