【Practical Class2021】 問いを深めるTOYプロジェクト
こんにちは!Community Based Academyラーニングナビゲーターの知世です。この記事では、Academy2021の「Practical Class」で開講を予定している「TOYプロジェクトクラス(通称TOYクラス)」についてご紹介します。
TOYクラス概要
町工場には「これはすごい!」というモノづくりの知恵があふれています。その一つひとつは、これまで人類が自然物と出会い、驚き、より豊かな 暮らしのために利活用する、そんな営みが連綿と続いてきたからこそ存在しているものです。
一方で現代の暮らしは、それらの「発明してきた」製品が当たり前に存在しあふれています。私たちは今、モノづくりが人の手によっておこなわれて
きたこと、背景にまで想像を及ばせること、なによりこの世界の特徴を発見しそれらを暮らしのために活かす発明する喜びから遠のいてしまいました。
そこで、こうした状況に危機感を抱いた大阪東成エリアの町工場の職人の方々と、その思いに共感したプロダクトデザイナーがタッグを組んで、
生み出せる人を生み出すような「問いを考えるTOY(知育玩具)をつくろう!」というプロジェクトからこのクラスは誕生しました。
TOYを通じて自然の摂理と人々の暮らしに根差しているモノづくりの原点に触れ、「自分でつくる」ことができる子供が増えていくきっかけになればという思いが込められています。
このクラスでは、上記のプロジェクトからバネ工場の西尾さんと、プロダクトデザイナーの江口さんを共創パートナーとして招き、商品をつくるのではなく、継続的な商品づくりを可能にする「サステナブルなデザインブランド」としてどのような事業モデルを設計できるとよいか、ということに焦点を当てて探究していきます。
「工場とデザイナーがコラボするとこんなことができるのか」という可能性を感じつつ、地球や社会をよりよくしていくCommunity Basedなモノづくりのあり方について考え、ともにこれからの製造販売ビジネスの姿を生み出す機会になることを願っています。
新しい “モノづくり” と同時に私達にとって大切な “問い” も生まれる取り組みを、共に「Make」する仲間を募集します。
TOYクラスの魅力について、思うこと
たとえば「バネ」ひとつとっても、日常の暮らしの中で、私たちは完成された「バネ」を見る機会がほとんどではないでしょうか。しかし、身の回りにあふれていて当たり前に使っているモノたちにも、「未完成」の時期や「誕生」した時期があったはず。
そう考えたときに、バネという商品はなぜ生まれたのか?どのようにして生まれたのか?バネの凄さとは何なのか?もっと凄いバネができるとしたらどんなバネなのか?バネの凄さや技術は、ほかにどういった応用ができるのか?・・・など、「当たり前の向こう側」を想像してみると、さまざまな問いが次々と浮かんできます。
バネの例はあくまで一例ですが、こういったモノづくりの根源的な仕組みや原理、面白さを熟知している方々の目線で世界と出会ったときに、彼らには世界が一体どのように見えているのだろう?ということは、個人的にとても興味をそそられるポイントです。視点がひとつ増えただけで、未来への視界がパッとひらけたり、世界への想像力が豊かになったり、感動する瞬間が増えたりすると思うのですが、こうした積み重ねのひとつひとつが、”わたしたちが大切にしたいことを大切にする経済活動をつくっていく” 上でも、とても大切なことだと感じています。
そんな「WAO!」な引き出しをたくさん持ったモノづくりのプロフェッショナルたちと、互いの知恵・アイディア・経験をひらき、交差させながら未来をともに開拓していくことに関心のある方はぜひご検討いただけると嬉しいです◎
ちなみに、ここだけの話ですが、初開講ならではの採算度外視(!?)な凄腕メンバーが集っています。ワクワクと同時に、この場からどんな展開になっていくのか(いろんな意味で)かなりドキドキしています。なかなか得難い機会であることは間違いないことを強調しておきたいのと、人柄的にはチャーミングであたたかい人たちばかりなので、その点はご心配なく!笑
実際にどんなことを行うのか?
