"自分を幸せにする力"を育む 森のようちえん

**こんぱすにっきからの転記 2017/9/24**

ノーフュンスの生徒に自転車を貸してもらい、草原を漕ぎぬけて着いたのは、Gårdbørnehaven Spirevippen(がー…読み方わからない)

地元の母たちが、自分の子供たちのために理想の幼稚園を、とタッグを組んで設立された園で、今でも毎年5名の保護者が経営メンバーとして選出され、どのように幼稚園を作っていくのか議論しているという。

今回案内してくださったのは、園長先生であるViviさん。

「幼稚園の目的は?」と聞いたところ、少し考えてまっすぐな目で ”To live a own life”と。

まさに、そのための仕掛けが詰まっている場所で。ここで働かせてください!と、もう少しで千と千尋になるところでした。

門をくぐると目に入ってくるのは、ひたすらに広い原っぱ。というより草原。

ブランコ・砂場・小さい丘など、ふつうの幼稚園にあるような遊具と、にわとり・ぶた・ひつじ・うさぎなど沢山の動物。

草をかき分けると「これはかぼちゃ」「これはトマト」と小さい農園が。

自分で選ぶこと、自分で決めることを大事にしているこの幼稚園では、決まったお遊戯や工作の時間は、ほとんどない。

子供たちで何して遊ぶかを決めて、自分たちで遊び場をつくり、動物たちに餌をあげるのか、農園から野菜を取って食べるのかも自分たちで決める。

育てた豚を食べるのかどうかもみんなで決める。

だからこそ事件も失敗も沢山起きる。

そこらへんに落ちている木の実を拾って食べても注意はしない。うげーーってやっているところに、”How can I help you?”と声をかけるのが先生の役割。

そうやって自分で失敗をして、自分で学んでいく。

悲しい、怒っている、嬉しい、うらやましい。

泣いてもいいんだよ、と、感情をあるがままに受け入れることも先生の役割。

親と離れて悲しいと泣く子に、悲しいね、ととことん付き合う。

感情との付き合い方を一緒に考える。そうすると、他の子に対しても、empathyが持てるようになる。

「先生たち同志のかかわり方で大事にしていることも、全く同じよ」とVivi先生は言う。

失敗はするから受け入れる、感情を押し殺さないで放出してもらう、

それぞれが園や園児とどうかかわるかを決める。

「あーーーなんてすてきなんだろう!」と叫びたくなる、素敵が沢山ぎゅっと詰まった森の幼稚園でした。

制限ではなく、可能性で支援をするということ

ほくほくした気持ちでノーフュンスホイスコーレに戻り、

「ホイスコーレを日本に広めたい」という山本勇輝さんにお話を伺いつつ思考の整理。(ありのままで、優しく、強く。深い海のような、とっても素敵な方でした。)

森の幼稚園も、フォルケホイスコーレも、経営者も法人も全く別ですが、不思議と、脈々と流れている「大事にしたいこと」には同じものを感じました。

「その人がその人らしく生きるためのお手伝い」を大事にしている国だ、と。

制限をすることで団体行動や規律は守れるし、ある一定度の成果は、出すことができる。

なんてったって、縛る側がラクチン。

難しいかもしれないけれども、その人らしさを尊重するために、目の前の子どもや高齢者が何を感じていて、何を求めていて、今ある制約条件の中で、どうやったら実現できるのだろうか?

先生も、介護士も。私のような人事というお仕事も。

人に関わりながら仕事をするうえで、大事なことを教わったように思えました。

素敵だなあという、じいんとした気持ちと、これが難しいんだよなあ、というざわざわという気持ちと。

「さあ、どうやったら、できる?」自分にも問いかけてみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?