スポーツの魅力は”たまり場”で決まる(2/3)
前回のnoteはコチラから
前回はスポーツが日本に入ってきた経緯について書いてみました。今日はこれらを踏まえて”みる”スポーツについて書いてみます。
みるスポーツとは
前回のnoteにも書いた通り、日本にスポーツが輸入された当初、「スポーツは”する”ものだ」と解釈されていました。
しかし1932年ロサンゼルスオリンピックで初めて、ラジオでの実感放送が行われました。
実感放送とは、言葉の通り、”試合を観戦した人がその大会の状況をリアルタイムっぽく話す”というものです。中には、実際に出場した選手まで放送局に呼ばれ、泳ぐフリをしながら日本へ試合結果を伝えたこともあったそうです。
※NHKドラマ「いだてん」より、実感放送の様子(ブレている人は阿部サダヲさんですが、そういう役なので悪しからず)
当初、ロサンゼルスオリンピックでは実況放送をする予定だったそうですが、アメリカ側から急遽NGが出てしまい、「新聞よりリアルに伝えるため」の代替案として実感放送が行われたそうです。
しかしこの実感放送は、多くの国民の心をつかみ、「え?スポーツって”する”こと以外でも楽しめるな」というスポーツの解釈を変える契機となりました。
その後、テレビの普及によって「ラジオでスポーツを”聞く”」から「テレビでスポーツを”見る”」とライフスタイルが変わっていきました。
そして最初の実感放送から約90年が経ち、先日のラグビーワールドカップでは多くの国民がスポーツを”みま”した。サンスポによると、平均視聴率は41%越えだったとか。
この数字は、戦前の「スポーツは”する”もの」という概念から「スポーツは”したり”、”見たり”するもの」という娯楽的な意味合いに変わっていることを示しています。
こうしたスポーツを”見る”という感覚が日本に浸透していったことと同時に日本国内でパブリックビューイングが増えていきました。
パブリックビューイングは”イベントの再イベント化”
今回のラグビーワールドカップでも全国で多数のパブリックビューイングが開催されました。私も大分市で開催されたパブリックビューイングに参加しましたが、本当に楽しかったです。
このパブリックビューイングは、スポーツの試合をリアルタイムで観戦し、スタジアムと同じ空間を人工的につくろうとする試み、いうなれば、「(スポーツという)イベントの再イベント化」と捉えることができます。
しかしこの再イベント化が盛り上がるかどうかというのは、ある面大きな賭けでもあります。なぜなら、パブリックビューイングは試合結果に左右されやすいからです。
スタジアムで直接観戦している人は、試合に負けてしまっても「リーチマイケルが見れた!」、「スクラムの音がすごかった!」といった一定の満足感があります。
しかしパブリックビューイングは、あくまでモニター観戦ですから、試合が負けてしまうとなかなか盛り上がらない。主催者からすると、「なんとか勝ってくれ!」と心から願っていることでしょう。
そこで大きな役割を担うのが、本noteのタイトルにもある”たまり場”の存在です。スポーツにおけるたまり場は、スポーツそのものを魅力をより高めてくれる役割を担っています。
次回、スポーツにおけるたまり場のや役割について書いてみます。