このクラスでは、FACTORY×DESIGNER×KIDSの三者の共創で、知育玩具のデザインブランドをつくっていく、ということを土台に下記の方向で考えています。
■Challenge(挑戦)
モノづくりの[a-ha!体験]を共有できるTOYおよびブランドの開発
■Goal(目的地)
ブランドの事業モデルのプランニングができている状態
■Let's Make!(具体的な取り組み)
・問いを考える知育玩具の企画、設計、事業計画を作成
・モノづくりの新たな事業創造プロセスを設計
・関わる全ての人が創り手になれる「参加型モノづくり」の仕組み設計
■Welcome(こんな方におすすめ)
・Community Basedなモノづくりに関心のある方
・世界にインパクトを与える新しい「日本のモノづくり」のカタチを創りたい方
・製造業や児童教育に関わっていて、すでに持っている可能性を共にひらいていきたい方
※モノづくりの経験・実績などは特に問いません◎
開講スケジュール(全10回)
11/14(日)10:00〜12:30:メイカーMTG
11/27(土)10:00〜12:30:パートナーMTG
12/4(土)10:00〜12:30:メイカーMTG
12/18(土)10:00〜18:00:フィールドワーク@大阪府・東成エリア
1/22(土)10:00〜12:30:メイカーMTG
1/29(土)10:00〜12:30:パートナーMTG
2/26(土)10:00〜12:30:メイカーMTG
3/5(土)10:00〜12:30:パートナーMTG
4/9(土)10:00〜13:00:メイカーMTG
4/16(土)10:00〜13:00:パートナーMTG
【補足】
Community Based Academyでは、「つくる・つくられる」「教える・教えられる」といった関係性ではなく、この場に関わるひとりひとりが「学びのつくり手(メイカー)」としてフラットに関わりあえる姿勢を大切にしたいとの考えから、下記のように呼び名を考えてみました。
・受講生・参加者ではなく「メイカー(Learning Maker)」
・運営・事務局・講師ではなく「ナビゲーター(Learning Navigator)」
・クライアントではなく「パートナー(Learning Partner)」
今回申し込みいただいた方は、みなさん「メイカー」としての申し込み、となります。
【MTGについて】
・メイカーMTGとは:ナビゲーターと、メイカーが参加するMTG
・パートナーMTGとは:パートナー・ナビゲーター・メイカーが全員参加するMTG
ともに学びをつくる仲間
■Learning Partner:パートナー
江口 海里(Kairi Eguchi)
工業デザイナー(インダストリアルデザイナー)
KAIRI EGUCHI STUDIO inc. 代表
1980年大阪生まれ。
大阪市立工芸高校、大阪市立デザイン教育研究所で工業デザインを学び、2008年独立。2021年法人化しKAIRI EGUCHI STUDIOを設立。2021年より日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)関西ブロック長。一般社団法人リリースに参画。
工業製品のデザインを中心に、それに付帯するブランディング、グラフィックワーク、また企業理念やビジョン、タグラインなど、事業の成り立ちから最終製品まで事業者と一緒に考えるデザイナー。地元大阪の町工場から、中国最大の白物家電メーカーまで大小様々なクライアントを持ち、「デザインでヒトとモノのいい関係の構築」を信条に日々デザインを探求、提供している。
賞歴としてグッドデザイン賞、iFデザイン賞(ドイツ)、A’デザインアワード(イタリア)、デザインフォーアジアアワード(香港)など。出展歴としてミラノサローネ(イタリア)、テントロンドン(イギリス)、イーストデザインショー(上海)など。
一般生活者に向けてデザインのおもしろさを伝える、耳で学べるデザインポッドキャスト「デザインシテン」パーソナリティ。
<メッセージ>
新しい取り組みなので試行錯誤になると思いますが楽しみです。また町工場からモノを生み出すということはこれまでずっと下請けとしてはしてきたことだと思いますが、町工場もデザイナーも自分たちが正しいと思うものを作って、ちゃんと販売まで関わるというあまり前例のないことをリリース、町工場と一緒にトライできることが何より楽しみです。
皆様宜しくお願い致します。
西尾 光司(Koji Nishio)
ばねのコンサルタント
一級技能士(金属ばね製造、金属熱処理)
株式会社ニシト発條製作所
1977年大阪生まれ。
奈良県の公立高校を卒業後、福岡にある私立大学で農業土木および農村開発について学び、大学卒業後に農業用水用の施設設計に5年程度携わって、祖父が創業した金属ばね製造の会社に移り、現在に至ります。
モノづくりで暮らしを守り、幸せな社会をつくりたいと日々精進中です。
社内での主な役割は技術営業、設計、品質管理など。特に、ばねのコンサルタントとしてばねに関する困りごとの解決に喜びを見出し、自社の強みとしている。(例えば、折損することなく何十年も使い続けられるばね、使用環境にジャストフィットするばねの設計など)
・厚生労働省認定 一級技能士(金属ばね製造、金属熱処理)
・文部科学省認定 技術士補(農業部門)
・(一社)日本ばね工業会認定 優良ばね製造技能者(金賞)
・(一社)日本ばね工業会西部支部 技能検定講座 講師 2018年~
・阪南大学経営情報学科 非常勤講師 2018年~
・モノふぇす実行委員長 2015年~
・大阪府中小企業家同友会 東成・生野支部 支部長 2020年~
<メッセージ>
昨年から始まった新型コロナウイルスは時代の変化点となり、至るところで社会的課題がより顕在化したように感じます。しかし牛丼3拍子(早い、安い、美味い⇒巧い)に全集中してモノづくりしてきた自分にとって、どこか他人事でした。でも積み重ねてきたモノづくりの技術、知識が単なる製造を超えて社会的課題の解決に役立つのでは?と感じ始めた矢先にこのプロジェクトにお声掛け頂きました。なので、今は皆様との時間がワクワクでしかありません!
