そのプロダクト 誰の手に届けますか
こんにちは。(株)こまむぐ 代表取締役・小松和人(こまつかずと)です。
もっぱら現在は木のおもちゃばかりを開発している私ですが、もちろん誰に届けたいかというと第一に子ども達です。
私の開発した「どんぐりころころ」シリーズ。個人事業うちから販売を開始し15年ほどになります。1000個売れたらヒット商品と言われる木のおもちゃ業界で、お陰様で累計30万個以上の販売をさせていただいております。
余談ですが体長5cm程度のどんぐりころころも30万個を積み上げると15,000m!エベレストをゆうに超える高さですね!30万人の手に自身のプロダクトが渡ったと思うと、何とも感慨深いものです。
この30万個のどんぐりころころ。果たしてどのように売れたのでしょうか。
メディアに取り上げられてバズったわけでも
デザイン賞に認定されたわけでも
某オシャレ雑貨屋書店に紹介されたわけでもありません。
そのほとんどが人から人への「おススメ」で広まってきたのだと思います。
偉そうなことを言うようですが、プロダクトの初回販売は難しくはない。というのが私の持論です。
今はモノがあふれる時代、バイヤーもメディアも行政も「新しいもの」には目を光らせています。ある一定のレベルでデザインやストーリーを備えることができれば、話題性を求める層への初回販売はうまく行きやすいように感じます。
しかし肝心のユーザーは「新しいもの」や「話題性」以上に、自分のライフスタイルにいかにマッチしているかでモノを選びます。
【使用感】です。
そしてこの使用感の高いものこそ満足度が高く、満足度の高さが人へのおススメにも繋がります。
多くのプロダクトは家に2つ3つと必要としません。つまり使用した人からおススメされないプロダクトは、リピートがかからないという事です。
飲食店に似ていますね。新しいお店ができれば行ってみようかとなりますし、お店の雰囲気や価格も重要な要素でしょう。
しかし【味】が悪ければもう行くことはありませんし、人に勧めるとなれば尚更です。
つまりプロダクトにとっての【使用感】は、食事で言うところの【味】であり、使用感こそがプロダクトの本質にあたります。
私はプロダクトの開発の時には、誰に届けたいか。を明確にしています。おもちゃであれば子ども達に届けることを第一に。
どのように遊ぶか
周囲には誰が要るか
どんな関係性か
何と組み合わさるか
どんな危険があるか
・・・等を想定します。
子どもの道具ですので、子どもの習性や発達の勉強は欠かせません。当たり前ですが【使い手のたちば】で開発を行っています。
この徹底した【使い手のたちば】に立った開発が、プロダクトの【使用感】の良さを生み出し、人にお勧めしたくなるおもちゃになっているのだと感じています。
デザインやストーリー重視の開発をすればするほど。
どこの国で使われたい。
どこのお店で売られたい。
どこの雑誌で紹介されたい。
というようなクリエイターの「夢」が語られますが、本当にプロダクトの目指す夢はそこでしょうか?
誰の手に届けたいのか。
どんな風に使ってもらいたいのか。
そこを明確に生み出された使用感と満足度の高いプロダクトであれば、雑誌も、お店も、国すらも。望むものは後からいくらでもついてくるように思います。
デザインもストーリーも大切な要素ですが、それはあくまでもプロダクトにとって「付加価値」です。自身の生み出すものが付加価値先行になっていないか、私は何度も何度も確認します。
何故なら「真の価値」を備えたプロダクトを、届いて欲しい人の手に届けたいからです。
最後までお読みいただきありがとうございました。こちらもよろしくお願いします。
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