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非営利組織とコンプライアンス|目次

こんにちは、非営利組織とコンプライアンス研究会の代表世話人を務める弁護士・塙 創平(はなわ そうへい)です。普段は、東京都港区にある「りのは綜合法律事務所」の代表弁護士をしています。

「コンプライアンス」という言葉は、何か起きた時によく聞くけれど、腹落ちしにくい言葉でもありますね。そもそも、何かが起きた時のことなんて、想像したくもないかもしれません。

ただ実は、コンプライアンスは、組織のトップだけが理解して、不祥事が起きたときだけ意識すればいい言葉ではないんです。

組織を動かすために、組織のトップは、組織のそれぞれの構成員に対し、ビジョン・ミッションを伝え、メッセージを送り、ときに業務命令を発します。その様子は、人体において、動脈を通じて、栄養が届けられる様子に似ています(村井満・著、東京経済社刊『天日干し経営』101頁参考)。
一方、組織の構成員からすれば、届いた内容全てが腹落ちする内容…ということはないでしょう。組織において、動脈の役割となる情報の流れがあるなら、腹落ちしない老廃物を排泄する、静脈の役割となる流れが必要です。

そこで、動脈で届けるビジョン・ミッションと静脈で対峙する存在が、コンプライアンスというわけです。『どうやってコンプライアンスを実現するか』という話が、静脈の役割を果たせるでしょう。

…いやいや。これだけじゃ、何を言ってるかわからないですよね。
そこで今回、コンプライアンスを広く理解してもらえるように、noteをまとめることにしました。

テーマは「組織のコンプライアンス」ではなく、あえて『「非営利」組織「と」コンプライアンス』にしました。

私は弁護士として、中小企業のコンプライアンスを扱う一方で、非営利組織のコンプライアンスにも、かなり力を注いでいます。
企業×コンプライアンスの話は比較的どこにもありますから、「非営利組織×コンプライアンスの話をしよう。それも、非営利組織に所属する読者に限定しない形で(企業の方にも役だてていただける内容を企図して)、届けよう」という思いを込めています。
非営利組織を外から理解するのにもお役立ていただければ幸いです。


コンプライアンス入門タイトル一覧

(*すでに公開されている記事へは、クリックで飛べます)           

1. コンプライアンス入門

(1)コンプライアンスは行動が一番大事。そこで「死人テスト」をしよう

(2)そもそも「コンプライアンス」とはなに?実は単に「法令遵守」ではない!


(3)個人の不祥事なのに組織も悪い?コンプライアンスで大事な「使用者責任」とは                       


(4)私たちはなぜ、法令等を遵守するのか?個人と組織、弁護士が両方の視点から解説


(5)そもそも非営利組織とは?営利組織との違いを解説。利益はむしろ出すべき!


(6)非営利組織と外部の人との間に起こるコンプライアンス問題とは?


(7)非営利組織の内部で起こりうる特有のコンプライアンス問題を解説


(8)まとめ〜「非営利組織の弁護士」におれはなる〜


2. ハラスメント入門

「ハラスメント」とはなに? パワハラ、セクハラ、マタハラ…大切なのは「すこやかに働ける」か!


ハラスメント対応に必要なのは「3つの視点」!


パワーハラスメントの6つの型とは|パワハラの典型的場面を弁護士が解説


セクシャルハラスメント(セクハラ)の種類と具体的な事例を弁護士が解説


マタニティハラスメントの基本形は4つ!マタハラを弁護士が法律に基づき解説


「不法行為」とはなに?不法行為責任からハラスメント判断までを解説


ハラスメント防止対策は事業主の義務!就業規則の書き方や解釈のポイントを解説


ハラスメントの懲戒処分はどう決める?適正に決めないと無効に!


ハラスメントにおける「罪を憎んで人を憎まず」という考え方


(7)事実認定が難しいハラスメント


3. 「炎上」に備える

(1)「炎上」の発生プロセス         
(2)「炎上」対策の方法(リスク対策)   
(3)「炎上」の事前対策
  ア 規定の整備             
  イ 組織内研修             
(4)「炎上」の事後対策
  ア 火元の確認             
  イ 早期の情報開示           
  ウ 相談窓口の設置           
  エ 調査委員会の設置          
  オ 組織内処分      

4. 競業取引・利益相反取引の禁止

5. 情報管理 

おわりに 

コンプライアンスの実現には外部の力が必要です

自分が経営・運営する会社や組織の決まり事や慣習が、コンプライアンスにつながっているかどうかの検証は、実は経験が豊富であればあるほど判断が鈍ります。
最初は「アレ?」と思ったことでも、次第に「こんなものか」と慣れてしまいますし、たいていは同業他社も似たり寄ったりだからです。

だからこそ、定期的に第三者に確認をしてもらったり、伴走してもらうことが、組織を健全に保つ上で大切です。

非営利組織とコンプライアンス研究会では、第三者に確認してもらう機会や、伴走する仲間との出会いを提供していきます。
隔月ペースで研究会を開催しますので、参加ご希望の方は、是非コメントをお寄せ下さい。

また、りのは綜合法律事務所では、本気で変わる組織を応援します。
非営利組織の仕事が3割程度を占める事務所ですが、その他はほとんどが企業のお仕事です。
本気で変わる組織の方は、お気軽にメッセージをお寄せ下さい。
応援します!

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