目指すは参画者が楽しめる、関わる人が増える、だからこの取り組みが広がっていく。そんなプロジェクトにしていきたいです。
皆様、これからどうぞ宜しくお願い致します。
■Learning Navigator:ナビゲーター
曽 緋蘭(Tseng Feilang)
株式会社ROOTS
代表取締役・共同創業者
サンフランシスコでデザイン思考を中心とした工業デザインを学び、後に William Sonoma 社でインテリアのブランディングデザインを行う。帰国後はオムロンヘルスケアでIOT健康機器のビジネスモデルの可視化、事業企画からアプリ、プロモーションにいたるクリエイティブディレクションを手がける。現在は京都市京北の里山古民家に住み、地域の魅力を引きだすコミュニティデザインを行う。株式会社ROOTS代表、世界中の学生や専門家を里山へ招き、サステナブル事業の研修プログラムを企画運営。地域事業者とともに地域課題を解決するビジネスデザインを国内外の教育機関と連携し若手の実践の場を提供している。
<メッセージ>
コロナによって起こった社会の変化は経済のあり方やビジネスに大きな影響を与えました。今までのマーケットドリブンなモノづくりでは限界が来ています。一方でモノづくりの工場に足を運ぶと、職人ならではの視点や知恵が詰まっていて、モノづくりの楽しさを呼び覚ましてくれます。そのワクワクそのものが伝播していくようなデザインが出来たら、経済価値だけでは無い新たな価値創造につながるのではとこのプロジェクトが始まりました。モノづくりの職人とデザイナーが新しい時代に合った新しいパートナーになる為の第一歩がスタートしたと感じていて、とても楽しみです。
皆様どうぞ、宜しくお願いします。
桜井肖典(Yukinori Sakurai)
一般社団法人リリース 共同代表
Community Based Economy 呼びかけ人代表
2000年よりデザインコンサルティング会社を経営、様々な分野でデザインプロジェクトの企画監修を重ねる。2012年より持続可能性と事業性を両立する「未来が歓迎するビジネス」のデザイン組織としてRELEASE;を始動。「藝術と社会変革のあいだ」で経済活動をプロデュースする構想家として、社会の大きな物語を編み直す人文学的なアプローチと共創によるビジネスデザイン手法を軸に、大企業や自治体からスタートアップや非営利団体まで領域横断的なプランニングとディレクションを実践する。「想像力からこそ優しさが生まれる」と信じ、「希望を実現する技術であるデザイン」とともに、一人でも多くの人が希望を胸に生きている世界へ。
牛飼 勇太(Yuta Ushikai)
一般社団法人リリース コミュニティオーガナイザー
tanomo株式会社 代表取締役
共生家、共生コーチ
コミュニティオーガナイザー
「共に生きる」ということの喜びや尊さが人々の営みの中に当たり前のように存在する世界を目指し、兵庫県東条の里山付き古民家で自然と共に在る暮らしを家族と共に営みながら「共に暮らす」場であるシェアハウスを企画運営し、その手法を使って農業×コミュニティの自走する仕組みを京都、和歌山などで作るなど、地域コミュニティの支援も手掛けている。
居住地である加東市の定住移住サポーターや「ひがしなりソケット」「トヨノノ応援会」など各地のまちづくり事業にも関わっている。
<メッセージ>
細部にこだわり尽くす町工場の職人技と、神は細部に宿ると言われるデザインを生み出すデザイナーが「サステナブルなデザインブランド」という大きなコンセプトの元に、具体と抽象をいったりきたりしながら創り出していく、世の中が歓迎する新しいアイテムが生み出され続ける仕組み。そこに立ち会った人にしか見ることのできないプロセスにこそ学びが沢山詰まっているはずです。この希少な機会をともに共有でき、ともに創っていける方のご参加を心待ちにしています。
参考記事
共創パートナーの方々の取り組みについてもっと知りたい!という方はぜひこちらの記事をご覧ください。
■このクラスが生まれる発端となったプロジェクト
「TOYクラス」が誕生する元になったプロジェクト「ひがしなりソケット」
<上記WEBサイトより一部抜粋>
ある人は、隣のおばあちゃんが安心して暮らせる未来を思うかもしれません。ある企業は、道行く小学生が大きく夢を描ける未来を思うかもしれません。
望む未来のために、私たちはいま何ができるのか。
それが『ひがしなりソケット』で取り組むことです。
区民も企業もNPOも行政も、それぞれから見える景色は違っても、
願う未来に大きな違いはありません。 望む未来が一緒なら、立場を越えてつくればいい。
私たちの地域の未来を明るくする、 そんなアイデアをみんなでカタチにしていく場。それが『ひがしなりソケット』です。
ひがしなりソケットで西尾さんが発表した提案資料
「コドモもオトナもみんなで ”問い“ をみつける ”Toy“ プロジェクト(仮題)」
https://higashinari-socket.com/wp-content/uploads/2021/03/1HS_NishioTeam_presentation210305.pdf
お申し込み
TOYクラスへ興味をもった方は、こちらのページの申し込み詳細をご確認いただいたのち、エントリーをお待ちしています◎
【申し込み締め切り:10月30日(土)23:59まで】
【追記】※終了済み
本日10月22日(金)19:30〜22:00には、今回開講する全クラスのパートナーが集まるプレイベントもオンラインで実施します!
どなたでも無料でご参加いただけるので気軽にお越しください◎