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転勤族の家庭だったからこそ、コミュニティにたどり着いた

本noteは、コミュニティのカレッジ アドベントカレンダー企画「私とコミュニティと」のエントリーブログになります

こんにちは。
コミュニティフリーランスの長田(@SsfRn)です。

ふと、「なぜ自分はコミュニティをこんなにも自分ごと化できるのだろうか?」と考えていました。きっと、そこには原体験があるはずで。自分の根底にある、自分ごと化の要素をこのnoteで考えてみたいと思います。

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うちの父親は全国に支社がある、いわば大企業の営業職でした。

その子どもととして生まれたので、引っ越しはすぐ隣にあるもので。幼少期の記憶をたどると、さまざまな家にいた時のことを思い出します。

転校もつきもので、今思うと、別れることが前提で友達関係を築いていたような気がしています。だからなのか、今も他者と深い関係性を築くのがそんなにうまくありません。(自分のことを不器用だなと思う瞬間ばかり)

転校のことを考えると、僕にとって印象的なエピソードがあります。

僕が生まれも育ちも関西になるのですが(これを話すと東京の人だと思ってました!と必ず言われる)、小学3年生のときに千葉へ引っ越したことがありました。

当時の僕は関西弁一色で、千葉に転校してからも関西色全開だった気がします。

千葉の学校の同級生からしたら、まったく文化が違う、テレビでしかみたことないような関西弁を使う異色な存在が現れて、好奇心が爆発したのでしょう。毎日のように「関西弁をしゃべるやつ」ということで、あらゆる質問を浴びまくっていました。

当時の僕は、それが強烈に嫌だったみたいで。
「関西弁を直せばこの集中砲火はおさまるはず。」と考えて、標準語を勉強して、見事に直してしまったんです。

そこから平穏な小学生ライフを送っていたのですが、小学5年生のタイミングでまた転校しなくてはいけないと親から告げられたんです。

これには僕もショックで。また転校先の文化に自分を合わせて、友達をいちからつくらないといけないのか…と、泣きじゃくって猛反対。部屋に閉じこもって、親を困らせていました。

「せめて、友達がいる関西に戻りたい」と無理難題なお願いを親にしたところ、転校前の小学校に戻ることになりました。(親はきっとかなり頑張ってくれたんだと思います。今振り返ると無茶なお願いだったなと)

標準語でも関西に戻ったので、「エセ関西弁」といじられる日々がはじまったのでした。


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転校って、コミュニティを破壊することと同義。

それまで安心感をもって所属していたコミュニティから、強制的に離れなくてはいけないのですから、本人にとっては大ごとです。

当時はそう思っていましたし、ひとりの親になった身としてもよく考えるテーマ。親になった友人と話していても、「子どものコミュニティを壊したくない」という話はよくあがります。

過去当事者だったひとりとして、こういう配慮ができるひとが増えていることはとても素敵な話だなと思います。

ただ、忘れてはいけないのは、この「コミュニティを破壊される経験」「コミュニティに1から入っていく経験」を積んできたからこそ、僕は今ここに立っているということです。

コミュニティにおいて弱者的なポジションに立ち続けてきたからこそ、コミュニティの大切さを肌で理解しているし、弱者の立場にたって考えることができる。

まったく転校経験がない道を歩んでいたとしたら、きっと僕はコミュニティに関わる仕事をすることはなかったように思います。


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これは単なる結果論かもしれないし、いわゆる意味づけにすぎないかもしれません。

ただ、親として考えたいのは、「子どもにとって本当に必要なのは、コミュニティを壊さないということなのか?」ということです。

子どものコミュニティを壊さないようにするために、自分の選択肢を狭めてしまったり、時に自分の本音を隠してしまったりしている人がいるとしたら、「別の考え方もあるんじゃない?」とそっと声をかけたい。

だって、コミュニティが壊れる経験は、生きていれば必ず遭遇するイベントなのですから。だとすれば、壊れることを避けるのではなくて、壊れても歩き続けられる足腰・しなやかさを身につけることこそが大切なことだと思うんです。

それがどうすれば身につくのか、明確な答えをお伝えすることはできないけど、そのヒントが今取り組んでいる「コミュニティの活動力」にあると思っています。


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自分がコミュニティに所属している自覚って、意外と持ちにくいですよね。特に地域や学校など関わって当然のような場所だと、環境の一部としてしか見えません。

でも、きっと誰しもがここに書いたことのように「コミュニティを意識する体験」ってあると思うんです。多分忘れているだけで。

それがなんなのかはわからないけど、わからないからこそ、ひとりひとりのコミュニティエピソードを聞いてみたい。いつかお話するときにでも、こっそり教えてくださいね。

特に、コミュニティ運営に関わっている方は、自分の原体験を言語化してみるのをおすすめしたい。思わぬ気づきがありますので。

それでは!


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長田 涼
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