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ただの日記 #2

こんな状況にいると一層、誰かの日常が自分にとっていちばんの非日常で、一番の知るべきニュースだと思えてくる。

そうならわたしも、重力に従い続けて降下するこの毎日だって、書くだけ書いといたらいいこともあるかもしれないし。

自粛生活ももうすぐ1ヶ月になって、日々じわじわと何かが吸い取られている。やる気とか、食べたいものを思いつく思考力とか、「朝」とか。すなわち生きる意志とか。

毎日適当に音楽を流して、小岩井のコーヒーバッグからケチ臭く2杯絞り出して、とりあえずPCに向かって2分ごとに遮られる集中を削り出して企画になりそうなニュースを探したり、細切れの集中力で何冊か本を読んだ。

instagramのストーリーで出現している自粛星人のパターンを割り出すのがちょっと面白い。パズルの進捗を更新する人、クッキングに打ち込む人、なんとマメなことかと驚くことにフルタイムで働きながら毎食の手作りご飯をアップする人、あとはnetflixのおすすめを募集する人。

わたしだって御多分にもれず愛の不時着をストーリーしたり、SUITSのシーズン8を見終えた自慢をストーリーしたりしている。
運が良ければどうせまた半年後には生活もクソもない日々を送るくせに、おめでたい勘違いをしてブルーベリーの苗まで買ってしまった。

「時間をこま切れにされたら、人は何ものにもなることができない」
最近自分を叱咤するのに持ち出しているのはこれ。「ひきこもれ」という吉本隆明の本にあった一文なんだけど、グサグサときて良い。
せっかく手に入ったまとまった時間を、今日も自ら細切れに浪費している。


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