部下にやる気を求めてはいけない理由!
部下のやる気を求めると、上司はストレスを増幅させる?
「もうちょっと仕事にやる気だしてくれたらなぁ...」なんて、部下にやる気を求めていませんか?
経営層の相談にのっているボクとしては、部下に対して「やる気」を求めるのはオススメしません。
理由はいたってシンプル!「やる気」を求めている上司は100%心が疲れていくから。
本記事から得られる2つのメリット
本記事では部下に対して、なぜやる気を求めてはいけないのか。そしてやる気を求めるのではなく、何をすべきなのかをサクッとお伝えしていきます。
本記事を読み進めていくと、部下をコントロールする気持ちが解消され、自分自身が何をすべきなのかが直感的に理解できます。
つまり、あなたの仕事の質が上がります。ぜひ最後までお読みください。
上司が部下にやる気を求めてはいけない
「上司は部下にやる気を求めてはいけない」
これ鉄則です。
部下のやる気を求めてはいけない真の理由
なぜ、部下に対して「やる気」を求めてはいけないのか?
ChatGPTに「上司が部下に対してやる気を求めてはいけない理由を3つ教えて」というプロンプトを打ち込んでみると次のような解答が得られました。
ChatGPTは優秀です。しかし、これらの解答はボクの伝えたいことではありません!
真の理由は次の3つです。
①「気持ち」というコロコロ変化するものを求めても、成果は上がらない
A.パートナー間で繰り広げられる不毛な会話の一例です。
👩「私のこと好き?」
👨「好きだよ」
👩「好きなら〇〇してくれるはずでしょ」
👨「頑張ってるんだけど...」
B.上司と部下の間で繰り広げられる不毛な会話の一例です。
🧑🏻💻「仕事、やる気ある?」
🧑🏻💼「やる気ありますよ」
🧑🏻💻「やる気あるなら、〇〇するはずだよね」
🧑🏻💼「ハッ、ハイ...」
パートナーとの間で繰り広げられる上記のような会話に、心底辟易している男性経営者が、部下にまったく同じパターンで詰め寄っていることがあります。
このようなシーンを目撃したり聞いたりしたら、心の奥底で次の言葉を発しています。
なんでやねん
「Aという気持ちなら、Bという行動をとるはずだ」というのは、勝手な想像であり、勝手な期待でしかありません。
仕事で大切なのは、成果をあげるための行動なはずです。
「やる気があれば、成果の上がる行動を選択するはず」というのは勝手な期待で、この期待が見事に裏切られることによって、上司は病んでしまうのです。
②やる気は求めるのではなく、上司から部下に伝播させるもの
やる気があるから仕事がうまくいくのか?
はたまた、仕事がうまくいくから、やる気が出るのか?
鶏が先か、卵が先かと同じ問題でボクには答えがわかりません。
なので、ボクがわかっていることだけを述べます。
大前提として、上司は部下の意欲低下につながるようなことだけは避けなければいけない。
この前提をもとに、上司は仕事の意欲が高まる環境を創造していく必要があります。
仕事に対して意欲が高まる環境のコア部分は100%コミュニケーションにあります。
部下の意欲を高めるコミュニケーション3要素
部下の意欲低下を避け、仕事に対する意欲が高まる環境を創造していくためのコミュニケーション。
そのコミュニケーションに絶対的に外せない3要素はこちらです。
①ルールを明確にし、繰り返し伝える
どんな上司にも、その人特有の「ルール」があります。そのルールは公言されているものもあれば、無意識の中に存在し、言葉になっていないものもあるでしょう。
上司は、とにかくこのルールを明確にし、わかりやすいものにしなくてはいけません。
そして、繰り返しこのルールを伝えていく必要があります。どんなスポーツでも、ルールがわからなければ、プレイできません。仕事も同様に、まずはルールを覚えることからスタートです。
よくコーチングの影響などで「上司には傾聴が大切」なんて言われますが、中小企業の現場では、傾聴より100倍「ルールを教え込む」方が実際は優先されます。
②仕事の面白さを伝える
多くの人は、仕事の方法を教えることに躍起になりすぎです。
メリットやベネフィットを伝えずに「仕事の方法」だけを教えている。これって売れないセールスパーソンがお客様の未来を描かずに、すぐに商品説明しているのと同じです。
部下の意欲を高めたいなら、仕事をどのように楽しんでいけばいいのか?
その仕事がもつ面白さを言葉にして伝えていきましょう。
③伝えたからといって、すぐに理解してもらおうとしない
人間は、基本的に自分の体験に照らし合わせて、他者の言葉を理解していきます。
そのため、コミュニケーションにおいて最も大切なことは、相手の体験、経験に合わせて「理解できる言葉」を使うことです。
上司が素晴らしい仕事の方法を教えても、部下がその言葉を理解するための体験を持ち合わせていなかったら、「さっぱり意味がわからない」と感じています。
上司はコミュニケーションを、常に部下の体験にチューニングする必要があります。これを意識していくと「わかりやすい!」と感じてもらえます。
わかりにくいより「わかりやすい!」のほうが、意欲が高まるのは言うまでもないでしょう。
まとめ
人の「気持ち」はコロコロ変化していきます。
そんなあやふやなものを軸に仕事をしてはいけません。
軸は具体的な行動です。もっと言えば、成果の上がる行動を明確に指示するのが上司の仕事です。
そして「やる気」は強要してはいけない。そもそも、強要しても効果はマイナス。
やる気は仕事の喜びを共有していくことによって、自分から他者に伝播させるものです。
部下をコントロールしたい欲求からの解放
「もうちょっとやる気を出してくれれば...」という思いの根底には、「部下をコントロールしたい」という欲求があります。
「コントロールしたい」という欲求は、気づかぬうちにストレスを拡大させます。
本記事でお伝えした仕事に対する意欲が高まる環境を創造していくためのコミュニケーション3要素を実践していくと、コントロール欲求が薄れ、上司がすべき本来の仕事(部下の成果を伸ばす)に集中できるようになります。
部下の意欲を高めるための第一歩を踏み出そう!
まずは、自分自身のルールを明確にしていきましょう。
無意識の中に隠された「マイルール」を明確にし、テキスト化する
という作業に一人で取り組むのは、「ハードル高いな...」と感じる方は、ぜひエグゼクティブパーソナルセッションをご利用ください。
プロのサポートによって、時短でマイルールが明確化されます。また、そのルールをどのように部下に伝えていけばいいのか、という実務的な方法についてもアドバイスしています。