腹を凹まし、月に声放ち
気が付いたら、腹を凹ましている。
朝ストレートの時、朝食後軽くお腹マッサージする時、朝ストレートPart2の時、『さっきのあれは食べすぎなのか』を確かめる時、お手洗いに入りズボンを下ろす時、入浴中お腹を洗う時、お風呂上りにお腹を拭く時・・・
それも力いっぱいに。
こうして見ると、『お腹凹まし』はもはや私の日課というか日常ではないか!
なぜこうも(意識的に無意識的に)お腹凹ましに力を入れているのかというと、おそらくデブだったため残念極まりない青春時代を送っていたのが大きかったと思う。
なんせ学生時代の最高記録と比べると、10kgは減ったからな。もうあの時には絶対戻りたくない。
それと、『青春』とはどうしてもさようならしたくないゆえ情けなく抗っているのも1つ。
2007年放送の金曜ナイトドラマ『帰ってきた時効警察』第六話でこんなセリフがありました。
視聴した当時は特に気にしていなかったけど、いまになると涙が出るほど痛切にわかる。
青春やら若さやら、なかなか手放しがたいのよ!
そんな大勢の人が持つであろう共通の願望とは裏腹に、じりじりと去ろうとする「青春」からは幾度も「退居するね」の兆しを見せられる。
中でも代表的なのは、基礎代謝の低下による「体脂肪の大貯蔵キャンペーン」の定常化。
ちょっ、おかしくない?
ごく普通に食事をとっただけ(のつもり)なのに、この腰のぷにぷにはなんだ?この下着の食い込みはなんだ?この顔の膨らみはなんだ?
だから、今日もこうして自分を安心させるため、腹を凹ましています。
そのほか、
巷でよく聞く『簡単〇分ダイエット』、『これだけで痩せます』、『たった〇分!▼を凹ます』の類も、いくつか実行しています。
しかし「これだけ」や「いやでも」と煽られてはいても、実際には継続しないと意味がない。さらに、基本的に何かに特化したものばかりで、全身に効くものはそうそう楽じゃない。
結局、いろいろやるのにはそれなりの時間を要する。
やとわれる身なら毎日ワンセット全部こなすのは到底無理な話。
そしてやりきるのにそれなりの努力が必要だから、ついつい力み過ぎて鬼の形相になる。
若さやら青春の香りのかけらもない。
JOとBOからも、不思議そうな目で見られる毎日。
しんどいなと思いつつもやらないと気が済まないから仕方ない。
去りつつある青春が見せてくる兆しには、脂肪系以外にもたくさんある。
目元には時の足跡を象徴するくすみやらが少しずつでもじわじわと確実に存在感を表す。
ふと鏡を見ると、ニンマリと会釈してくれる白髪が一本、また一本…。
きりないですよね。
こういう自然現象にちっとも恐れない人もたくさんいると思うけど、お恥ずかしながら、私はそうでもないようです。
ハローワールド!の勢いで目立とうとする恐ろしきヴィランたちに戦々恐々しながら押さえつける日々を送っている。
とはいえ、大声で宣言するのもなお情けなくてできず、心の奥で静かに唱えるだけ。
けどまあ、動機は何であれ、自分を動かす何かを自分は持っている。悪いこととも言えないよね。
とりあえずそういうことにしておく。
明日外出用に用意したスタンドフリルブラウスとさよならするか否かも、そろそろ決めなくちゃ!