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ふゆのおとずれ

紅葉が終わり、風が吹く。

植物から色がどんどんなくなっていく頃、朝起きるのがつらくなる。

まだ起きなくて大丈夫、あと5分寝よう。そうやってまた目を閉じる。

起きなくてはいけない理由など、何も無いように思う。

そして、あたたかい布団から出ない理由は無限に出てくる。

空腹ごときでは僕を布団からは引っ張り出せない。先回りして枕元にパンを置いている。

暁を覚えないのは春だけではない。むしろ冬は起きていてもかたくなに布団という聖域を守ろうとする。

あたたかい布団とやわらかい毛布を体に巻きつける姿はホットドックだ。

今度は腕だけ伸ばして携帯電話の画面を眺める。ただ、文字をなぞるだけで何も読めていない。

だんだんと言葉が頭の中に広がりはじめると突然、もう家を出なくては、と焦り始める。

大慌てで身支度をして、今日は結構早く起きてたのになあ…なんて考えながら外に出た瞬間、気づく。

「あ、マフラー忘れた。」

そんなときに、ああ、もうすでに冬は始まっていたと気づくのだ。

#冬 #とは #エッセイ #布団 #マフラー #眠い

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